第845回 2007-08フランスリーグ・フィナーレ(2) ナンシーとマルセイユの3位争い

■下位チームとのアウエーでの対戦で決まる優勝争い

 前回の本連載ではこれまで6連覇を果たしてきたリヨンが首位に立ちながら、2位ボルドーとの勝ち点の差が2であり、最終節まで優勝争いがもつれ込んでいることを紹介した。最終節は5月17日の20時50分にフランス全土で10試合が同時にキックオフされる。首位リヨンは15位のオセール戦、2位ボルドーは18位のランス戦といずれも下位のチームとのアウエーでの戦いとなる。

■7チームが欧州の戦いに進むフランス勢

 そして優勝争いと並んで注目を集めるのが来季の欧州カップの出場権をかけた上位争い、そして2部リーグへの降格争いである。
 来季の欧州カップの出場権であるが、フランスリーグは現在欧州のリーグ別のランキングで、スペイン、イタリア、イングランドに次ぐ4番目の地位にある。このリーグランキングによって欧州カップの出場チーム数が決定する。4位のフランスからはチャンピオンズリーグに3チーム、UEFAカップに3チーム、インタートトに1チームと7チームが欧州へのチケットをつかむことができる。

■9位ニースにまで可能性

 UEFAカップについてはリーグ戦以外のフランスカップ、リーグカップの勝者に出場権が与えられる。リーグカップについては本連載第833回から第838回で紹介したとおり、パリサンジェルマンが優勝しており、UEFAカップ出場権を確保している。また、フランスカップについては5月30日に決勝が行われるが、決勝進出チームはリヨンとパリサンジェルマンである。すでにリヨンは2位以内を確定していることから来季はチャンピオンズリーグに出場する。またパリサンジェルマンについてもリーグカップ優勝チームとして来季のUEFAカップの出場権を獲得しており、リーグ戦の上位チームには1つしか用意されていなかったUEFAカップのチケットは2つになる。したがって、リーグ戦6位までのチームに欧州カップへの出場権がある。
 最終節を迎える段階でのフランスリーグの上位チームの状況を紹介しよう。1位リヨン(勝ち点76、得失点差+35)、2位ボルドー(74、+27)、3位ナンシー(60、+15)、4位マルセイユ(59、+12)、5位リール(56、+13)、6位サンテチエンヌ(55、+9)、7位レンヌ(55、+2)、8位ルマン(53、-2)、9位ニース(52、+3)となっている。4位マルセイユまでは欧州カップの出場権が確定している。そしてリーグ6位にまで欧州への道が開けており、得失点差の問題はあるが、9位のニースにまで可能性が残されている。
 ただ、欧州カップと言ってもリーグの順位によって大きく変わる。フランスの場合、リーグ1位と2位はチャンピオンズリーグの本戦へ直接出場となるため、それほど差はない。リーグ3位となるとチャンピオンズリーグへの出場権は与えられるが、予備戦からの戦いとなり、シーズン開幕間もないところからの戦いとなる。しかし4位となるとチャンピオンズリーグには出場できず、UEFAカップとなる。

■3位ナンシー、4位マルセイユのチャンピオンズリーグ出場権争い

 すでに2位以上が確定してしまっている今季のフランスリーグの最終節の見所として、チャンピオンズリーグ出場権のかかった3位争いは見ものである。前回の本連載で紹介したとおり、序盤戦で首位に立ちながら、リヨンに抜かれたナンシーは12月、1月と勝ち星から見放される。この時期に9試合連続で勝利なしという厳しい時期もあったが3位の座を堅持してきた。
 一方のマルセイユはシーズン前は期待されながら開幕以来4試合連続で勝ち星なし、10月下旬の第13節の段階では19位と降格の危機に瀕していた。しかしそこから盛り返し、10位まで順位を上げて折り返す。後半戦は10勝4分4分と言う成績で3月以降は4位以上をキープしている。4月以降ナンシーとマルセイユの順位は2回入れ替わっているが、いずれも次節にマルセイユが敗れ、順位が元通りになっている。そして今季3度目のチャンスがマルセイユにやってきた。
 最終節では、ナンシーが7位のレンヌを迎え、マルセイユが19位のストラスブールを迎え、ホームのファンの目の前でチャンピオンズリーグ出場権をかけて戦うのである。(続く)

このページのTOPへ