第3627回 好調な序盤戦となったフランス勢(2) マルセイユ、アヤックスに大勝

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■チーム状態が上がってきたマルセイユ

 チャンピオンズリーグのリーグフェーズ第2節、マルセイユはオランダのアヤックスを迎える。第1節ではレアル・マドリッド(スペイン)とアウエーで1-2と惜敗した。それまで国内リーグではもたつきを見せていたが、この強豪相手の戦いがチームに勢いをもたらしたのか、その直後に行われたパリサンジェルマン戦では開始5分にあげた先制点を守り切り、1-0と勝利、リーグ開幕以来5連勝だった王者に土をつけた。翌節のアウエーのストラスブール戦も2-1と勝利し、リーグ順位は3位になり、チームの状況は上向きである。
 アヤックスも第1節ではACミラン(イタリア)に敗れ、リーグ戦で3位というところはマルセイユと同じである。

■新加入のイゴール・パイションの連続ゴール

 前回の本連載で両チームのこれまでの対戦について紹介したが、得点数の多い試合が目立つ。そしてこの試合もゴールの多い試合となったが、これまでとの大きな違いはワンサイドになったということである。
 得点を重ねたのはホームのマルセイユ、立ち上がりの6分にイゴール・パイションがアヤックスの守備陣と競りながら、右足で先制点を決める。パイションは今夏新加入し、マルセイユでの初ゴールとなったが、昨季まではオランダのフェイエノールトに所属し、アヤックスを熟知している。そのパイションは12分にもインターセプトから生まれたチャンスから2ゴール目を決める。マルセイユの欧州カップ戦で開始12分で2点を決めた選手はこれまでにおらず、これまでの記録は21分のピエール・アンドレ・ジニャック、新加入選手が華々しい活躍をした。さらに26分にはアヤックスのパスミスからピエール・エメリク・オーバメヤンがボールを獲得、オーバメヤンはメイソン・グリーンウッドにパスを出し、グリーンウッドが左足でシュートを決める。マルセイユは3-0とリードを広げた。開始30分経ってもアヤックスはシュートを1本も記録することができない。アヤックスの初シュートは45分、前半のシュート数はマルセイユの5本に対し、アヤックスは1本にとどまった。またマルセイユは5本のシュートのうち4本が枠内、アヤックスは枠内シュートはなく、守備の乱れがマルセイユの得点を許した。

■ピエール・エメリク・オーバメヤンもゴール、アヤックスに大勝したモナコ

 後半に入って52分にはオーバメヤンがペナルティエリア内から左足でシュートを決めて、4-0となる。ここでマルセイユはペースダウンし、ようやくアヤックスが攻撃を仕掛ける。後半はアヤックスはシュート数でマルセイユを上回ったが、精度を欠き、1点もあげることができなかった。マルセイユも追加点のチャンスはあったが、最終スコアは4-0、このところチャンピオンズリーグでは失点の多かったマルセイユであるが、クリーンシートで今大会で初勝利を飾ったのである。

■第1シードのマンチェスター・シティと対戦するモナコ

 第2節の2日目には21時キックオフでモナコはホームでマンチェスター・シティ、パリサンジェルマンはアウエーでバルセロナ(スペイン)と対戦した。同じチャンピオンズリーグ優勝経験チームと言ってもマルセイユの対戦したアヤックスが過去のチームという感のあるのに対し、マンチェスター・シティは2023年、バルセロナは2015年に優勝している。
 モナコは第1節でクラブ・ブルージュに1-4と大敗、国内リーグでは4勝2敗で4位であるが、直前のロリアンとの試合では敗れている。対するマンチェスター・シティは第1節はナポリに勝利、第1シードの実力を見せた。
 このイングランドの強豪相手に人一倍闘志を燃やしているモナコの選手がエリック・ダイアーである。今夏にバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)から移籍してきたが、その前にはトットナム・ホットスパー(イングランド)に10シーズン所属していたイングランド代表選手である。モナコでのデビュー戦となるルアーブル戦ではヘディングでゴールを決めている。ダイアーはこの試合でも活躍したのである。(続く)

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