第3626回 好調な序盤戦となったフランス勢(1) 5回目の対戦となるマルセイユとアヤックス

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■リーグフェーズ第2節以降は同週に開催されるチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグ

 前回までの本連載は9月に開幕したチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、10月に開幕したカンファレンスリーグのフランス勢の戦いを紹介してきたが、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはすでに第2節を終えている。チャンピオンズリーグは9月30日と10月1日、ヨーロッパリーグは10月2日に第2節が行われた。第1節はチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグは別々の週に行われたが、リーグフェーズの第2節から最終の第8節まで、プレーオフを含む準決勝までの決勝トーナメントは同一の週に行われる。なお、決勝戦はチャンピオンズリーグは土曜日の5月30日、ヨーロッパリーグは水曜日の5月20日に行われる。
 チャンピオンズリーグの第2節、フランス勢は9月30日にマルセイユがホームでアヤックス(オランダ)、10月1日にモナコがマンチェスター・シティ(イングランド)、パリサンジェルマンがアウエーでバルセロナ(スペイン)といずれもチャンピオンズリーグの優勝経験のあるチームと対戦した。

■マルセイユのチャンピオンズカップ初戦に立ちはだかったヨハン・クライフ

 第1節で第1シードのレアル・マドリッド(スペイン)とアウエーで戦い、惜敗したマルセイユ、ホームに戻って同じ第3シードのアヤックスとの戦いとなる。本拠地ベロドロームは6万5000人のファンで水色に染まる。両チームはこれまでに欧州カップで8回対戦しており、戦績は3勝3敗2分と互角である。
 最初の対戦は半世紀以上前、現在のチャンピオンズリーグの前身のチャンピオンズカップであった1971-72シーズンのことである。マルセイユはチャンピオンズカップに初出場となる。一方アヤックスはヨハン・クライフを擁し、前年度の大会で初優勝を遂げていた。マルセイユは1回戦は免除で2回戦(ベスト8決定戦)から参戦、2回戦の相手がアヤックスであった。記念すべきマルセイユのチャンピオンズリーグの初戦はベロドロームで1-2と敗れる。アムステルダムでの第2戦でも1-4と連敗し、マルセイユにとっては苦い経験となったのである。一方のアヤックスは連覇を果たす。
 2回目の対戦は1987-88シーズンのカップウィナーズカップ両チームは準決勝で対戦している。決勝はストラスブールで行われるため、両チームとも準決勝が最後のホームゲームとなったが、マルセイユは0-3、アヤックスは1-2と最終戦を飾ることができなかった。2試合通算得点でアヤックスが決勝に進出する。

■3回目の対戦でアヤックスを下したUEFAカップ

 2008-09シーズンのUEFAカップである。このシーズン、マルセイユはチャンピオンズリーグに参戦していたが、グループリーグで3位となり、UEFAカップの決勝トーナメントに回り、ベスト8決定戦でアヤックスと対戦する。この模様は本連載の第958回と第959回で紹介したが、第1戦はマルセイユで行われ、2-1で勝利した。ところがアムステルダムでの第2戦はアヤックスに先制を許し、追いついたものの、後半に勝ち越し点を奪われ、90分経過した時点でアヤックスが2-1とリードし、試合は延長戦に入る。ホームのアヤックスが有利な状況であったが、マルセイユは延長後半にタイロン・ミラーズがゴールをあげ、試合は引き分けとなったが、2試合通算得点で上回り、3回目の対戦でようやくアヤックスを下したのである。

■ピエール・エメリク・オーバメヤンのハットトリックで決勝トーナメント進出を決定

 そして最新の対戦は2023-24シーズンのヨーロッパリーグのグループリーグでの対戦。4回目にして初めてリーグ戦で対戦した。グループリーグの第1節でアムステルダムで対戦、この試合は得点の取り合いとなり、アヤックスが先行し、マルセイユが追いつくという展開で3-3のドローとなった。マルセイユでの対戦は第5節である。この試合で活躍したのがピエール・エメリク・オーバメヤンである。ハットトリックを達成し、4-3と勝利したマルセイユはグループリーグ2位以内、すなわち決勝トーナメント進出を確定した。一方のアヤックスは3位となり、当時のヨーロッパカンファレンスリーグへと転戦した。
 そのオーバメヤンは今季サウジアラビアのアル・カーディシーヤから戻ってきたのである。(続く)

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