第2376回 真夏に開幕した25回目のリーグカップ

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■今回が25回目となるリーグカップ

 前回までの本連載で新シーズンが始まったことを紹介してきたが、8月中旬にはリーグカップも開幕している。1部と2部のチームに加え、3部に相当するナショナルリーグのチームの中でプロフェッショナルのステータスを持っているチームが出場する。優勝チームにはヨーロッパリーグの予備戦への出場権が与えられることから、チームによっては欧州に最も近いトーナメントともいえる。このリーグカップも今回が25回目の大会となり、四半世紀の歴史を重ねることとなった。
 またフランスカップ同様1部勢は途中から参戦するが欧州カップに出場するチームはベスト8決定戦からの参戦となり、チャンピオンズリーグヨーロッパリーグのグループリーグが終了したタイミングから挑戦を受ける形になる。

■2部以下24チームが出場する1回戦

 2部勢以下の24チームが8月14日に1回戦、28日に2回戦を戦い、24チームが6チームに絞られて1部勢が参戦するベスト16決定戦に進出する。 8月の戦いには2部の20チームとナショナルリーグからはブールアンブレス、クビリー・ルーアン、トゥール、ラバルの4チームが出場した。ブールアンブレス、クビリー・ルーアン、トゥールは今季2部からナショナルリーグに陥落したチームであり、ラバルはその前のシーズンに2部から陥落したチームである。

■リーグカップ初参戦となるベジエ

 一方、このリーグカップに初めて参戦するチームが1つだけある。それがベジエである。地中海に面する南西部の都市のベジエには強豪のラグビーチームがあるが、サッカーが盛んな土地柄ではなく、2007年に地元にあった3つのクラブが合併して生まれたチームである。合併に際してはユニフォームの色を何色にするかなどの懸案があったが、ベジエ市の色である赤と黒に落ち着き、当時の5部に相当するCFA2部でスタートした。合併初年は6部に相当するDHに陥落してしまったが1年で復帰、復帰初年の2009-10シーズンは優勝し、1年でCFAに昇格した。そして毎年着実に順位を上げ、5年目の2014-15シーズンで優勝し、ナショナルリーグに昇格、ナショナルリーグでも3シーズン目の昨季に2位になり、2部に自動昇格したのである。フランスカップにも出場しているが、今まで一度も越年したこともない。クラブ創立12年目で初めてプロのチームとしのぎを削ることになった。
 今季の2部リーグは1部よりも2週間早い7月27日に開幕している。ベジエは第1節でナンシーに勝利、第2節はACアジャクシオに敗れたものの、第3節では1部から降格してきたトロワに勝利し、リーグ戦2勝1敗という成績でリーグカップに参戦した。

■ナショナルリーグ勢は全滅、2部勢12チームが2回戦進出

 14日に行われた1回戦であるが、ナショナルリーグから参加した4チームはいずれも敗退した。ブールアンブレスはルアーブルに0-2、ラバルはクレルモンに0-3、クビリー・ルーアンは1部から降格してきたトロワに1-2と敗れている。またトゥールとRCランスの試合は90分過ぎまで両チーム無得点であったが93分にRCランスは決勝点を決めた。
 さて、リーグカップは90分間で決着がつかなかった場合は、決勝を除き、直接PK戦が行われる。1回戦12試合のうち3試合がPK戦となった。ソショーはブレスト相手にオウンゴールで追いつき、PK戦に持ち込んだが、ブレストが勝利する。プレーオフで1部昇格を逃した昨季2部3位のACアジャクシオはPK戦でパリFCを下す。そしてこの大会初出場となるベジエはアウエーでオルレアンと対戦する。序盤に先制したが、終盤にPKで追いつかれPK戦となる。最初の3人は両チームとも決めたが、7人目で明暗が分かれ、オルレアンが競り勝ち、ベジエは初挑戦での初勝利はならなかった。
 それ以外にナンシー、メッス、シャトールー、ロリアン、オセールが勝ち抜き、2部勢12チームで2回戦が8月28日に行われるのである。(この項、終わり)

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