第3238回 フランスリーグ開幕 (3) 開幕戦を白星で飾ったマルセイユ

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■土曜日に試合を行う人気チームのマルセイユとパリサンジェルマン

 今季も序盤のフランスリーグは金曜1試合、土曜2試合、それ以外は日曜日に行われ、キックオフの日時をずらしてより多くの試合をファンがテレビで観戦できるように設計されている。最もファンが観戦しやすい土曜日は人気チームの試合が組まれる。
 フランスのサッカーチームで人気チームと言えばパリサンジェルマンとマルセイユである。フランス国内においては全国区の人気を誇る両チーム、シーズン前の移籍市場においてもファンの注目を集める。

■チャンピオンズリーグ予備戦3回戦の合間にリーグ開幕戦を迎えるマルセイユ

 リーグ優勝を目指すマルセイユは新監督にスペイン人のマルセリーノを招聘する。これまでスペイン国内でのクラブチームの監督の経験しかないマルセリーノにとっては新たな挑戦である。またマルセリーノ新監督はリーグ戦開幕の前に、チャンピオンズリーグ予備戦に挑む。マルセイユは昨季はリーグ3位であり、チャンピオンズリーグには予備戦3回戦から出場する。その予備戦3回戦はリーグ戦の開幕戦を挟んで行われる。ギリシャのパナシナイコスとの第1戦は8月9日にアウエーで行われ、ホームでの第2戦は15日に行われる。マルセリーノ新監督はギリシャでの初陣を0-1と落としたが、その3日後の12日の17時にマルセイユは本拠地ベロドロームのリーグ戦で本拠地初見参となる。パナシナイコス戦ではジョフレイ・コンドグビアが退場処分となり10人での戦いで敗れたが、リーグ戦初戦のスタッド・ド・ランス戦は先発4人を入れ替え、気持ちもリセットして試合に臨む。

■スタッド・ド・ランスに逆転勝ちしたマルセイユ

 マルセイユ注目の新戦力のピエール・エメリク・オーバメヤンはパナシナイコス戦では先発であったが、リーグ戦開幕戦はベンチスタートとなる。6万3000人を超える超満員のベロドロームに乗り込んだスタッド・ド・ランスは伊東純也が在籍していることから日本のファンの皆様もよくご存じのチームであるが、今夏、新たに中村敬斗も加わった。伊東は先発メンバーに名を連ね、中村はベントスタートとなる。
 試合はキックオフ直後から伊東がスタッド・ド・ランスの攻撃を組み立て、10分にはトマ・フォケからのクロスを決めて先制点を奪う。対するマルセイユは23分にアゼディーヌ・ウナイが同点ゴールを決める。38分に伊東のシュートがゴールを揺らすが、直前のプレーでボールがフィールドの外に出ていたため、ノーゴール。マルセイユも41分にビトール・ビティーニャのシュートがゴールに入るがオフサイドの位置にいた選手がいたため、取り消しとなる
 後半に入り、スタッド・ド・ランスは中村を投入、フィールド上に日本人選手が2人となる。両チームとも積極的に攻める。この試合の決勝点となったのは73分、ビティーニャが決める。
 スタッド・ド・ランスはパスをつなぎ、ボールを支配したが、得点はマルセイユに及ばなかった。マルセイユは満員のベロドロームで開幕戦を勝利で飾ったのである。

■主力選手がベンチからも外れたパリサンジェルマン

 そして、土曜日の第2試合、21時キックオフとなるのがパルク・デ・プランスでのパリサンジェルマン-ロリアン戦である。この試合は試合前から注目を集めた。監督が変わったチームがリーグ開幕戦でどのような選手を起用するかはファンの関心事であるが、パリサンジェルマンの場合は特別である。本連載でもしばしば取り上げているように、去就が定まらない選手がおり、開幕を迎える段階でもその状況は変わらない。クラブと契約問題でもめ、日韓遠征に参加せず、トップチームの練習に参加していないキリアン・ムバッペ、移籍を希望しているネイマール、移籍が噂されているマルコ・ベラッティの3人は結局、開幕戦のメンバーから外れてしまった。
 これらの選手の移籍先にはサウジアラビアのクラブチームの名前も噂される。サウジアラビアはシーズンの開幕が遅いため、欧州の主要リーグが開幕した後も大型移籍がありうる。パリサンジェルマンは攻撃の中心選手不在のまま、開幕戦に臨んだのである。(続く)

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