第2447回 ジャイアントキリングの続くリーグカップ (3) パリサンジェルマン、5年ぶりに国内カップ戦で敗れる
8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■フランスカップベスト32決定戦直後に行われるリーグカップ準々決勝
12月中旬にチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場した6チームを加えてベスト8決定戦が行われ、チャンピオンズリーグに出場しているパリサンジェルマン、モナコ、リヨン、ヨーロッパリーグに出場しているレンヌとボルドーが勝ち抜き、マルセイユだけが初戦で敗退した。
これ以外には1部からはストラスブールとギャンガン、2部からルアーブルが準々決勝に臨む。準々決勝は1月8日の火曜日と翌日の9日に行われた。この直前の週末にはフランスカップのベスト32決定戦があり、グラウンドコンディション不良のため試合が延期となったストラスブール以外の1部勢の6チームは年末年始休暇明けに中2日あるいは中3日でノックアウト方式のカップ戦を2試合戦うことになる。フランスカップベスト32決定戦の模様は本連載第2443回と第2444回で紹介したとおりであるが、危なげなく勝利したのはパリサンジェルマン、リヨン、ギャンガン、苦戦して勝ちぬいたのがモナコとレンヌであり、ボルドーはルアーブルに敗れている。3日前のフランスカップの結果はどのように影響したのであろうか。
■1部勢に3連勝したストラスブール
まず1月8日にリヨンとストラスブールが対戦した。ストラスブールは年が明けて最初の試合である。リーグ戦は前半戦を終えて7位とまずまずの位置であり、リーグカップでもベスト16決定戦でリール、ベスト8決定戦でマルセイユと力のあるチームを連破している。その勢いはアウエーのリヨン戦でも止まらなかった。ストラスブールは前半にPKで先制する。リヨンも前半のアディショナルタイムにPKを獲得するがナビル・フェキルが失敗する。後半の序盤にリヨンは追いついたが、その直後に決勝点を奪われ、ストラスブールが2-1と勝利して準決勝一番乗りを決めた。
■PK戦を制したモナコ、3日前のリベンジを果たしたボルドー
翌日の1月9日は歴史的な一日になった。この日は18時45分からモナコがレンヌを迎えた。下位低迷するモナコはティエリー・アンリ監督になっても状況は変わらず、移籍市場の主役となって有力選手の獲得の噂が絶えない。試合は前半にレンヌが先制するが、後半にはいってロニー・ロペスが同点ゴールを決めて、90分間が終了、PK戦となる。PK戦は両チーム譲らず、5人目が終わった段階で3対3、サドンデス方式の6人目以降も差がつかず、10人目の終わったところで7対7となり、11番目のキッカーは両チームともGKとなった。モナコのロイック・バディアシルは成功したが、レンヌのトマ・クーベは失敗、モナコは苦戦しながら、フランスカップに続いてリーグカップでも勝ち進んだ。
ボルドーとルアーブルは3日前のフランスカップと同じ顔合わせ、同じ会場となった。フランスカップではルアーブルが1-0で勝利したが、ボルドーは今度は終盤にサミュエル・カルーが決勝点を奪い、1-0と勝利し、リベンジを果たしたのである。
■逆転負けのパリサンジェルマン、国内カップ戦では5年ぶりの黒星
そして同時刻にパリサンジェルマンはギャンガンをパルク・デ・プランスに迎えた。ベスト8決定戦は2部のオルレアン、そして今度は1部最下位が相手とリーグカップでは恵まれたドローになったパリサンジェルマン、4万7000人を超える大観衆の中でキックオフを迎える。ギャンガンは最終ラインに6人を並べ、明らかに引き分け狙いで、PK戦に持ち込む戦略である。パリサンジェルマンは守備を固めたギャンガンをなかなか崩せなかったが、63分に右サイドのトマ・ムニエがクロスをあげ、ネイマールがヘディングで決めて先制点をあげる。これで勝利を確信したが、81分にファン・ベルナトがペナルティエリア内でファウル、PKを決められて追いつかれる。さらにアディショナルタイムの93分、今季新加入のティロ・ケーラーがペナルティエリア内でファウル、このPKも決められ、ギャンガンが2-1と逆転勝利をあげる。
パリサンジェルマンは2014年1月のフランスカップのベスト16決定戦以来5年ぶりに国内カップ戦で敗れたのである。(続く)