第2534回 2019-20 フランスリーグ開幕(3) 開幕戦で昨季3位のリヨンが快勝

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■開幕戦は昨季3位のリヨンと17位のモナコが対戦

 前回までの本連載ではリーグ開幕前に行われた試合について紹介してきたが、いよいよ8月9日にフランスリーグが開幕した。第1節は金曜日の8月9日に1試合、土曜日の11日に6試合、日曜日の12日に3試合が行われる。
 金曜日の開幕戦のカードはモナコ-リヨン戦であった。モナコは一昨年のリーグチャンピオンであるが、昨季は迷走を続け、シーズン序盤から最下位を争う始末で、10月には監督のレオナルド・ジャルディムを更迭、クラブのOBのティエリー・アンリを招聘する。しかし、ベルギー代表のスタッフとしてワールドカップでの上位入賞を支えたアンリもチームを立て直すことができず、結局ジャルディムに監督の椅子を戻し、最終的には17位という成績で2部降格をようやく免れた。今季のモナコであるが、ラダメル・ファルカオの残留は不明確であるが、新戦力としてはモンペリエからバンジャマン・ルコント、ルーベン・アギラーを獲得し、イタリアのインテル・ミラノにレンタルしていたケイタ・バルデが戻ってきた。しかし、シーズンの初戦であるが多数の負傷者を抱えている。
 一方のリヨンであるが、昨年のリーグ順位は3位、パリサンジェルマンに次ぐ国内第二のクラブとしてはこれでも不満である。また、今季は主力のナビル・フェキル、フェルラン・マンディ、タンギ・エンドンベレという主力が移籍し、一方での新加入はリールからチアゴ・メンデス、ユスフ・コネを獲得したくらいで戦力ダウンは否めない。昨季はフランスリーグで最多のシュート数を誇った攻撃サッカーが今季はどうなるであろうか。

■退場者の出たモナコに対しリヨンが完勝

 過去2年間のこのカードはモナコが勝利しているが、今年は昨年の両チームの順位を象徴するような展開となった。リヨンは5分に右サイドから攻め上がり、CKを奪う。ベルトラン・トラオレの蹴ったCKをダンベレがヘディングで合わせてリヨンが今季初のゴールを決める。
 27分にはモナコのセスク・ファブレガスが危険なタックル、ビデオ判定の結果、レッドカードとなる。セスク・ファブレガスはフランスリーグで初の退場者となった。 ここから試合はリヨンのワンサイドゲームとなる。36分にはメンフィス・デパイが追加点、そして80分にはオリンピック出場に貢献したルカ・トゥザールが3点目を決め、リヨンがモナコに3-1と勝利したのである。

■注目チームは金曜日や日曜日に登場

 通常は土曜日に行われるリーグ戦であるが、金曜日と日曜日はテレビ中継の関係で、人気チームが登場する。リヨンがそうであったが、パリサンジェルマン、リールという昨年のリーグ戦の1位と2位のチームは日曜日の登場となる。また、ヨーロッパリーグの予備戦3回戦を8月8日に戦ったばかりのストラスブールも日曜日に出場する。

■ヨーロッパリーグに出場するサンテチエンヌ、レンヌはアウエーで勝利

 したがって、土曜日に出場するチームの中で欧州カップに出場するチームは昨季4位のサンテチエンヌとフランスカップで優勝したレンヌだけである。
 サンテチエンヌはアウエーでディジョンと対戦する。サンテチエンヌは5分にロマン・アムマが先制点を決め、11分にはジャン・ウード・アオルが追加点をあげて試合を決める。ディジョンの反撃を1点に抑え、アウエーで勝ち点3を獲得する。過去9年間一桁順位という安定した成績を残すサンテチエンヌは好発進した。
 リーグ開幕の前週にチャンピオンズトロフィーでパリサンジェルマンに敗れたレンヌはアウエーでモンペリエと対戦する。モンペリエは昨季6位、このところリーグ戦では上位に入り、中堅以上の成績を残している。レンヌは6分にジェレミー・モレルが奪った先制点を守りきり、1-0というスコアで逃げ切り勝ち点3を獲得する。
 昨季5位のマルセイユはホームで開幕戦を迎え、スタッド・ド・ランスと対戦したが、0-2と敗れてしまう。一方、前年7位のニースはアミアンに終盤追いつかれたが、アディショナルタイムの95分に勝ち越し点をあげて、古豪の存在を示したのである。(続く)

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