第3000回 パリサンジェルマン、10回目のリーグ優勝(1) 2位マルセイユとの直接対決を制す

 おかげさまで第3000回の連載を迎えることになりました。連載開始以来21年で3000回もの連載を続けることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。

■開幕ダッシュに成功し、2位に大差をつけて折り返したパリサンジェルマン

 今年もチャンピオンズリーグでは決勝トーナメントの初戦で敗れてしまったパリサンジェルマンであるが、昨年優勝を逃したリーグ戦では開幕から8連勝し、独走態勢に入っていた。本連載の第2946回から第2948回にかけてリーグ戦の前半戦について紹介したが、パリサンジェルマンは2位のニースに勝ち点で13の差をつけて折り返した。 今季はコロナ禍前と同じスケジュールとなり、年が改まるとともに、後半戦が始まった。後半戦最初の試合はリヨンとのアウエーゲーム、前半に先行されるという難しい試合となったが、後半にティロ・ケーラーのゴールで追いつき、引き分けに持ち込んだ。その後も順当に勝ち星を重ねたが、チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦でレアル・マドリッド(スペイン)に逆転負けを喫した3月は下旬にインターナショナルマッチデーが設定されていたこともあり、リーグ戦は3試合しか行われなかったが、1勝2敗という成績であった。

■2位に浮上したマルセイユ

 前半戦を終えた時点で2位だったニースであるが、フランスカップでは勝ち進み、1月のリーグ戦は3連勝であったが、2月に入ってから失速、リーグ戦では1勝しかできず、順位を落とした。
 ニースに代わって2位に浮上したのがマルセイユである。マルセイユは前半戦に行われたリヨン戦が途中で打ち切られ、消化試合数が1つ少なかった。そのリヨン戦は負けたものの、着実に勝ち点を重ねてきた。

■優勝決定が目の間に迫ったパリサンジェルマンに挑戦するマルセイユ

 後半戦での首位パリサンジェルマンの2位マルセイユが直接対決は第32節、4月17日にパルク・デ・プランスで行われた。両チームともここまでに予定されていた試合をすべて消化している。パリサンジェルマンは22勝5分4敗で勝ち点71、マルセイユは17勝8分6敗で勝ち点59、両チームの勝ち点差は12である。折り返しの段階で2位に勝ち点13の差をつけていたパリサンジェルマンであるが、3月20日の第29節でモナコに敗れ、マルセイユとの勝ち点差は12に縮み、第30節、第31節とパリサンジェルマン、マルセイユとも勝利を重ね、勝ち点12のままで直接対決の日を迎えた。
 もし、この対戦でパリサンジェルマンが勝利すれば、残り6試合で勝ち点15差となり、ほぼ優勝は確実である。一方、ヨーロッパカンファレンスリーグも含めると現在8連勝中のマルセイユが勝利すれば勝ち点9差となり、パリサンジェルマンと2位との差が秋以降で最も接近することになる。
 クラシックと呼ばれ、これまで数々の名勝負を重ねてきたパリサンジェルマン-マルセイユ戦であるが、今年は優勝に迫ったパリサンジェルマンをマルセイユが止めることができるかが焦点となった。

■試合内容は低調ながらも勝利したパリサンジェルマンが優勝に前進

 パリサンジェルマンはMNMと言われるキリアン・ムバッペ、ネイマール、リオネル・メッシの3人がそろって先発する。リーグ戦でこの3人が先発メンバーにそろうことは10回目であるが、3月以降はこの3人が先発するようになり、得点力もアップしてきた。パリサンジェルマンはMNMがそろい踏みし、一方のマルセイユはウィリアン・サリバ、マテオ・ゲンドウジという若手のフランス代表選手が先発し、好ゲームの予感があった。
 試合は12分にネイマールが先制ゴールを決める。これに対してマルセイユは、ドゥイエ・チャレタ・ツアルがディミトリ・パイエのCKから得点をあげて同点に追いつく。勝ち越し点を決めたのはMNMの1人、ムバッペであった。前半のアディショナルタイムにマルセイユの選手がペナルティエリア内でハンド、PKとなってムバッペが決める。結局、これが決勝点となり、パリサンジェルマンが2-1で勝利する。
 ところが、パリサンジェルマンは前半に7本のシュートを放ったが、後半は守備的な試合運びでマルセイユにボールを持たせ、シュート数はゼロとなった。一方のマルセイユもボール保持率で6割近くの数字をマークしたが、シュートはわずかに3本であった。両チーム合わせたシュート数が10というのは今季の1部リーグで最少であった。
 しかし、勝ち点3を獲得したパリサンジェルマンが優勝に大きく前進したのである。(続く)

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