第3305回 2部勢のフランスカップ(3) 2部落ちした名門のサンテチエンヌとボルドー

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグ優勝10回を誇るサンテチエンヌ

 前回と前々回は2部勢のフランスカップ7回戦と8回戦の戦いぶりを紹介してきたが、今回はそれ以外のチームを紹介しよう。
 まず、ファンにとって気がかりなのがかつて1部で活躍したチームである。サンテチエンヌとボルドーがその代表格である。
 サンテチエンヌはこれまでにフランスリーグ10回、フランスカップ6回、リーグカップ1回と数々の栄光を獲得してきた。最後のリーグ優勝はミッシェル・プラティニがいた1980-81シーズンであるが、1990年代後半、2000年代初めに2部に降格したことはあったが、2004年以降は1部にとどまり、2010年代に入るとリーグ戦で一桁順位をキープし、欧州カップに久しぶりに復帰するとともに、2013年にはリーグカップで優勝、32年ぶりのタイトルを獲得した。しかし、2021-22シーズンはリーグ戦で18位となり、2部3位のオセールとのプレーオフに回り、2試合とも1-1、PK戦で敗れ、19年ぶりの2部となったのである。2部の初年は開幕から最下位を低迷したが、ようやく終盤に勝ち星を重ね8位になった。2年目の今季もスタートは悪かったが、秋には昇格圏内の順位にも到達し、7位で折り返している。
 サンテチエンヌはフランスカップでは7回戦で4部に相当するナショナル2部のブールカンブレスに2-0と勝利したが、8回戦では1部の経験もあるナショナル1部のニームに0-1と敗れてしまっている。

■21世紀に入ってからも三大タイトルを獲得しているボルドー

 ボルドーは訪日経験もあるので日本の読者の皆様はその強さをよくご存じであろう。1985年1月、リーグ2連覇を果たすシーズン中に訪日した。1991年には財政上の理由で2部に降格させられたが、1年で復帰。その後も上位の座を占め、これまでにリーグ優勝6回、フランスカップ優勝4回、リーグカップ優勝3回を誇るが、21世紀に入ってからも三大タイトルそれぞれを獲得している点は特筆すべきである。ところが2021-22シーズンでは変調をきたし、最下位となってしまい、19位のメッス、18位のサンテチエンヌとともに降格する。
 1部でも実績のある3チームが降格した2022-23シーズンの2部リーグは注目を集めたが、メッスはルアーブルについて2位に入り、この2チームが1部昇格となった。ボルドーは昇格圏内の2位に勝ち点で3及ばず、1季での1部復帰はならなかった。2部2季目の今季は低空飛行が続き、前半戦を13位で折り返す。フランスカップでは7回戦でナショナル3部のカネ・ルシヨンをようやくPK戦で退ける。8回戦はナショナル2部のアングレームを2-0で下し、ベスト32決定戦に臨む。

■2部勢のうち13チームがベスト32決定戦に進出

 結局、7回戦、8回戦では2部勢同士の戦いはなかったが、2部勢は7回戦でトロワ。バスティア、コンカルノーの3チームが姿を消し、8回戦ではACアジャクシオ、グルノーブル、サンテチエンヌ、アヌシーの4チームが姿を消し、13チームが1部勢の参戦するベスト32決定戦に駒を進めた。なお、ダンケルクは8回戦でナショナル3部のランス・サンタンヌにPK戦で敗れたが、ランス・サンタンヌが出場資格のない選手を出場させたため、ダンケルクの勝利となった。

■注目を集めるギャンガンとレンヌの対戦

 そして1月5日から始まるベスト32決定戦の2部勢の組み合わせを紹介しよう。1部勢との対戦となったのが、アミアンとモンペリエ(左記チームが2部)、ギャンガンとレンヌ、アンジェとブレスト、オセールとニース、カーンとルアーブル、ポーとナントであり、2部勢同士の対戦はなく、残りのダンケルク、バランシエンヌ、クビリー・ルーアン、パリFC、ボルドー、ラバル、ロデスはナショナルリーグ以下のチームと対戦することになった。
 前回と前々回の本連載で紹介した今季2部に降格してきたアンジェ、オセールはいずれも1部勢との対戦となる。また、ギャンガンとレンヌは2009年5月9日の決勝でも顔を合わせている。この時もギャンガンが2部でレンヌが1部、ブルターニュ対決は2部のギャンガンが勝利し、50年ぶりの2部勢のフランスカップ優勝となった。さて、今回はどうなるだろうか。(この項、終わり)

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