第1558回 2012-13フランスリーグフィナーレ(2) 3位を守ったリヨン、4位には古豪ニース

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■注目を集める3位争い

 昨年8月から争われてきたフランスリーグも5月26日にいよいよ最終節を迎えた。上位はチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ出場、下位は2部降格がファンの注目である。
 最終節を迎える段階で、上位の順位は前回の本連載で紹介したとおり、1位パリサンジェルマンと2位マルセイユの順位が確定しており、3位、4位争いは3位リヨン(勝ち点64、得失点差+21)、4位サンテチエンヌ(62、+28)、5位リール(61、+19)、6位ニース(61、+9)となっており、この4チームが3位、4位になる可能性がある。
 一方、下位を見てみると、20位ブレスト(60、-29)と19位ナンシー(35、-21)の2部降格が決まり、残る1つは18位トロワ(37、-17)、17位ソショー(40、-16)、16位アジャクシオ(40、-10)、15位エビアン(40、-6)にその危険性がある。

■リヨンを追うサンテチエンヌ、リール、ニース

 チャンピオンズリーグ争いを見てみると、リヨンは勝利すれば3位をキープできる。しかし、引き分けの場合、サンテチエンヌが勝利すれば勝ち点で並ばれ、得失点差でサンテチエンヌが上回ることから3位の座をサンテチエンヌに譲り、さらにニースが4位に入る可能性もあり、リヨンは3位から一気に5位以下に落ちる可能性もある。そしてリヨンを追うサンテチエンヌはすでにリーグカップ勝者としてヨーロッパリーグの出場権を確保しており、最終戦にチャンピオンズリーグへのランクアップを狙う。
 またリヨンが敗れた場合、3位争い、4位争いは混沌とし、サンテチエンヌが勝利すれば3位がサンテチエンヌとなり、ニースも大勝すれば4位に入ることもある。 さらにニースもリールにも3位になる可能性は残されている。
 上位陣の最終節、3位リヨンはレンヌをホームに迎える。4位サンテチエンヌは5位リールの本拠地で直接対決。そしてニースはアジャクシオでのアウエーゲームである。

■1週間前に続きクレマン・グルニエがロングシュート成功、リヨンが3位、4位はニース

 10試合すべてが21時にキックオフされた。注目はリヨンの試合である。パリサンジェルマンを迎え、パリサンジェルマンの19年ぶりの優勝を本拠地ジェルランで許してしまった屈辱から2週間、今夜は勝てば来季のチャンピオンズリーグの予備戦に出場できる。試合は終始リヨンがペースを握る。23分にはレンヌのDFがペナルティエリア内でハンドの反則、これで得たPKをリサンドロ・ロペスが決めて先制する。この段階で追うサンテチエンヌはまだノーゴール。後半に入って69分、1週間前のニース戦と同様にゴールから30メートルの位置でリヨンがFKを得て、これをクレマン・グルニエがロングシュートで直接ゴールにたたきこむ。2-0とリードしたリヨンは落ち着いた試合運びでチャンピオンズリーグへ予備戦からとはいえ出場を決めたのである。
 4位争いであるが、リールとサンテチエンヌの試合は前半の終了前にリールが先制するが、サンテチエンヌは69分に追いつくので精一杯、結局1-1のドローとなり、サンテチエンヌは勝ち点を1加えるにとどまった。
 そして4位の座を勝ち取ったのは前週リヨンに追いつかれて引き分けに終わったニースである。降格の可能性のあるアジャクシオ相手に後半ダリオ・チビタニッチとエリック・ボーテアックのゴールで2-0と勝利する。ニースはこの勝利により勝ち点を64として、サンテチエンヌを抜いて4位に浮上する。リーグ戦の上位として37年ぶりに欧州の舞台に立つことになったのである。

■トロワ、ブレスト、ナンシーが降格、モナコ、ギャンガン、ナントが昇格

 一方、下位の争いであるが、最終戦で勝たなくては降格から逃れられない18位トロワはバランシエンヌ相手に12分に先制したものの逆転されて敗れ、1部復帰初年度で2部降格となってしまった。来季はトロワ、ブレスト、ナンシーに代わり、モナコ、ギャンガン、ナントが昇格し、1部リーグが行われるのである。(この項、終わり)

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