第330回 2003-04フランスリーグ・フィナーレ(1) 最終戦を飾ったモナコ、いざ決戦へ

■異例の最終節の日程変更

 フランスリーグ最終節は土曜日の5月22日に行われるはずであった。そしてリーグの最後の2節はすべて同じ時刻にキックオフされることになっていたが、マルセイユ、モナコの2チームが欧州カップの決勝に進出すると言ううれしい誤算とともに、前回ご紹介したFIFA創立100周年記念の国際親善試合フランス-ブラジル戦が木曜日の20日に行われたことから、異例の日程変更が行われた。まず、基本的に試合は日曜日の23日の20時にキックオフされることになった。さらに水曜日の26日にチャンピオンズリーグ決勝を控えているモナコの試合日程が繰り上げられ、金曜日の21日の20時30分にキックオフされることになった。

■リーグ2位の座を争うパリサンジェルマンとモナコ

 一足先に最終節を迎えたのはボルドー-モナコ戦である。最終節を迎える時点で上位チームの勝ち点を比べると、首位リヨンは76、2位パリサンジェルマンは73、そして3位モナコは72である。リーグの大半の期間、首位を独走してきたモナコであるが、残り1試合で勝ち点4差となり、優勝は不可能になった。もちろんモナコのイレブンにとっては26日のチャンピオンズリーグの決勝で頭は一杯であるが、このボルドーでの最終戦も気の抜けない試合である。というのは来季のチャンピオンズリーグ出場を考えた場合、リーグ2位と3位とでは出場の条件が異なってくる。2位であれば本戦から参戦となるが、3位になった場合は予備戦からの出場となる。昨季リーグ3位で出場したマルセイユは予備戦を勝ち抜いたが、グループリーグで強豪のシードチームに敗れ、UEFAカップに転戦している。したがって、リーグ上位3チームに与えられるチャンピオンズリーグの出場チームはすでに決定しているが、第二の椅子をめぐるパリサンジェルマンとモナコの争いが最終節の見所である。

■逆転勝ちしたモナコ、日曜日のパリサンジェルマンの結果待ち

 そして最終節のカードは開幕戦と同じカードである。モナコの相手のボルドーである。モナコは昨年8月2日の開幕戦をシャバニ・ノンダの2得点により勝利で飾り、その後の快進撃のスタートとなった。一方のボルドーは今季UEFAカップでは活躍したものの、国内タイトルは総崩れ、シーズン最終戦となるこの試合唯一の希望はインタートトカップ出場である。ホーム最終戦でボルドーも負けるわけには行かない。今季のボルドーのUEFAカップでの躍進を支えてきたスペイン人コンビがこの日も活躍し、15分にアルベール・リエラが先制点。欧州カップでは10試合で5得点と言う活躍をしたリエラのリーグ戦2得点目である。リエラがリーグ戦でもUEFAカップ並みの活躍をしていれば、リーグの順位も大きく変わっていたであろう。しかし、負けてしまえば3位が確定してしまうモナコも反撃を試みる。25分にはエマニュエル・アデバヨルが同点ゴール、後半に入って負傷明けのフェルナンド・モリエンテスや動きの悪いルドビック・ジウイー、ジェローム・ロタンをベンチに下げ、立て直しを図るディディエ・デシャンの采配が見事的中する。77分にアルゼンチン人のルーカス・ベルナルディが勝ち越し点、そしてその直後の79分、ノンダがダメ押しのゴールを上げて、モナコは勝利し、2位の座は日曜日の夜のバスティアでのバスティア-パリサンジェルマン戦の結果を待つことになった。

■決戦を前に昨季得点王のノンダが復活

 さて、モナコのフランス国内での今季最後の得点をマークしたのは今季最初の得点を記録したノンダである。ノンダは第2節でも得点をあげており、期待されたがその後は出場機会にも恵まれず、その後最終節を迎えるまでわずか1ゴールしかあげることができなかった。リーグ最終戦もベンチでスタートし、モリエンテスに代わって途中から出場している。昨季は26得点という驚異的な記録で得点王に輝いたが、今季はわずか5点にとどまった。コンゴ人民共和国出身のノンダはフランスリーグに所属して今年で6シーズン目であるが、常に二桁の得点を記録しており、今季は不本意なシーズンであったであろう。しかし、国内リーグはこれで終了したが、5日後の26日にはドイツのゲルゼンキルヘンでのチャンピオンズリーグ決勝という大舞台が待っているのである。(続く)

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