第2607回 今季が最後となるリーグカップ(4) 大勝発進したチャンピオンズリーグ組

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■欧州組が圧倒的に好成績を残す現行の大会方式

 リーグカップはベスト8決定戦までを年内に消化するが、ベスト8決定戦からようやく欧州カップに出場していたチームが参戦する。チャンピオンズリーグあるいはヨーロッパリーグで6試合のグループリーグにプレーオフや予備戦も加わるケースもあり、有力チームの過密日程を防ぐために2009年の大会から採用されている。この方式になってからマルセイユが3連覇し、サンテチエンヌが優勝した後はパリサンジェルマンが5連覇、そしてようやく昨年はストラスブールが優勝した。この10年間で欧州カップに出場していないチームが優勝したのは2013年のサンテチエンヌと2019年のストラスブールだけである。欧州カップに出場できない下位チームからは不満の声も聞こえる。
 ベスト8決定戦にはチャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマン(首位通過)、リヨン(2位通過)、リール(グループリーグ敗退)、ヨーロッパリーグに出場したサンテチエンヌ(グループリーグ敗退)、レンヌ(グループリーグ敗退)、ストラスブール(プレーオフ敗退)が参戦する。
 チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグの最終節の行われた翌週の火曜日と水曜日に試合が行われた。

■唯一2部勢で残ったルマンを大差で退けたパリサンジェルマン

 ファンの注目はグループリーグで好成績を収めたパリサンジェルマンとリヨンを倒すチームがあるかどうかである。ナントパリサンジェルマンの相手は唯一2部リーグから勝ち残ったルマンとなった。ルマンはベスト16決定戦では1部のニースに勝利したがリーグ戦の順位は18位と下から3番目である。ただ、ジャイアントキリングを見ようとルマンの本拠地MMアリーナは2万5000人のファンであふれる。パリサンジェルマンはエディンソン・カバーニ、プレスネル・キンペンベなどが負傷して出場できないものの、トマス・トゥヘル監督は今季全てのタイトルを獲得すると宣言、経験のない選手を起用することなどなく、レギュラークラスの選手で固めてこの1戦に臨む。
 試合は序盤こそルマンがよく守ったものの、21分にパリサンジェルマンはパブロ・サラビアが先制点をあげ、40分にエリック・シュポ・モタンが追加点、さらに41分にはキリアン・ムバッペがゴールを決め、前半を3-0で折り返す。後半に入っても立ち上がりの47分にアンヘル・ディマリアが4点差となるゴールを決めて試合を決める。タイスリルマンはその後1点を返すにとどまり、パリサンジェルマンは4-1と大勝して9回目の優勝へ第一歩を踏み出した。

■負傷者を抱えたリヨンもトゥールーズに大勝

 前週にチャンピオンズリーグの最終節で劇的な決勝トーナメント進出を決めたリヨンは直前のリーグ戦ではレンヌに0-1と敗れたばかりかメンフィス・デパイとジェフ・レーヌ・アデレードの2人が負傷してしまう。また直後のリーグ戦はアウエーゲームということもあり、リーグ戦とは大幅にメンバーを入れ替えてリーグカップの初戦に臨む。リヨンはホームにトゥールーズを迎える。トゥールーズは現在最下位、7連敗中である。トゥールーズはリヨンの敵ではなかった。リヨンは2分位ベルトラン・トラオレが先制点を決めると、17分にもジャン・ルカが追加点を入れる。後半に入ってトゥールーズも1点を返したが、その後リヨンは2点を追加して突き放し、パリサンジェルマン同様4-1というスコアで初戦を突破した。

■チャンピオンズリーグで不振のリールもモナコを一蹴

 そしてチャンピオンズリーグでは全く振るわなかったリールはアウエーでモナコと対戦した。モナコは現在9位、何とかリーグ戦の順位をあげようと、リーグカップの試合はメンバーを大きく入れ替えてきた。そのモナコに対し、リールは19分にビクター・オシメーンが先制点をあげ、前半のアディショナルタイムに追加点、後半にも1点をあげて3-0と勝利する。先制点をあげたオシメーンが前半のうちに負傷退場したが、オシメーンが残っていたらさらに得点差は開いたかもしれない。
 このようにチャンピオンズリーグに出場した3チームはいずれも3点差で初戦を飾ったのである。(続く)

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