第3497回 終盤戦のリーグフェーズ (3) モナコはアストン・ビラに勝利、リールはリバプール相手に大健闘
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■16位以内をキープするパリサンジェルマン以外のフランス勢
前々回と前回の本連載ではチャンピオンズリーグ終盤戦の第7節、最も注目を集めたカード、パリサンジェルマン-マンチェスター・シティ戦について紹介し、逆転勝利したパリサンジェルマンがマンチェスター・シティを抜いてプレーオフ圏内の22位に入ったことを紹介した。
今回からはパリサンジェルマンよりも上位の3チームを紹介したい。まず、新しい年を迎えた時点でフランス勢は勝ち点13でブレスト(得失点差+4)とリール(+3)が並び、ブレストが7位、リールが8位である。勝ち点10のモナコは16位であり、パリサンジェルマン以外の3チームはシード扱いのプレーオフ以上の成績をキープしている。
■2025年になって3戦未勝利のモナコ、アストン・ビラを迎える
この3チームの中で初日の1月21日に登場したのがモナコとリールであり、モナコは18時45分にアストン・ビラ(イングランド)をルイ二世競技場に迎えた。モナコは年が明けてからは初戦となるフランスカップのベスト32決定戦ではスタッド・ド・ランスにPK負け、続くリーグ戦ではナントと引き分け、モンペリエに敗れ、まだ白星がない。
この試合でモナコは勝利すれば、21時にキックオフを迎えるリール、翌日の22日にキックオフを迎えるブレストに勝ち点で追いつくことになる。また、対戦相手のアストン・ビラも勝ち点13(得失点差+6で5位)であり、直接対決で勝ち点で並ぶことができる。そして勝ち点13というのは目安としてはプレーオフ出場となる24位以内を確保することを意味する。
アストン・ビラを率いるのはかつてパリサンジェルマンの監督だったウナイ・エメリ、先発メンバーにはフランス代表のルカ・ディーニュ、かつてモナコに所属していたユーリ・ティーレマンスもいる。モナコとアストン・ビラは初顔合わせであるが、モナコはホームでイングランド勢には相性がよい。
■開始早々のウィルフリード・シンゴのゴールでモナコが勝利
モナコは開始間もない6分にCKのチャンス、ラマイン・カマラがゴール前にあげたボールをティロ・ケーラーがヘディングシュート、これをアストン・ビラのGKエミリアーノ・マルティネスが両手で弾くが、そこにウィルフリード・シンゴがいた。シンゴがヘディングで決めてモナコが先制する。アストン・ビラがボールを優位に支配する展開となり、31分にはディーニュ、37分にはレオン・ベイリー、45分にはオリー・ワトキンスが決定機をつかむが得点に至らず、モナコが1点リードしてハーフタイムとなる。
後半も立ち上がりにマグリス・アクリウシュのシュートがゴールインするが、オフサイドで得点は認められない。しかし、押し気味のアストン・ビラも得点をあげることができず、モナコが1-0で勝利、勝ち点を13に伸ばし、ブレスト、リール、アストン・ビラなどと勝ち点で並んだのである。
■6戦全勝のリバプール相手にアウエーで大健闘したリール
リールはこの時点で得失点差でもモナコと並んだ。リールの第7節はアウエーでのリバプール(イングランド)戦である。第1シードのリバプールは唯一の6連勝、リールにとっては最も厳しい戦いになる。
しかし、この試合でリールは健闘する。組織的な守備を固め、リバプールの攻撃をシュートまでつなげさせない。だが、リールはジョナサン・デイビッドがセンターサークル付近でボールを奪われ、リバプールのコスタス・ツィミカスが縦にロングフィード、これを拾ったのがプレミアリーグ得点ランキングトップのモハメド・サラーであった。サラーは見事にシュートを決めてリバプールが先制する。
1点を追うリールは58分にマンディが2枚目のイエローカードで退場となる。数的不利になったアウエーのリールであったが、ワンチャンスをものにする。62分に左サイドからガブリエル・グドムンドソンがクロス、これをゴール前のハコン・アルナル・ハラルドソンがシュートするが、ツィミカスがブロック、このこぼれ球をデイビッドが同点ゴールを突き刺す。
同点に追いついた10人のリールであったが、68分にリバプールはCK、リールの守備陣はクリアしたが、ペナルティエリアの外からハーベイ・エリオットがロングシュート、リールの選手に当たってコースが変わり、これが決勝点となる。リールは敗れたが、強敵相手に好ゲームを演じ、最終節にかけるのである。(続く)