第3661回 好成績で越年するフランス勢(4) 6連敗のニースは敗退、退場者の出たリールは黒星

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■いまだ勝ち点ゼロのニース、ファンも応援をボイコット

 前回までの本連載では年内最後のリーグフェーズの試合を戦ったチャンピオンズリーグに出場したモナコ、マルセイユ、パリサンジェルマンの戦いを紹介してきた。3位で年を越すパリサンジェルマンを筆頭に、3チームともプレーオフ出場圏以上の成績を残した。
 今回からはヨーロッパリーグに出場している3チームの年内最終戦をお伝えしよう。全試合が12月11日に行われたが、まず、ここまで5連敗で敗退の瀬戸際にあるニースは18時45分にキックオフ、ポルトガルのブラガをホームのアリアンツ・リビエラ競技場に迎えた。ニースが決勝トーナメントのプレーオフに出場できる24位以内に入るためには残りの試合を全勝し、さらに他のチームの成績次第という厳しい状況である。ここまで負けが続くとファンも厳しい。集まったファンはわずか3000人、有力なサポータークラブであるポピュレール・シュッドは応援をボイコット、ニースの選手がグラウンドに姿を現すとブーイングで出迎えられる。対するブラガはここまで3勝1分1敗で全体順位は7位であり、決勝トーナメントストレートインとなる8位以内である。

■6連敗で敗退が決定したニース

 ニースはこの日も元気がなく、立ち上がりから攻め続けたのはブラガであった。ブラガはボールを支配し、シュートも放つ。攻め続けたブラガが先制点を奪ったのは28分、ニースのバールが中盤でボールを奪われ、ブラガは組織的なプレーで攻め上がり、ポー・ビクトールがゴールを決めた。ニースはケビン・カルロスが孤軍奮闘し、シュートを放つが、現在のニースには1点は重すぎた。ニースは0-1で敗れ、これでリーグフェーズ敗退が決まった。

■退場者が出たニース、PKはストップ

 ニースと同じ18時45分にキックオフしたのがリールである。リールはスイスのヤングボーイズとベルンで対戦した。リールはここまで3勝2敗で勝ち点9の11位、ヤングボーイズは2勝3敗の26位である。リールはアウエーではあるが、勝利して勝ち点3を加えて8位以内を狙いたいところである。
 両チームとも負傷者が相次ぎ、リールは38歳のオリビエ・ジルーを先発させる。ジルーは9分にチャンスをつかむが、シュートは枠をわずかに外れる。リールは26分にもバンジャマン・アンドレがCKをヘディングシュートするが、これも枠をとらえきれない。よい店舗で試合を進めていたリールであるが、32分、18歳のMF、アイウブ・ブアディがペナルティエリア内でヤングボーイズのアラン・ビルジニアスを後方から倒してしまう。ブアディは一発退場のレッドカード、抗議をしたジルーにはイエローカード、ブラガにはPKが与えられた。
 ピンチを迎えたリールであったが、GKのベルケ・エゼルがクリス・べディアのシュートを防いだ。

■先制点を奪われたリール、追いつくことができず、敗れる

 ただ、残り1時間を10人で戦うリールが不利であることは否めない。それまでのようにパスをつなぐことができず、ボールをロストすることが多くなる。43分にはサンドレ・ラウパーにシュートを打たれるがアンドレが身を挺してシュートをブロックする。
 数的不利なリールであるが、後半に入っても積極的に攻める。しかし、61分、ヤングボーイズはダリアン・マレスがゴール前へのクロスをエゼルより早く触ってゴールに流し込む。
 先制点を奪われたリールは68分にはジルーを含む3人を交代させ、何とか同点に追いつこうとするが、追いつくことができない。逃げ切りたいブラガは90分を過ぎたところでタンギ・ズクルが遅延行為でイエローカード、そしてズクルは92分にファウルで2枚目のイエローカードをもらい退場となるが、リールは追いつけず、0-1で敗れる。
 これで両チームとも3勝3敗となったが、ヤングボーイズは年明け最初の第7節で同じフランス勢のリヨンと対戦する。リール戦の勝利がフランス勢に対する心理的優位性につながるであろうか。次回はそのリヨンを紹介したい。(続く)

このページのTOPへ