第1107回 2009-10フランスリーグ、フィナーレ(2) リヨンとオセールもチャンピオンズリーグへ

■6位までのチームが欧州カップをかけて戦う最終節

 2位リールから6位ボルドーまでが来季の欧州カップの出場権をかけて争うフランスリーグの最終節は5月15日21時に一斉にキックオフされた。上位陣の出場する試合は次のとおりである。ロリアン(7位)-リール(2位)、リヨン(3位)-ルマン(18位)、ソショー(16位)-オセール(4位)、パリサンジェルマン(11位)-モンペリエ(5位)、ランス(14位)-ボルドー(6位)と言う組み合わせであり、上位陣は下位チームとアウエーで戦うケースが多い。また、前回紹介したとおり、上位陣は5月に入ってからは4位のオセールを除くと好調であり、欧州カップ出場と言うモチベーションのある上位チームが順当に勝利するのではないかと思われた。

■アウエーの上位チームが優勢な前半

 そしてその大方の予想通り、アウエーの上位チームが先制点を次々にあげた。まずこれらのチームの中で最初にゴールネットが揺れたのはソショーの試合である。オセールは4月30日のマルセイユとの首位攻防戦が引き分けに終わり、精神的に気落ちしたのか、5月に入ってからは5日のリヨン戦で1-2と敗れ、8日のランス戦ではスコアレスドローに終わり、順位を下げた。しかしながら、右サイドDFのセドリック・エンバールが5分に先制点を入れる。オセールはこの試合に勝利すれば、2位リールと3位リヨンの結果によっては2位になる可能性もある。
 次のゴールはその10分後、モンペリエのジョフレイ・デルニスがパリサンジェルマン相手に先制点をあげる。パルク・デ・プランスはパリサンジェルマンの順位が中位ということもあり、観衆は2万5000人といささか寂しい。2部から昇格してきたばかりのモンペリエに勢いがあり、先制点につながった。
 オセールの追撃に肝を冷やす2位リールであるが、33分に先制点を入れる。しかしながら、37分にロリアンのゴールを許してしまう。リールは勝てば2位を確保できるが、引き分けた場合、リヨンが勝利すれば2位の座を失う。
 また、復調の兆しが見えたボルドーであったが、ランス相手に2点の先行を許し、反撃も1点どまりである。
 これらの上位勢の中で唯一ホームゲームを戦い、相手も降格が決まったルマンと言うリヨンは最も恵まれた条件の最終節となったが、前半のロスタイムにバフェタンビ・ゴミスが先制点をあげる。

■追いつかれたオセール、逆転されたリール

 後半もスコアが動かないならば、ハーフタイムを迎えた段階の仮想の順位は2位リヨン(勝ち点72)、3位リール(71、得失点差+33)、4位オセール(71、得失点差+13)、5位モンペリエ(69)、6位ボルドー(64)となる。最後の試合で下位チーム相手の取りこぼしをするか、しないかで欧州への道は変わってくる。
 そして後半は苦戦するチームと得点を重ねるチームに分かれた。まず、オセールが後半開始早々にソショーに追いつかれ、一歩後退する。そしてここまで5連勝してきたリールも65分にロリアンに逆転ゴールを許してしまう。ボルドーは50分に追いついたものの、57分、63分にランスに得点を許し、80分にようやく1点差に追い上げた。
 一方、上位チームで得点を重ねたのがモンペリエとリヨンである。モンペリエは、47分、58分にも追加点を上げ、3-0と大きくリードを広げ、パリサンジェルマンの反撃を1点に抑える。リヨンもミラレム・ピヤニッチが追加点をあげる。

■DFセドリック・エンバールのゴールでオセールが3位に浮上

 後半ロスタイムを迎える段階の仮想順位は2位リヨン(勝ち点72)、3位リール(70)、4位オセール(69、得失点差+12)、5位モンペリエ(69、得失点差+11)、6位ボルドー(64)となる。そしてこれらのゲームで最後のゴールを決めたのが、オセールのエンバールであった。エンバールはこの日2点目、シーズン通算でも5得点であり、DFとして登録している選手の中で最も多くのゴールを決めている。
 このオセールの右サイドバックのゴールにより、オセールはリールを抜いて順位を上げる。最終成績は2位リヨン(勝ち点72)、3位オセール(71)、4位リール(70)、5位モンペリエ(69)、6位ボルドー(64)となり、マルセイユとリヨンがチャンピオンズリーグ本戦出場、オセールがそのプレーオフに出場する。そしてリールはヨーロッパリーグのプレーオフ、モンペリエはそのプレーオフへの出場を決める。
 そして今季は全部で916ゴールがうまれ、900ゴール以上は15シーズンぶりというゴールの多いシーズンとなったのである。(この項、終わり)

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