第3628回 好調な序盤戦となったフランス勢(3) マンチェスター・シティと引き分けたモナコ
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■ファーストタッチで得点をあげたアーリング・ハーランド
第1節でクラブ・ブルージュ(ベルギー)に1-4と大敗したモナコ、ホームでの初戦の相手は第1シードのマンチェスター・シティである。両チームは2016-17シーズンのチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦で対戦したことがあり、この時はモナコでの試合はモナコが3-1と勝利し、マンチェスターでの試合はマンチェスター・シティが5-3と勝利し、アウエーゴール2倍ルールが存在していた時期であるため、モナコが準々決勝に進出している。
ただ、今回の対戦、フィールド上に並んだ役者という観点ではビッグクラブのマンチェスター・シティの方が一枚上である。その役者の中にはパリサンジェルマンから移籍したジャンルイジ・ドンナルンマがおり、ゴールを守る。先制点を決めたのはその役者のうちの1人、アーリング・ハーランドであった。15分、マンチェスター・シティはモナコ陣内に入ったところで一瞬動きが止まったかに見えた。ヨシュコ・グバルディオルがふわりと前線にロブでボールを供給、再生ボタンが押され、一時停止ボタンが解除された。このボールに先に触ったのはアーリング・ハーランドであった。ハーランドはジャンプしながら左足で軽くタッチし、シュートはモナコのゴールを揺らしたのである。実はハーランドはこれがこの試合最初のボールタッチであり、まさに千両役者の出番であった。
■ジョーダン・テゼのゴールで追いついたモナコ
しかし、モナコもすぐに逆襲する。17分のマグネス・アクリウシュのシュートは決まらなかったが、その直後の18分には左サイドをディアッタが持ち込む。これをマイナス気味で中央に折り返す。走り込んできたジョーダン・テゼが豪快に右足でミドルシュート、これまでパリサンジェルマンのGKとしてこのルイ二世競技場でシュートを防いできたドンナルンマも及ばず、シュートがネットに突き刺さった。ここで一気にモナコの時間帯になったが、モナコは負傷者が相次ぎ、試合を支配するには至らない。
■圧倒的なジャンプ力のハーランドがヘディングゴールを決める
地力に勝るマンチェスター・シティは35分にフィル・フォーデンが右サイドから強烈なシュート、モナコのGKフィリップ・ケーンもセーブしたが届かず、勝ち越し点かと思われたが、シュートはバーに当たって跳ね返る。モナコは救われたが、苦しい時間帯に入る。38分のニコ・オライリーのシュートは強烈ではあったが、ケーンがパンチングで逃れる。さらに攻めるマンチェスター・シティは43分にはタイアニ・ラインデルスはシュート、ケーンがはじき返したところを、ハーランドがシュート、これはサイドネットで勝ち越しならず。 マンチェスター・シティの攻撃を耐えてきたモナコであるが、43分には左サイドのオライリーからのクロスを圧倒的なジャンプ力の差を持つハーランドにヘディングで決められる。ハーランドはほとんどボールタッチしていないが、ボールがゴール前で供給されたときは必ずゴールに結びつけた。モナコはリードを許して後半を迎えることになる。
■自らへのファウルで得たPKを決めたエリック・ダイアー
モナコは後半は何とか追いつこうと攻撃を仕掛ける。一方のマンチェスター・シティは1点のリードを保つべく、無理はしない戦いを試みる。モナコは59分にチャンスを迎え、右サイドにいたバロガンからのグラウンダーのクロスをアクリウシュがシュートするが、ドンナルンマがCKに逃れる。
逆にマンチェスター・シティは74分にビッグチャンスを迎えた。左サイドをサビーニョが駆け上がり、中央にクロス、これをラインデルスがモナコの守備陣を交わしてシュート、このシュートもモナコはバーに救われる。
86分、モナコはマンチェスター・シティ陣内でFKのチャンス、直接は狙えない距離であり、テゼはゴール前にボールをあげる。ターゲットはエリック・ダイアー、ダイアーのヘディングシュートは威力なく、ドンナルンマにキャッチされるが、シュートの際にマンチェスター・シティの選手の足がダイアーに当たり、ダイアーは倒れ込む。VARの結果、モナコにPKが与えられる。ダイアーは冷静にドンナルンマの動きを読み、90分に同点ゴール、モナコは難敵相手に勝ち点1を獲得したのである。(続く)