第3643回 折り返しを迎えるリーグフェーズ(6) リヨン、4連勝はならず
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■折り返し地点で5位のパリサンジェルマン
前回までの本連載ではチャンピオンズリーグのフランス勢の第3節と第4節の模様を紹介した。前半戦を終えた時点でパリサンジェルマンが5位、モナコが19位、マルセイユが25位となっている。なお、上位チームであるがバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、アーセナル(イングランド)、インテル・ミラノ(イタリア)が4戦全勝で並んでいるが、得失点差でバイエル・ミュンヘンとアーセナルが並び、総得点でバイエルン・ミュンヘンが首位に立っているが、2位のアーセナルはいまだ無失点である。また昨年準優勝のインテル・ミラノは3位となったが、わずか1失点である。
■リヨン、開始直後と終了間際のゴールでバーゼルに勝利
今回からはヨーロッパリーグに出場したフランス勢の折り返しを迎えるまでの戦いを紹介しよう。ヨーロッパリーグの第3節は10月23日に18試合が欧州各地で行われた。フランス勢はリヨンとリールはここまで連勝スタート、ニースは連敗スタートとなっている。
リヨンはホームのグルーパマ競技場にスイスのバーゼルを迎える。ここまで1勝1敗のバーゼルにはかつてリヨンに所属していたシェルダン・シャキリが先発メンバーに名を連ねている。リヨンは立ち上がりから攻め込み、バーゼルはブロックを形成して組織的に守ろうとするが、3分、バーゼルはGKがミスを犯してしまい、つなごうとしたパスをリヨンのマティ・デカルバロがプレスをかけて奪い、コランタン・トリッソにつなぐ。トリッソは至近距離から先制点を決めた。バーゼルは主将を務めたシャキリがゴールを狙うが、リヨンが試合を支配したままハーフタイムに入った。
後半に入ってもリヨンは攻撃的な試合を展開するが、なかなか追加点をあげることができない。逆にバーゼルがリヨンのゴールを襲うシーンもしばしばみられ、リヨンのGKドミニク・グレイフが防ぐ。ようやくリヨンが追加点をあげたのは試合終了間際の90分、アフォンソ・モレイラのゴールでリヨンは2-0とバーゼルを下し、3連勝したのである。
■12年ぶりの対戦となるリヨンとベティス
リヨンの前半戦最後の試合はスペインのベティスとのアウエーゲームである。ベティスは第1シードであるが、ここまで1勝2分、少々物足りない成績に見える。ただベティスは昨季のヨーロッパリーグの準優勝チーム、5月28日の決勝でチェルシー(イングランド)では1-4と敗れたが、それ以来、国内外の公式戦で1回も敗れていない。両チームが欧州カップで対戦したことは1回、2013-14シーズンのヨーロッパリーグのグループリーグでのことである。この時はセビリアでドロー、ジェルラン競技場時代のリヨンではリヨンが1-0と勝利したが、最終成績はリヨンが首位、ベティスが2位で決勝トーナメントにそろって進出している。なお、決勝トーナメント1回戦でベティスはセビリアとのダービーマッチになり、第2戦は延長の末、PK戦にもつれ、ベティスは敗れている。
■魔の5分間に2失点、リヨンは3連勝でストップ
5万5000人の緑に染まったスタンドの中で、試合はキックオフされた。リヨンはアウエーを苦にせず、試合を支配する。ベティスはリヨンの攻撃を受ける形になり、守勢一方となる。ところが、29分、リヨンはデカルバロが自陣ペナルティエリアの外で不用意なパスを出してしまい、これをベティスのアブデ・エアルズリがシュート、モナコのGKグレイフがCKに逃れる。ベティスにとっては初めてのチャンス、スタジアムのボルテージは上がる。ジオバニ・ロセルソのCKに対し、ゴール前のリヨンの守備陣は反応せず、ファーポストにいたエアルズリが右足で先制点を決めた。
この一連のプレーでリヨンは浮足立ち、攻守ともに混乱する。35分にはペナルティエリアの外でFKを与え、ディフェンスラインの裏を取られてアントニーに簡単にゴールを許してしまう。リヨンは魔の5分間で2失点、その後は立ち直ったが、得点差を詰めることはできず、4試合目で初黒星となったのである。(続く)
