第2605回 今季が最後となるリーグカップ(2) 2部5チーム、ナショナルリーグ1チームが2回戦勝利

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■1部、2部チームに加え、ナショナルリーグから5チームが参加

 前回の本連載では四半世紀の歴史を重ねたリーグカップが今季限りで廃止となることを紹介したが、今季のリーグカップはこの廃止の決定前に開幕している。
 今季のリーグカップの出場チームは1部20チーム、2部20チームに加え、ナショナルリーグから5チームの合計45チームである。ナショナルリーグから参戦しているのは昨季まで2部に所属し、今季ナショナルリーグに陥落したGFCアジャクシオ(昨季18位)、ベジエ(19位)、レッドスター(20位)、一昨年まで2部リーグに所属し、現在もナショナルリーグにいるクビリーとブール・アン・ブレス(一昨年2部から陥落したもう1チームのツールはナショナル2部リーグに陥落)である。このようなチームは3部に相当するナショナルリーグにいてもプロのクラブとしてのステータスを保有し捲土重来を期している。その最初のデモンストレーションの場が真夏に始まるリーグカップである。

■2部以下の25チームで争われる1回戦と2回戦

 1回戦と2回戦は2部以下の25チームで8月に争われ、6チームに絞られたチームが欧州カップに出場しない1部勢14チームと3回戦を争うことになる。25チームを6チームに絞るためには予備戦が必要である。7月の末、すなわちリーグ戦が始まる前に予備戦が行われ、昨年もナショナルリーグに所属していたクビリーとブール・アン・ブレスが戦う。この試合は荒れた試合となり、ブール・アン・ブレスは退場者2人、クビリーは退場者1人を出したが、結局、両チームから退場者が出る前に得点を奪ったブール・アン・ブレスが勝利した。
 1回戦は8月13日に行われた。1部から陥落してきたカーンとギャンガン、そしてディジョンとのプレーオフで敗れ1部昇格を阻止されたRCランス(Lens)、1部昇格が期待されるロリアンなどの戦いぶりが注目である。カーンとロリアンはいずれもホームゲーム、平日の夜でありながら7000人以上の観衆を集め、ファンの地元での注目の高さを感じさせた。ところがカーンはナントに0-1、ロリアンもルマンに1-2と敗れてしまい、ファンの期待を裏切る。ギャンガンはオルレアン相手にオウンゴールでリードされて以降も失点を重ね、1-4と敗れてしまう。RCランスはアウエーでトロワに逆転勝利する。
 ナショナルリーグ勢はGFCアジャクシオがシャンベリーに2-0と勝利したが、ベジエはオセールにPK戦で敗れる。ブール・アン・ブレスはレッドスターとのナショナルリーグ勢同士の対戦となり、PK戦を制した。

■ナショナルリーグ勢同士の2回戦を制したブール・アン・ブレス

 1回戦で勝ち残った12チームが8月27日に2回戦を戦う。注目の一戦となったのがナショナルリーグ勢同士の対戦となったブール・アン・ブレス-ベジエ戦である。ブール・アン・ブレスが前半に先制、ベジエは後半のアディショナルタイムに同点に追いつき、PK戦となったが、ブール・アン・ブレスがPK戦を制す。ブール・アン・ブレスは予備戦から3試合続けてナショナルリーグ勢を倒し、ベスト16入りした。

■1万人以上の地元ファンの前でPK戦で勝利したRCランス

 また、平日の夜間の試合であるにもかかわらず、1万人以上の観衆を集めたのがRCランス-クレルモン戦である。ワールドカップも行われたフェリックス・ボラール競技場のキャパ指定も大きいが、ファンにとっては昨季あと一歩で1部に昇格できなかった悔しさが残っているのであろう。今季は5試合終えたところで11と中位であり、順位を上げるきっかけをつかみたい。RCランスはリーグ3位のクレルモンにリードを許しながらも2回追いつき、2-2のままでPK戦となり、これを制する。
 ナンシーがACアジャクシオを1-0で下したが、残りの3試合はいずれもPK戦での決着となった。ナショナルリーグのGFCアジャクシオは89分にパリFCに追いついたが、PK戦で敗れ、パリFCがベスト16入り。ニオールとグルノーブルは両チーム無得点のまま、PK戦でニオールの勝利。ルマンはオルレアンと対戦し、2点をリードされていたが、残り5分で2点をあげて追いつきPK戦でも10人目までもつれ込んで競り勝つ。
 2部5チーム、ナショナルリーグ1チームが1部勢へと挑戦する組み合わせ抽選の前日の9月18日、このタイトルの今季限りでの廃止が決まったのである。(続く)

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