第1106回 2009-10フランスリーグ、フィナーレ(1) そろって好調な上位陣

■リーグ5位までに与えられる欧州カップのチケット

 2節を残してマルセイユが18年ぶりの優勝を果たしたフランスリーグ、終盤のボルドーの失速とマルセイユの快進撃が後々まで語り継がれることになろう。さて、リーグ戦の見所は優勝争いだけではない。来季のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ出場権争い、2部への降格争いもファンの注目である。
 さて、フランスリーグからの来季の欧州カップの出場権について確認しておこう。まず、リーグ戦の1位と2位のチームはチャンピオンズリーグの本戦からの出場となる。3位はチャンピオンズリーグ本戦出場のためのプレーオフからの出場となる。そして4位はヨーロッパリーグのプレーオフへの出場権が与えられる。また、フランスカップの優勝チーム(パリサンジェルマン)にはヨーロッパリーグのプレーオフへの出場権が与えられ、リーグカップの優勝チームにはヨーロッパリーグの予備戦3回戦への出場権が与えられる。ただし、リーグカップの優勝チームであるマルセイユはリーグ首位となりチャンピオンズリーグの本戦への出場権を確保しているため、リーグ5位のチームがマルセイユの代わりにヨーロッパリーグの予備戦3回戦に出場することになる。
 それでは最終節を迎える段階での順位を確認すると、1位マルセイユ(勝ち点75)、2位リール(70)、3位リヨン(69)、4位オセール(68)、5位モンペリエ(66)、6位ボルドー(64)であり、ここまでのチームに来季の欧州カップ出場の可能性がある。

■2部降格はグルノーブル、ブローニュ、ルマン

 一方、降格争いであるが、最終節を待たずに降格する3チームが決定している。最下位(20位)のグルノーブル、19位のブローニュ、18位のルマンである。ブローニュは今季初めて1部に昇格したが、わずか1シーズンで降格の憂き目にあった。日本との関係が深いグルノーブル、ルマンの降格は、日本のファンの皆様には非常に残念であろう。

■上位陣同士の対戦のない最終節

 最終節は5月15日に行われ、10試合すべてが21時にキックオフされる。2位から6位までのチームはアウエーで最終戦を迎えるチームが多く、リヨン以外の4チームはアウエーでの最終節である。リールは7位のロリアンとアウエーで対戦、3位のリヨンはホームで18位のルマンと対戦、4位のオセールは16位のソショーとアウエーで対戦、5位のモンペリエは11位のパリサンジェルマンとアウエーで、6位のボルドーは14位のランスとアウエーでの対戦、奇しくも上位陣同士の対戦は無かった。またすでに優勝を決めているマルセイユの最終戦は、最下位が確定したグルノーブルとのホームでの対戦である。
 今季の終盤はこれまで本連載で紹介したとおり、第32節のリヨン-ボルドー戦、第35節のオセール-マルセイユ戦など首位攻防戦があったが、不思議なことに最終節は上位陣同士の戦いはない。
 上位陣はアウエーゲームが多いが、下位のチームに対し順当に勝利して現在の順位をキープしたいところである。また、もしも引き分け以下であるならば他のチームに抜かれて順位が落ちる可能性も大きい。

■5月に入って好調な成績を残している上位陣

 さらに上位陣の5月に入ってからの成績はほぼ好調である。2位リールは過去5戦全勝と調子の波に乗り、1か月弱で順位を6位から2位へと急上昇させた。この5試合で14得点という得点力を誇り、直前の5月8日に行われた第37節のマルセイユ戦は、ほぼベストメンバーのマルセイユに対し、2度リードを許しながら2度追いつき、最後はロスタイムの94分に決勝点をあげて、マルセイユの連勝記録をストップさせている。
 3位のリヨンはチャンピオンズリーグでの活躍が印象的であったが、実はチャンピオンズリーグは3連敗で終わっている。ところが、リーグ戦では3月21日にマルセイユに負けたのが最後で、8試合連続で負けておらず、過去8戦の戦績は5勝3分である。そしてこの中にはオセール、リール、モンペリエ、ボルドーと言う上位チームとの対戦も含まれており、タフな相手に引き分け以上の戦績を残してきた。
 5位のモンペリエは連勝して最終戦に挑む。6位のボルドーは4月は1分5敗と散々な成績であったが、5月に入って2勝1分と持ち直している。4位のオセールだけが例外で2月から12試合連続無敗で第36節のリヨンとの首位攻防戦に臨み、1-2で敗れた。そして第37節のホームのランス戦はスコアレスドローとショックが尾を引いている。
 このように上位陣はほぼ好調な中で最終戦を迎えるのである。(続く)

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