第3001回 パリサンジェルマン、10回目のリーグ優勝(2) パリサンジェルマン、マルセイユとも勝利、優勝決定は第34節以降に

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■優勝回数で並ぶパリサンジェルマンとマルセイユ

 パルク・デ・プランスでのマルセイユ戦で2-1と勝利したパリサンジェルマンは優勝に大きく前進した。一方のマルセイユはフランス勢の中では唯一欧州カップで勝ち残っていたが、この勢いをこのゲームにつなげることができなかった。マルセイユは1980年代から1990年代にかけて黄金時代を迎え、4連覇(5回目の優勝は八百長事件のためタイトル剥奪)を成し遂げたが、黄金期最初の優勝を決めたのはパリサンジェルマン戦の勝利であった。そのマルセイユも黄金時代の後は国内リーグではなかなか優勝できず、2009-10シーズンに優勝を果たしただけである。マルセイユの黄金時代の直後の1993-94シーズンに優勝したのがパリサンジェルマンであった。この時パリサンジェルマンは2回目のリーグ優勝であった。2010年代に入ってパリサンジェルマンが黄金時代を迎え、パリサンジェルマン、マルセイユとも優勝回数は9回で並んだ。優勝回数で両チームを上回るのは10回を数えるサンテチエンヌである。

■同時にキックオフを迎えるパリサンジェルマンとマルセイユ

 ファンの注目は残り6試合でいつパリサンジェルマンが優勝を決めるのか、そしてどのチームが来季の欧州カップの出場権を獲得するのかである。
 残り6試合で首位パリサンジェルマンは2位のマルセイユと勝ち点で15の差を付けた。第33節でパリサンジェルマンが勝利し、マルセイユが引き分け以下、あるいはパリサンジェルマンが引き分け、マルセイユが敗れた場合はパリサンジェルマンの優勝が決まる。その第33節は週の半ば、4月20日の水曜日に行われた。パリサンジェルマンはアンジェとアウエー、マルセイユはホームでナントと対戦する。第33節は10試合のうち5試合は19時キックオフ、残る5試合が21時にキックオフされる。パリサンジェルマンもマルセイユも21時キックオフとなる。
 パリサンジェルマンの相手のアンジェはこの時点で14位、しかし、前半戦では10月15日に対戦し、アウエーのアンジェが前半に先制、パリサンジェルマンは後半に入って追いついたものの、勝ち越し点が奪えずにドローかと思われたところ、87分にキリアン・ムバッペが決勝ゴールをあげた。
 マルセイユはナントと前半戦では12月1日にアウエーで対戦し、1-0と勝利している
 アンジェとマルセイユの試合は同時刻に始まった。パリサンジェルマンはMNMの3人のうち、リオネル・メッシは負傷、ネイマールは出場停止となり、キリアン・ムバッペだけが出場する。マルセイユはジェンギス・ウンデルが負傷してメンバーから外れる。

■リードを広げるパリサンジェルマン、先行されるマルセイユ

 先にスコアが動いたのはマルセイユの試合であった。26分にナントがCKのチャンスを得る。ナントはストッパーのアンドレイ・ジロットがノーマークでヘディングシュート、マルセイユは先制を許す。さらにベロドロームのファンを落胆させるニュースが飛び込んできた。アンジェではパリサンジェルマンが優勢に試合を進め、28分にアクラフ・ハキミからのパスをムバッペが決める。パリサンジェルマンと同等の結果の欲しいマルセイユは2点が必要となった。39分にファウルで得たPKをディミトリ・パイエが決めて同点に追いついたものの、その直後の41分には守備の乱れを付かれて勝ち越し点を奪われる。一方、パリサンジェルマンは前半アディショナルタイムにセルヒオ・ラモスが追加点をあげる。

■最後はマルセイユが逆転勝利、優勝決定は第34節以降に持ち越し

 パリサンジェルマンの勝利は固く、ベロドロームのファンにとってはマルセイユには勝利しかないことを認識し、同点ゴール、逆転ゴールを願う。55分にはパイエが再びPKを決めて同点に追いつく。試合はマルセイユが一方的に支配している。ようやくマルセイユが勝ち越したのは75分、パイエとジェルソンがワンツーを決めて、クロスをあげる。これをアミン・アリが右足でシュートし、ついに逆転する。
 パリサンジェルマンも後半にマルキーニョスが追加点を決めて、3-0とし、両チームとも勝利して優勝は第34節以降に持ち越されたのである。(続く)

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