第1660回 リーグカップ、ファイナリスト決定(2) 欧州組、次々とベスト8入り

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■マルセイユ、トゥールーズを下し、12月に入って初勝利

 リーグカップにおいて実質シード組となるチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグへの出場チームも参戦してきたベスト8決定戦。前回はパリサンジェルマンが延長戦の末に前年度優勝のサンテチエンヌを下した試合を紹介したが、それ以外の有力チームの戦いを紹介したい。
 パリサンジェルマン以外にチャンピオンズリーグに参戦したのはマルセイユ、しかし、パリサンジェルマンとは対照的にグループリーグでは6戦全敗という歴史的な敗退となった。マルセイユはチャンピオンズリーグで惨敗しただけではなく、国内リーグでも勝ちから遠ざかっており、12月に入って1分2敗、首位に水をあけられ、この時点で7位まで落ちている。このリーグカップ、さらには年明けから参戦するフランスカップで雪辱を果たすとともに、リーグ戦でも巻き返しを図りたいところである。このようなチーム状態からパリサンジェルマンとは対照的で、ホームのベロドロームには相手が1部のトゥールーズであるにもかかわらず、わずか1万2000人のファンが集まったにすぎなかった。この試合でマルセイユは前半に若手のバンジャマン・メンディが先制、さらにアンドレ・ピエール・ジニャックがPKを決めて2点を先行、後半のトゥールーズの反撃を1点に押さえ、12月になって初めての勝利を収めた。

■ヨーロッパリーグ組のリヨン、ボルドーも勝利

 一方のヨーロッパリーグであるが、フランスからはチャンピオンズリーグのプレーオフで敗れたリヨン、昨季フランスカップ優勝のボルドーがグループリーグを戦い、ニースとサンテチエンヌはプレーオフで敗れている。グループリーグに出場したリヨンもボルドーもシード順位は高かったものの、明暗が分かれ、リヨンは首位突破、ボルドーは最下位敗退となっている。
 リヨンは国内リーグでは10位、このリーグカップのベスト8決定戦の直前はマルセイユと戦い2-2のドローである。リヨンの相手は名門スタッド・ド・ランス、今回でリーグカップは現在の大会形式になって20回目を迎えるが、リーグカップが現在の形式になった頃はナショナルリーグを低迷し、52年ぶりのタイトルを目指す。前半は両チーム無得点であったが、リヨンはバフェタンビ・ゴミスが先制点をあげたのを皮切りに3得点、対するスタッド・ド・ランスは2点をあげたにとどまり、リヨンも8強入りする。
 ヨーロッパリーグのグループリーグで惨敗したボルドーは、12月に入って国内リーグでは4連勝である。レンヌとのアウエーゲームとなり、後半の50分にカルロス・エンリケが先制するが、52分に追いつかれる。しかし、ロスタイムに入る直前にボルドーのFWのジュシエがレンヌのGKに倒されてPK、このPKをジュシエ自身が決めて、ロスタイムにボルドーは勝ち越しを決めた。

■不振のニース、4日前のリーグ戦に続きソショーに勝利

 そして、プレーオフで敗れたニース、リーグ戦では10月26日の第11節から7連敗を喫す。久しぶりの勝利は12月14日の第18節のホームのソショー戦、1-0と辛うじて勝利することができた。そしてドローの神様は奇妙なくじをニースに与えた。その4日後に行われるベスト8決定戦の組み合わせはまたもやホームでのソショー戦となった。ニースはソショー相手にゴールを重ね、3-0と完勝、2年連続でベスト8入りする。
 このように欧州組はパリサンジェルマンと対戦して敗れたサンテチエンヌ以外は勝ち進み、シードの貫録を見せた。

■トロワ、唯一2部勢で8強入り

 これ以外のベスト8決定戦であるが、ナントが2部のオセールを下し、1部同志の対戦ではエビアンがSCバスティアとの戦いを制する。2部勢同士の対戦となったトロワ-ツール戦は2-2で迎えた後半のロスタイムにトロワの主将のバンジャマン・ニベが決勝点をあげ、唯一2部勢としてベスト8入りしたのである。(続く)

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