第2608回 今季が最後となるリーグカップ(5) レンヌ敗退、サンテチエンヌとストラスブールは八強入り

 9年前の東日本大震災、4年前の平成28年熊本地震、昨年の台風15号、18号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、すべての日本の皆様に激励の意を表します。

■12月に入って快進撃の続くレンヌ、アミアンに敗れる

 前回の本連載は12月下旬に行われたリーグカップのベスト8決定戦で、チャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマン、リヨン、リールのいずれもが3点差で勝利してベスト8に進出したことを紹介した。今回はそれ以外のチームについて紹介したい。
 ヨーロッパリーグでは出場したフランス勢のレンヌ、サンテチエンヌ、ストラスブールのいずれもが低調な成績に終わり、今季は国内のトーナメントしか残っていない。
 ヨーロッパリーグのグループリーグでは最下位を独走し、第4節で敗退が決定したレンヌは12月に入ってチームの勢いが一転した。12月1日にリーグ戦でサンテチエンヌに勝利し、その後もメッス、アンジェ、リヨンに勝利している。ヨーロッパリーグでも最終節で3位が決定しているラツィオ(イタリア)との対戦は消化試合とは言え、2-0と下している。国内外で5連勝と勢いに乗り、リーグ順位を4位まで上昇させたレンヌは昨季のヨーロッパリーグの快進撃を想起させる快進撃である。
 このレンヌがベスト8決定戦で対戦するのはアミアンである。アミアンはリーグ17位とはいえ、レンヌに対してジャイアントキリングを見せたいところである。レンヌは負傷者が多数いるが若手選手でまかなっている。この試合も先制点はレンヌ、27分にPKを決める。しかし、アミアンは前半のうちに2-1と逆転する。レンヌは後半の73分に追いつくが、アミアンは終了間際にレンヌのゴールを波状攻撃、ついにアディショナルタイムにアミアンはトマ・モンコンデュイが決勝点を奪い、レンヌはリーグカップ初戦で姿を消した。

■大敗ショックから立ち直ったサンテチエンヌ

 サンテチエンヌはヨーロッパリーグ敗退だけではなく、直前のリーグ戦ではパリサンジェルマンに0-4と大敗している。クロード・ピュエル監督は若手選手をリーグカップの初戦、ニーム戦に臨む。ニームはリーグ戦では11試合連続で勝利がなく、順位も19位と低迷している。このニームに対し、サンテチエンヌは若手選手が活躍、18歳のビラル・バンケダンが先制点、19歳のアンジャル・コレイラが追加点をあげ、2-1とベスト8に進出する。

■バングルー・カマラの活躍が光るストラスブール

 プレーオフで敗退し、グループリーグに出場しなかったストラスブールは久しぶりのリーグ戦以外の試合となり、ナントとアウエーで対戦する。国内のタイトルでは3月30日のリーグカップ決勝以来である。ストラスブールにタイトルとヨーロッパリーグ出場権をもたらしたこの試合ではGKのバングルー・カマラがヒーローとなった。そして、このナント戦でもカマラが大活躍をし、襲いかかるナントのシュートを次々と防ぐ。このカマラの活躍になんとか応えようと、試合も終盤の78分、ストラスブールはこの試合唯一といっていいチャンスをダコスタが決めて、1-0で勝利した。
 この結果、ベスト8決定戦が初戦となった欧州カップ組6チームのうち、レンヌを除く5チームが準々決勝に進出した。

■スタッド・ド・ランス、ブレストも八強入り

 それ以外の2試合であるが、スタッド・ド・ランスがモンペリエと対戦する。モンペリエは今季ほとんどの時間に出場しているアンディ・デュロールとガエタン・ラボルドの2トップが頼みの綱である。一方、スタッド・ド・ランスは総失点が1部の中で最小であり、守りが強みである。試合は攻めるモンペリエ、守るスタッド・ド・ランスという構図になったが、スタッド・ド・ランスが試合終盤にPKを決めて、実に2007年以来13年ぶりの準々決勝進出となった。
 負傷者を多く抱え、リーグ順位も15位と低迷しているブレストは同じ大西洋岸のボルドーを迎える。ブレストは若いメンバー中心でボルドーを迎える。前半は両チーム無得点であったが、後半に入り、ブレストは50分にサミュエル・グランディール、63分にガエタン・シャルボニエがゴールをあげ、2-0で勝利した。
 1月初めに行われる準々決勝はパリサンジェルマン-サンテチエンヌ、リール-アミアン、リヨン-ブレスト、スタッド・ド・ランス-ストラスブールというカードになった。(この項、終わり)

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