第1395回 フランスリーグ、フィナーレ(1) 2012年になって好調なパリサンジェルマンとモンペリエ

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■前半戦の上位陣が最後まで上位を争う

 フランスリーグもいよいよ終盤を迎え、5月20日の最終節でシーズンが終了する。今季のフランスリーグについては本連載第1339回から第1341回にかけて前半戦の戦いとパリサンジェルマンが首位で折り返したことを紹介したが、その後の動きを今回から紹介しよう。
 さて、フランスリーグは前半戦の第19節を終えた時点で首位がパリサンジェルマンで勝ち点40、勝ち点3差でモンペリエが2位である。さらに勝ち点36で前年の二冠チームのリール、勝ち点35でリヨン、勝ち点32で5位にレンヌとなり、ここまでが首位と勝ち点差で8以内であり、この5チームがシーズン終盤まで順位を落とすことなく上位争いを続けてきた。

■パリサンジェルマン、後半戦は3連勝でスタート

 18年ぶりの優勝をめざす秋の王者パリサンジェルマンの後半戦は1月14日にトゥールーズをパルク・デ・プランスに迎えて再開した。ブラジル代表のネネ、アルゼンチン代表のハビエル・パストーレの活躍で3点を奪ったパリサンジェルマンは3-1と幸先良いスタート、続く第21節のブレスト戦は1-0、第22節のエビアン戦は3-1と後半戦のリーグ戦は3連勝する。また、得意のフランスカップでもベスト32決定戦、ベスト16決定戦と難なく勝ち進み、首位の座をキープする。

■オリビエ・ジルーの活躍で驚異の成績を残すモンペリエ

 このようにパリサンジェルマンは2012年になってからは好成績を残してきたが、それ以上の成績を残したのがモンペリエである。
 前半戦の最終戦のエビアン戦を2-4と落とし、パリサンジェルマンに首位を奪われたモンペリエは後半戦最初の第20節は4位リヨンと対戦する。得点ランキングトップのオリビエ・ジルーが活躍し、前半からオーバーヘッドキックでリヨンのゴールを襲い、後半62分に今季14点目を決めて1-0と勝利する。ジルーはこの段階で得点ランキングでは2位集団に5点という大差をつける。第21節のアウエーのニース戦はスコアレスドローかと思われた90分にジルーが得点を決めて連勝する。第22節のブレスト戦も1-0で3連勝、パリサンジェルマンとの勝ち点差を3のままキープする。
 そして第23節はパリサンジェルマンの前日に試合を行い、ブレスト相手に前半は無得点であったが、後半に入り53分にユネス・ベルアンダがPKを決めて先制すると、その後はジルーが活躍する。64分にはジルーがレミ・カベラをアシストして追加点、67分にはジルー自身がゴールを決めて3-0と勝利する。ジルーはこの試合で今季16点目の得点を記録したが、これはモンペリエのチーム新記録であり、全日程の6割しか消化していない段階でジルーはチームの最多得点記録を更新してしまったのである。

■2012年無敗同士で首位攻防戦を迎える

 これでモンペリエは勝ち点49でパリサンジェルマンと並び、得失点差は+22となり、+19のパリサンジェルマンを3点上回り暫定首位となった。 また、モンペリエもフランスカップではパリサンジェルマン同様勝ち進み、3連勝、2012年に入ってからの戦績は7戦全勝である。
 モンペリエよりも1日遅く第23節を迎えたパリサンジェルマンはアウエーでニースと対戦する。19位と降格圏内にあるニースであるが、モンペリエ戦同様、上位相手にゴールを許さず、パリサンジェルマンは最後までニースのゴールネットを揺らすことなく、2012年になって6戦目で初めて勝利することができなかった。パリサンジェルマンは勝ち点1を上積みして辛うじて首位をキープする。
 寒波のためこの時期のフランス国内のサッカーは大幅にスケジュールが変更となり、パリサンジェルマンは2月15日にフランスカップのベスト8決定戦でディジョンと対戦し、1-0とモンペリエ同様ベスト8入りする。
 2012年になって7連勝のモンペリエと6勝1分のパリサンジェルマン、リーグ戦で勝ち点1差の首位攻防戦は2月19日、パルク・デ・プランスでキックオフされたのである。(続く)

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