第3553回 2024-25フランスサッカー、フィナーレ (1) 前半戦の上位チームがそのままゴールイン
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■5月のフランスのサッカーファンの3大関心事
前回までの本連載は4月29日と5月7日に行われたチャンピオンズリーグ準決勝でパリサンジェルマンがアーセナル(イングランド)を下して決勝に進出することを紹介したが、5月初めの時点でフランスのサッカーファンの関心は次の3つに絞られた。
まず、5月17日に最終節を迎えるフランスリーグ、次に25日にパリサンジェルマンとスタッド・ド・ランスの間で決勝が行われるフランスカップ、そして31日にドイツのミュンヘンで行われるチャンピオンズリーグの決勝、パリサンジェルマン-インテル・ミラノ戦である。
■無敗での優勝はならなかったパリサンジェルマン
今回から、シーズンを終えたフランスリーグについて紹介していこう。まず、優勝については本連載第3535回で紹介した通り、パリサンジェルマンが4月5日の第28節で6試合を残して13回目の優勝を決めている。しかし、上位チームに与えられる来季の欧州カップ出場権争い、そして2部との降格など、今季も最終節まで目の離せない展開となった。
本連載では前半戦を終えた時点の状況を第3488回から第3492回にかけて紹介してきた。この時点からすでにパリサンジェルマンは独走状態であり、リーグ史上初の無敗での優勝を目指したが、その記録は残り4試合となった第31節でニースに敗れストップしたが、早期の優勝は当然の結果であると言えよう。前半戦終了時点ではパリサンジェルマンと勝ち点7差の2位にマルセイユ、以下3位モナコ、4位ニース、5位リール、6位リヨンとなっていた。
■チャンピオンズリーグのリーグフェーズには2位マルセイユと3位モナコ
マルセイユは後半戦もほぼ2位をキープした。最終的にはパリサンジェルマンとの勝ち点差は19に広がったが、マルセイユはチャンピオンズリーグの出場権を獲得した。昨季は8位に終わり、欧州カップの出場を逃した名門は2季ぶりにチャンピオンズリーグを戦うことになる。
モナコはしばしばマルセイユと順位が入れ替わって2位に浮上することもあったが、最終的には3位となった。2月中旬にチャンピオンズリーグの決勝トーナメントのプレーオフでベンフィカ(ポルトガル)に敗れて国内タイトルに専念したが、前年より1つ順位を落として3位となった。3位まではチャンピオンズリーグのリーグフェーズの出場権が得られるため、来季も今季同様の条件でチャンピオンズリーグに出場することになる。
■4位はニース、5位にリール
リーグ4位はチャンピオンズリーグの予備戦3回戦への出場権、5位はヨーロッパリーグのリーグフェーズへの出場権、6位はヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフへの出場となる。それ以外にフランスカップの優勝チームがヨーロッパリーグへの出場権を獲得するが、もし、すでにチャンピオンズリーグの出場権を獲得しているパリサンジェルマンがフランスカップを獲得すれば、リーグ7位のクラブにも欧州カップ出場のチケットが与えられる。
4位に入ったのはニースであった。折り返しの時点と同じ順位であるが、3月から4月にかけては4試合連続して勝ちから見放され、一時は7位まで順位を落としたが、パリサンジェルマンにアウエーで勝利し、順位を4位にあげた。前年より1つ順位をあげた古豪は8年ぶりにチャンピオンズリーグのプレーオフに出場することになった。
4位ニースと同じ勝ち点60で並びながら得失点差で及ばず、5位になったのがリールであった。今季はチャンピオンズリーグで活躍したリールであるが、終盤の5月に入り、マルセイユと引き分け、ブレストに敗れたのが響き、ヨーロッパリーグに回ることになった。
■6位にはリヨン、7位には前半戦9位のストラスブール
ヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフ出場権が与えられる6位に入ったのがリヨンである。今季のヨーロッパリーグでは準々決勝に進出し、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)との戦いは忘れられない試合となった。来季も欧州での活躍が期待される。
1位から6位までは前半終了時と同じ順位であるが、フランスカップ決勝の結果次第では欧州への出場権が獲得できる7位には折り返し時点では9位のストラスブールが入った。(続く)