第2446回 ジャイアントキリングの続くリーグカップ (2) 苦戦したパリサンジェルマンとリヨン

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■欧州カップに出場している6チームが参戦するベスト8決定戦

 欧州カップに出場しているチームは不在であるものの、1部勢が参戦し始めた10月末のベスト16決定戦、その時点でリーグ上位の2位リール、3位モンペリエ、6位サンテチエンヌが次々と姿を消した。
 ベスト8決定戦はベスト16決定戦を勝ち抜いた10チームに、欧州カップに出場している6チームが加わり、12月18日と19日に行われた。この時点ですでに欧州カップはグループリーグが終了し、チャンピオンズリーグではパリサンジェルマンとリヨンがグループリーグを突破、モナコは最下位となり敗退している。ヨーロッパリーグではレンヌだけが決勝トーナメントに進み、マルセイユとボルドーは敗退している。

■国内リーグも上位のパリサンジェルマンとリヨン

 ジレ・ジョーンヌと言われる国内のデモの影響を受けて消化試合数にばらつきがあるが、これらのチームの成績を紹介しよう。パリサンジェルマンは2試合未消化であるものの勝ち点44で首位、リヨンは1試合未消化で勝ち点31の3位、モナコは1試合未消化で勝ち点13の19位と言う降格圏内にある。レンヌは1試合未消化で勝ち点23の11位、マルセイユは2試合未消化で勝ち点26の6位、ボルドーは2試合未消化で勝ち点21の12位となっている。パリサンジェルマン、リヨンの2チームだけがリーグ戦の成績では欧州カップ圏内である。

■1部首位のパリサンジェルマンに挑戦した2部11位のオルレアン

 ベスト8決定戦に臨む16チームであるが、上記の欧州組が6チーム、欧州組以外の1部勢が7チーム、2部勢が3チームである。2部勢のこの時点でのリーグ戦の成績であるが、最上位は4位のロリアン、9位のルアーブル、11位のオルレアンと続く。
 すなわち、この時点で残っているチームの中で最も下のチームがオルレアンであるが、なんと1部で首位のパリサンジェルマンと対戦することになった。オルレアンは1989年4月にフランスカップのベスト8決定戦で対戦しており、その当時はホームアンドアウエーの2回戦方式であったが、パルク・デ・プランスで行われた試合でその年の2部の得点王となったルクセンブルク代表のロビー・ランガースの活躍で4-0と勝利している。オルレアンでの第2戦は3-3のドローでオルレアンは準々決勝に進んだのである。それ以来の挑戦となる。パリサンジェルマンはネイマール、マルコ・ベラッティ、アドリアン・ラビオなどを欠くが、それでも十分と思われた。しかし、パリサンジェルマンは大苦戦する。超満員の8500人の観衆の声援を受けるオルレアンが大健闘、パリサンジェルマンに得点を許さない。パリサンジェルマンは41分にエディンソン・カバーニが先制点を決めるが、オルレアンも後半に入って69分に追いつき、ファンは30年前の奇跡の再現を期待する。マリサンジェルマンが決勝点をあげたのは81分、ムーサ・ディアビが交代出場してきて3分のところで得点をあげ、パリサンジェルマンは薄氷のベスト8入りとなった。

■苦戦したリヨン、本拠地で今季初勝利となったモナコ

 同じくチャンピオンズリーグで決勝トーナメント進出を決めたリヨンも苦戦した。リーグ戦で18位と降格圏内にあるアミアンと対戦、アウエーゲームではあったが、リヨンは前半にPKでの先制点に加え、アディショナルタイムに追加点をあげる。後半に入り60分にも得点をあげ3点差とするが、ここからアミアンの猛反撃を受けて1点差に迫られ、3-2と逃げ切って辛勝する。
 屋内外で元気のないモナコは2部のロリアンをホームに迎えるが、観衆はわずか1000人、19歳のギリアン・ビアンコンのスーパーゴールで1-0と勝利するが、なんとこれが今季初めてのルイ二世競技場での勝利となった。
 そしてまさかの敗戦となったのがマルセイユ、こちらも8000人しかベロドロームに集まらず、ストラスブール相手に先制を許し、終盤に追いついてPK戦となるが、4人中2人が失敗し、初戦で敗退となった。
 それ以外の欧州組はレンヌとボルドーが勝利する、リーグ最下位のギャンガンはPK戦を制す。またルアーブルはニームを下して唯一の2部勢としてベスト8に入ったのである。(続く)

 
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