第2212回 序盤戦のフランスリーグ(1) 有力5チームが連勝スタート

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■毎週末にリーグ戦が行われる8月

 フランスリーグは前回までの本連載で紹介したとおり、8月最初の週末に開幕した。8月中は1部リーグのチームについてはリーグ戦以外には国内タイトルの試合はなく、国際試合は代表の試合も月末のワールドカップ予選、クラブの試合はチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのプレーオフだけである。バカンス中の8月は毎週末リーグ戦が行われている。ファンはシーズン序盤のリーグ戦に注目することとなる。
 第2209回と第2210回の本連載で開幕戦の模様を紹介したが、開幕戦では昨季のフランスサッカーのタイトルを分け合ったモナコとパリサンジェルマンがいずれもホームで勝利し、今季も両チームがフランスサッカーの主役であることを示した。

■リーグ戦14連勝、ボルドーの記録に並んだモナコ

 第2節は両チームはアウエーで試合を迎える。パリサンジェルマンについては前回の本連載で紹介したとおり、ギャンガンで試合を行い、移籍してきたネイマールが初出場、試合も3-0と快勝している。
 一方のモナコはディジョンへの遠征となる。第2210回の連載で紹介したとおりディジョンは開幕戦をマルセイユで戦い、0-3と大敗している。中堅クラブのディジョンにとってはホームでの第1戦もモナコ相手と、厳しい取り組みが続く。一方のモナコは昨季終盤からリーグ戦では連勝が続き、この時点で13連勝、2009年の3月から8月にかけてボルドーが記録した14連勝まであと1勝である。
 モナコのレオナルド・ジャルディム監督は移籍の可能性があり立場が不安定なキリアン・ムバッペをベンチに回し、ラダメル・ファルカオとアダマ・ディアカビを攻撃陣に起用する。モナコは開始間もない3分にCKのチャンスを得る。キッカーのルマールはゴール前に上がってきたカミル・グリックの頭をターゲットにしたが、うまく合わず、ボールはファーポストへ、これをファルカオが右足でネットを揺らし、モナコは先制点をあげる。さらに25分にモナコはジョアン・モウチーニョの蹴ったCKからジェメルソンが追加点、37分にはファルカオがゴールをあげ、3-0とディジョンを突き放す。ディジョンは前半終了間際に1点を返すのが精一杯、後半に入って51分にモナコはファルカオがハットトリック達成となる3得点目、モナコは4-1と勝利し、パリサンジェルマン同様連勝スタートとなり、昨季から通算して14連勝、8年前のボルドーの記録に並んだのである。

■第2節終了時の首位はリヨン、マルセイユは新戦力がまたゴールを決める

 パリサンジェルマンとモナコ以外の有力チームも連勝でスタートした。開幕戦でストラスブールに4-0と大勝したリヨンは第2節ではアウエーでレンヌに2-1と勝利し、得失点差で首位に立っている。
 開幕戦で新戦力が活躍したマルセイユの第2戦はナントでのアウエーゲーム、なかなか得点を奪うことができず、試合はスコアレスドローかと思われたが、この試合でも新戦力が値千金のゴールをあげた。昨季はイタリアのジェノアとACミランにレンタルしていたルーカス・オカンポスが戻ってきた。開幕戦ではベンチにとどまり出場機会がなかったが、第2戦では後半の61分にクリントン・エンジエに代わって登場、終盤の88分にゴールをあげて、マルセイユは開幕以降の全4ゴールが新規加入選手によるものとなり、連勝した。

■新監督となったサンテチエンヌも連勝スタート

 そしてもう1チーム連勝したのがサンテチエンヌである。近年はリーグでも上位の常連となり、ヨーロッパリーグの当落線上の順位が続いている。2009年末からこのチームを支えてきた監督のクリストフ・ガルティエに代わり、今季からスペイン人のオスカー・ガルシアが指揮を執る。ガルシアの初陣はホームでニースに1-0と勝利する。第2210回の本連載で紹介したとおり、唯一の得点をあげたジョナタン・バンバはアンジェへのレンタルの終了で新加入の選手である。第2節にサンテチエンヌはアウエーでカーンと対戦した。この試合でサンテチエンヌのロマン・アムマが古巣相手にゴールを決める。カーンはシュートがポストに嫌われ、サンテチエンヌはモナコ、パリサンジェルマン、リヨン、マルセイユとともに連勝スタートとなったのである。(続く)

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