第1059回 曲がり角のリーグカップ (5) 欧州カップ組6チームは初戦を突破しベスト8へ

■真夏の7月に始まったリーグカップ

 前回までの本連載でリーグカップの人気が低迷していることを紹介してきたが、肝心の大会の途中経過をレポートしよう。今年のリーグカップは1部20チーム、2部20チーム、そして3部に相当するナショナルリーグから4チームが参戦し、44チームで争われている。昨年7月25日に予備戦が始まり、ナショナルリーグのグーニョン、トロワ、アミアン、ランス(Reims)という4チームと2部のラバルとアルル・アビニョンが出場した。ラバル、トロワ、アミアンが勝ち抜き、翌週に行われた1回戦に進出している。
 1回戦は予備戦を勝ち抜いた3チームと、予備戦に出場しなかった2部の17チームが出場(昨季フランスカップ優勝のギャンガンはベスト8決定戦から出場)し、ナショナルリーグ勢の健闘が目立った。アミアンは昨年の準優勝チームのバンヌと対戦し、PK戦までもつれ込む戦いをしながら敗れてしまった。一方トロワは強豪ナントと対戦し、4-0と一蹴した。
 2回戦を勝ち抜いた10チームが8月下旬に3回戦を戦った。トロワはニームに延長戦の末に屈し、この段階でナショナルリーグのチームは姿を消した。
 3回戦に相当するベスト16決定戦は9月下旬に行われた。1部勢も参戦するが昨シーズンの上位5チームはまだ参戦せず、2部5チームと1部15チームの20チームがベスト16の座をかけて戦った。2部3チームと1部の7チームが勝ち、ベスト8決定戦に進んだのである。

■ベスト8決定戦から参戦した欧州カップ出場チーム

 ベスト8決定戦はベスト16決定戦から4か月後の1月中旬に行われた。このベスト8決定戦の顔ぶれは、ベスト16決定戦を勝ち抜いた1部のロリアン、ルマン、ランス、レンヌ、ナンシー、パリサンジェルマン、サンテエチエンヌ、2部のスダン、クレルモン、メッスに加え、1部から昨季リーグ上位のボルドー、マルセイユ、リヨン、トゥールーズ、リール、2部からフランスカップの保持者であるギャンガンが新たに加わった。これら新たに参戦したチームは欧州カップに出場したチームであり、前半戦は欧州カップとリーグカップが重ならないよう配慮されているのである。

■フランスカップとリーグカップの初戦が連戦となる1部の5チーム

 そしてこのベスト8決定戦はフランスカップのベスト32決定戦のおおむね3日後に予定されており、このステージから参戦した1部の5チームは、フランスカップ、リーグカップとも初戦をほぼ同時期に迎えるのである。
 1部勢にとって初戦となるフランスカップのベスト32決定戦は、これまで本連載で紹介してきたとおり、1部勢にとっては鬼門である。欧州カップ組の5チームにとってのリーグカップも同様であろう。鬼門とも言うべき試合が連続するわけである。したがって、これら5チームについてはリーグカップだけではなくその直前に行われたフランスカップの試合も合わせて紹介すべきであろう。

■欧州カップ勢はフランスカップ、リーグカップとも順調に発進

 昨季のリーグ戦の上位から見てみると、1位のボルドーについては、フランスカップはロデスに勝利したが、リーグカップはルマンでの試合が降雪により延期となってしまう。1月26日に行われた試合は相手に先手をとられながらも3-2で逆転勝ちし、今季もリーグ戦で首位を走る力の差を見せ付ける。2位マルセイユは、1月10日に氷点下のペリグーで行われたフランスカップではアマチュアのCFA2に所属するトレリサックに2-0と勝利する。そして3日後の13日にはサンテエチエンヌとアウエーで対戦する。2度リードを許しながらも追いつき、後半ロスタイムのママドゥ・ニアンのゴールで勝利している。
昨季リーグ3位のリヨンは欧州カップでは好調であるが国内リーグでは順位を落としてきた。フランスカップはアウエーでストラスブールと対戦し、氷点下と言う厳しいコンディションの中で3-1と勝利する。この勢いで4日後にメッスを迎えて行われたリーグカップでも3-0と順当勝ちしている。トゥールーズも同様であり、フランスカップはCFAのレゼルビエに勝利し、リーグカップはナンシーに勝利している。 そして上位5チームの中で唯一リーグカップがカップ戦の初戦となったのがリールである。コルマールでのフランスカップが延期となり、レンヌを迎えて行うリーグカップが年明け最初の試合となったが、リールがレンヌを3-1と下した。
 また2部のギャンガンもパリサンジェルマンを1-0と下している。
このように欧州カップ組6チームはすべてベスト8に進出したのである。(この項、終わり)

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