第1560回 フランスカップ優勝はボルドー(2) 金曜日の夜に行われるフランスカップ決勝

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ローラン・ブラン監督時代以来4年ぶりのタイトルを狙うボルドー

 フランスのサッカーシーズンの掉尾を飾るフランスカップ決勝は4回目の優勝を狙うボルドーと初優勝を目指すエビアンで争われる。両チームの簡単なプロフィールであるが、ボルドーの最後のフランスカップ優勝は1987年と20年以上も優勝から遠ざかっているが、フランスリーグ優勝6回、フランスカップ優勝3回、リーグカップ優勝3回と数多くのタイトルを獲得し、今季はヨーロッパリーグでベスト16まで進出している。最後の国内タイトルはローラン・ブラン監督に率いられた2008-09シーズンのリーグ優勝とリーグカップ優勝の二冠である。

■とんとん拍子で駆け上がってきたエビアン

 一方のエビアンはボルドーとは対照的であり、そもそもチームの成立自体が最近のことである。アマチュアレベルのクラブが合併を繰り返し、現在のエビアン・トノン・ガイヤールFCとなったのはボルドーが最後にタイトルを獲得した2009年のことである。この時点でエビアンは3部リーグに相当するナショナルリーグにおり、2009-10シーズンでナショナルリーグで優勝し、2部に昇格する。2010-11シーズンは2部で優勝、アマチュアチームがプロになってわずか2年で1部に昇格するというシンデレラのようなチームなのである。日本の相撲界であれば幕下上位、十両を連続優勝するようなものであり、大輝煌を思い出される方も多いのではないだろうか。幕下、十両と連続優勝し、十両を一場所で通過した大輝煌は新入幕の場所で5勝10敗と大きく負け越し、その後幕内に返り咲くことなかったが、エビアンは1部昇格初年度は13勝11分14敗と負け越したが、9位と一桁順位である。
 エビアンの2年目となる今季は終盤まで降格圏内にいたが、フランスカップ準決勝でロリアンに4-0と大勝してリズムが変わり、第36節ではニースに4-0、第37節ではバランシエンヌに2-0と連勝し、1部残留をほぼ確実にし、最終節はボルドーにアウエーで1-2と敗れたが、16位でシーズンを終える。その最終節の相手と5日後にスタッド・ド・フランスでフランスカップを争うのである。

■土曜日はラグビーの決勝、サッカーは金曜日に

 今季のフランスカップ決勝は当初は6月1日の土曜日に行われる予定だったが、5月31日の金曜日に日程が変更になった。通常は土曜日の夜に行われるフランスカップ決勝が金曜の夜に変更になった理由は、ラグビーの存在である。ラグビーのフランスチャンピオンを決定するトップ14の決勝戦も同じ週末に行われるが、当初はラグビーの試合を金曜日に行い、サッカーの試合を土曜日に行う予定であった。しかし、このラグビーの決勝戦の方が先にスタッド・ド・フランスを予約していただけではなく、スタッド・ド・フランスの芝の状態を勘案し、先にダメージの少ないサッカーの試合を行う方がいいからである。また、人気も今やラグビーの方があるから土曜日にラグビーの試合を行うことになった。

■今季も欧州ラグビー界を席巻したフランスのクラブチーム

 今年の本連載では紹介しなかったが、ラグビーの世界ではサッカーのチャンピオンズリーグに相当するハイネケンカップでフランス勢が大活躍。5月18日にアイルランドのダブリンで行われた決勝戦はトゥーロンとクレルモンのフランス勢同士の戦いとなった。ハイネケンカップはまだ始まって20年もたっていない若いタイトルであるがフランス勢の優勝はこれが5回目。フランス勢同士による決勝戦もこれが4回目である。サッカーのリーグ戦では使うことがほとんどないスタッド・ド・フランスだが、ラグビーの国内リーグではしばしばこのスタッド・ド・フランスを使用し、5万を軽く超える観衆が集まる。
 ラグビーのトップ14の決勝戦はトゥーロンとカストルが対戦する。上述の通りトゥーロンはヨーロッパチャンピオン、そしてカストルはグループリーグで敗れたもののハイネケンカップ出場チームである。
 奇しくも今季はシーズン後にサッカーもラグビーも代表チームが南半球遠征する。国内でのクラブの最後の試合として素晴らしい試合を期待したいものである。(続く)

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