第720回 2006-07フランスリーグ・フィナーレ(3) 監督交代、補強も実らず、ナント2部降格

■開幕戦で王者リヨンに逆転負け、第7節に新監督を迎えて初勝利

 今季の開幕戦でナントは王者リヨンを本拠地ボージョワールに迎えた。人気チーム同士の戦いと言うことで他の試合よりも1日早い8月4日の金曜日の夜に行われた。スタンドには3万5000人の観衆が集まる。ナントは試合開始早々に先制点を奪うが、すぐにリヨンに追いつかれ、さらに逆転、追加点を許し、1-3と敗れてしまう。相手が相手だけにこの敗戦は仕方ないと言う雰囲気ではあったが、実はこれが苦難のシーズンの開幕であるとは誰しもが思わなかった。
 開幕戦のリヨン戦に、ナントのセルジュ・ルディゼ監督は新加入の選手5人を先発メンバーとして起用する。ところがこの新加入の選手が誤算となり、続く第2節から第6節まで勝ち星を挙げることができず、第6節で2部から昇格してきたばかりのバランシエンヌに敗れ、19位に順位を落とした段階でルディゼ監督は更迭された。9月20日からはジョルジュ・エオが新たに監督に就任する。そのエオ監督の初陣はホームでのマルセイユ戦である。この試合はナントにとって今季のベストゲームであった。前半に2点を挙げ、マルセイユの攻撃を体を張って阻止する。65分に2回目の警告でマウロ・セットを失い、10人となり、マルセイユに1点差に詰め寄られたが、守りきって2-1と今季の初勝利を挙げ、新監督の初戦を飾ったのである。

■ファビアン・バルテスの補強も実らず最下位に転落

 マルセイユ戦の勝利で調子を取り戻すかに思われたナントであったが、続くオセール戦、ソショー戦に連敗し、最下位に落ちてしまう。そしてナンシー戦にも敗れ、チームは3連敗を喫す。結局前半戦を終了した段階で3勝8分8敗、勝ち点17で17位に低迷したのである。フランスリーグの1部は、下位3チーム、すなわち18位以下が2部に自動降格となるため、ナントはシーズン途中で補強に動いた。それがフランス代表のGKとして大活躍しながら、昨年のワールドカップ以降所属チームのなかったファビアン・バルテスである。本連載第715回で紹介したとおり、バルテスは12月中旬にナントと契約を結び、1月13日の後半戦第1戦のニース戦から試合に出場した。
 このニース戦では完封勝利を収めたものの、守護神バルテスもチームを立て直すことができず、続くトロワ戦、ロリアン戦と連敗、またチームは勝ち星から見放される。2月10日のホームでのバランシエンヌ戦で2-5と大敗した段階でエオ監督が更迭、ミッシェル・デルザカリアンとジャフェット・エンドラムの2人が共同で監督をする体勢となった。就任2試合はドロー、その後連勝と順位を18位まで上げたが、3月17日のモナコ戦で敗れてから1引き分けを挟み5連敗、チームは最下位が指定席となる。

■レンヌ戦の後サポーターに自動車を破損されたバルテス

 そして4月28日はホームでレンヌに敗れたが、これでホームでは6敗目、ファンは怒りを爆発させたのである。試合終了後、帰路に着くバルテスの自動車をナントのファンが取り囲み、バルテスに車から降りるように要求したが、バルテスはこれに応じない。酔ったサポーターはバルテスの自動車に暴力を働き、ガラスを破ったのである。そしてバルテスは4試合を残しながらナントを去ることを表明したのである。

■歓喜なきボルドー戦勝利、44季の1部生活にピリオド

 バルテスの去ったナントは続く第35節でルマンと対戦、ロスタイムに追いつき、1部残留に望みをつなぐ。そして運命の第36節、2年前に降格の危機にともに瀕したボルドーとのアウエーでの戦いである。この試合でナントは敗れれば2部降格が決定、引き分ければ17位のニースがパリサンジェルマンに引き分け以上で降格となる。そしてナントがボルドーに勝っても、ニースがパリサンジェルマンに勝ち、16位のバランシエンヌがサンテエチエンヌに勝てば降格となる。ナントは17分にPKを与えるが、ボルドーがこれを失敗、そして終盤にドニ・オリエッチがゴールを上げて、今季2回目の勝利をあげる。しかし、イレブンに歓喜の表情はなかった。ニースでの試合は開始1分にニースが先制し、パリサンジェルマンは追いつくことができず、バランシエンヌの試合では後半の初めにバランシエンヌが奪った1点を守り切る。
 ナントの1部在位記録は44シーズンで途切れ、2部に陥落することになったのである。(続く)

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