第3662回 好成績で越年するフランス勢(5) リヨンは首位で越年、ストラスブールは首位でフィニッシュ
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■60年ぶりに欧州カップ本戦に臨むゴー・アヘッド・イーグルス
前回の本連載ではヨーロッパリーグのリーグフェーズ第6節でニースとリールがともに敗れたことを紹介したが、ヨーロッパリーグの最後のフランス勢としてリヨンの戦いを紹介しよう。
好調リヨンはここまで4勝1敗、勝ち点でミッティラン(デンマーク)、アストン・ビラ(イングランド)と並び、第5節終了時点で得失点差で首位に立っている。ただし、12月11日に行われた第6節は18時45分キックオフと21時キックオフの試合があり、18時45分にキックオフを迎えたミッティランが勝利し、暫定首位となっている。
リヨンの相手はゴー・アヘッド・イーグルス(オランダ)である。1902年創立という長い歴史を誇るが、発足当初はビー・クリックというチーム名であったが、他のチームとの混同を避けるためにゴー・アヘッドと改称、イーグルスというニックネームが付いたのは1970年代のことである。1960年代にカップウィナーズカップに出場したことがあるが、欧州カップの本戦に出場するのはそれ以来60年ぶりのこととなる。
昨季はカンファレンスリーグの予備戦に出場したが、欧州での実績がほとんどないため第4シードとなっている。第5節までの成績は2勝3敗、勝ち点でリヨンと並ぶアストン・ビラが唯一喫した黒星が、このゴー・アヘッド・イーグルス戦であり、決して侮れない相手である。
■序盤の点の取り合いを制したリヨン
今季、ヨーロッパリーグのホームゲームで全勝しているリヨンは、この日も本拠地のグルーパマ競技場で先手を取った。開始3分、アフォンソ・モレイラが右足で先制ゴールを決める。この試合で勝利すれば、プレーオフ進出以上を確定するリヨンにとっては幸先の良いゴールとなった。しかし、先制してまもない6分、リヨンは自陣ゴール前からリスクのあるパスを出し、これをゴー・アヘッド・イーグルスに奪われる。ペナルティエリア内でボールを受けたミラン・シュミットがサイドキックで簡単に同点ゴールを決める。同点に追いついたゴー・アヘッド・イーグルスはこの時点でラインを下げ、守りに入ろうとするが、こちらも守備にミスが出る。11分にリヨンはCKのチャンス、グラウンダーのCKをフリーのエインズリー・メイトランド・ナイルズがシュート、これをゴー・アヘッド・イーグルスのGKがキャッチミス、パベル・シュルツが押し込み、勝ち越し点となる。
■首位に躍り出たリヨン
その後、リヨンは押し気味に試合を進めるが、追加点を奪えず、逆にゴー・アヘッド・イーグルスに攻め込まれるシーンもあり、決して褒められた試合内容ではなかったが、2-1で試合を閉じる。ミッティランだけでなくアストン・ビラも勝利し、リヨンは、勝ち点では並んでいるが、得失点差で首位をキープした。他のフランス勢はリールが順位を落として20位、ニースは最下位の36位でリーグフェーズ敗退が確定した。
■リーグフェーズの終盤に連勝して首位で終えたストラスブール
ストラスブールが出場しているカンファレンスリーグは12月に2試合が行われ、リーグフェーズが終了した。12月11日に行われた第5節ではスコットランドのアバディーンとアウエーで対戦した。試合を支配したストラスブールは前半の35分にマーシャル・ゴドーがあげた先制点を守り切り、勝利する。第5節終了時で勝ち点で並んでいたサムスンスポル(トルコ)が敗れたため、ストラスブールは首位に立った。
最終節の第6節は12月18日、ホームにアイスランドのブレイザブリクを迎えた。この試合もストラスブールが圧倒する。11分にセバスチャン・ナナシが先制点、前半の終盤に追いつかれるが、後半の終盤の80分にゴドーが勝ち越し点を決める。同点のピンチモアあったが、後半アディショナルタイムの94分にフリオ・エンシソが追加点を決めて3-1と勝利し、リーグフェーズを首位で終える。ストラスブールは2月に行われるプレーオフは除外され、3月のベスト8決定戦に臨むのである。(この項、終わり)
