第3625回 20年ぶりに欧州カップ出場のストラスブール、カンファレンスリーグ初戦で勝利
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■リーグフェーズの試合数が6試合のカンファレンスリーグ
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場したフランス勢の戦いを紹介してきたが、今回は第3のタイトルであるカンファレンスリーグにフランスから出場したストラスブールの戦いを紹介しよう。
カンファレンスリーグもチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ同様にリーグフェーズと決勝トーナメントに分かれている。ただ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグがリーグフェーズを8試合戦うのに対し、カンファレンスリーグは6試合だけであるため、リーグフェーズの開幕はチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグでは第2節が行われる週の10月2日に開幕する。
■第1シードから第6シードまでに分かれるリーグフェーズ
リーグフェーズの出場チームは36チーム、第1シードから第6シードまで分けられ、各チームは第1シードから第6シードまでのそれぞれ1チームとホームまたはアウエーで戦う。各シードのチームとホームとアウエーで2回対戦するチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグとの違いである。なお、カンファレンスリーグの場合、第1シードのチームとホームで対戦したら、第2シードのチームとはアウエーで対戦する。第3シードと第4シード、第5シードと第6シードのチームとの対戦も同様である。
なお、決勝トーナメント、プレーオフへの進出はチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ同様であり、リーグフェーズの8位までのチームが決勝トーナメントにストレートイン、9位から24位までのチームがプレーオフ経由で決勝トーナメント、さらに9位から16位のチームはプレーオフで第2戦をホームゲーム、というところは変わらない。また、プレーオフを含む決勝トーナメントはホームアンドアウエー形式で準決勝まで行われ、決勝はドイツのライプチヒのRBアリーナで争われる。
■20年ぶりの欧州カップ本戦出場となるストラスブール
大会形式の紹介が長くなったが、フランスから出場するのは昨季リーグ7位のストラスブールである。本来であれば、カンファレンスリーグの出場権はリーグ6位のチームに割り当てられるが、ヨーロッパリーグに出場できるフランスカップ優勝チームがチャンピオンズリーグの出場権のあるパリサンジェルマンとなったため、7位のストラスブールにチャンスが与えられた。本連載第3618回で紹介した通り、プレーオフでデンマークのブロンビーを下し、リーグフェーズ出場となった。ストラスブールは2019-20シーズンのヨーロッパリーグの予備戦に出場しプレーオフで敗れており、欧州カップの本戦を戦うのは2005-06シーズンのUEFAカップ以来20年ぶりのこととなる。
UEFAインデックスでストラスブールは第3シードとなる。そして10月2日の初戦はスロバキアのスロバン・ブラチスラバとアウエーでの戦いとなる。スロバン・ブラチスラバはスロバキアリーグで7連覇中であり、リーグフェーズでは第1シードになっている。久しぶりの欧州カップとなるストラスブールはいきなり第1シードのチームとアウエーで対戦することになった。
■幸運なオウンゴールで先制、追加点も決めたストラスブールが勝利
この時点で国内リーグで6位のストラスブールであるが、負傷者を抱えた布陣で臨む。試合が始まってから、ストラスブールは苦戦する。1本のシュートも放てないままで時計は20分を過ぎる。この時点でスロバン・ブラチスラバはすでに5本のシュートを記録している。劣勢だったストラスブールであるが、思わぬ形で先制点が転がり込んできた。26分、左サイドからマーシャル・ゴドがクロスを上げる。ファーサイドのサミュエル・アモ・アメユオがターゲットであったが、そこにスロバン・ブラチスラバのアラサナ・イラジャンが入ってきて、誤って自らのゴールに入れてしまう。ストラスブールは41分にもアブドゥル・ウアタラがゴドのパスを受けて角度のないところから追加点を決める。
後半にスロバン・ブラチスラバはラヒム・イブラヒムが1点を返すにとどまり、ストラスブールは最大の難敵相手にアウエーで勝ち点3を獲得したのである。(この項、終わり)