第469回 再起をかけたコートジボワール戦(2) リベンジを期すアンリ・ミッシェル

■ワールドカップ予選で好調なコートジボワール

 8月の親善試合は恒例となったが、今年の相手はコートジボワールである。本連載でも紹介したとおり、当初この親善試合は南米の強豪アルゼンチンを招く予定であったが、アルゼンチンでも試合を行うというホームアンドアウエー方式を検討したため、アルゼンチンでの試合日程が組めず断念、代替案として一昨年のワールドカップの開幕戦で苦汁を飲んだセネガルが候補に挙がったがこれも断念、結局、初顔合わせとなるコートジボワールとの対戦となった。
  コートジボワールは世界ランキング44位、アフリカの中でも6番目であり、世界ランキング2位のアルゼンチンとはずいぶん差があるように思えるが、油断ならない相手である。まずは、現在進行中のワールドカップのアフリカ地区予選ではグループ3に入り、世界ランキングでコートジボワールよりも上位のカメルーン(28位)、エジプト(26位)を押さえて現在グループ首位である。現在6勝1分1敗の勝ち点19、9月4日に勝ち点17で追う2位カメルーンをホームに迎えるが、この試合で勝てば、ワールドカップ出場を手中にすることができる。

■フランスリーグに多数の人材を輩出するコートジボワール

 コートジボワールというと日本のファンの皆様はかつて浦和レッドダイヤモンズに所属したバジル・ボリを思い出されるであろう。ボリ兄弟はコートジボワールの出身であったがフランス国籍であった。しかし、現在はコートジボワール国籍で優れた選手が多く存在している。例えば、第466回の連載でパリサンジェルマンに所属するボナバンチュール・カルーについて紹介したが、コートジボワール代表の多くがフランスリーグで活躍している。ランスのアルーナ・ダンダンについては第463回と第465回の連載で紹介し、「危険な男」という称号を早くも得ている。さらにナントのジル・ヤピヤポ、マルセイユのアブドゥレイ・メイテなども忘れてはならない存在であり、22人の選手のうち13人がフランスのクラブに所属している。さらにマルセイユからチェルシーへと移籍したディディエ・ドログバの例もあるように、イングランドのプレミアリーグで活躍する選手もいる。アーセナルにはコロ・ツーレが所属している。すなわち、フランスや欧州サッカーを支える人材の宝庫である。

■元フランス代表監督のアンリ・ミッシェル

 そして忘れてはならないのが、監督のアンリ・ミッシェルである。フランス代表の中盤の選手として活躍し、ロサンジェルスオリンピックの監督としてフランスを優勝に導き、金メダルを手土産にフル代表の監督に就任、就任後最初のタイトルマッチとなる1986年ワールドカップでは、それまで最高の成績となる3位に導いた。しかしながら、1988年欧州選手権予選で敗退、1990年ワールドカップ予選では初戦のホームのノルウェー戦で勝利し、第2戦のアウエーのキプロス戦で引き分けたところで更迭されている。
  フランス代表監督の歴史で、予選の途中の段階で解任されたのはミッシェル以来いない。それ以降、ミッシェルはフランス国内ではパリサンジェルマンの監督を1シーズン務めただけで、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、モロッコ、カメルーン、チュニジアで監督を務めてきた。これまでにモロッコ代表を率いてフランスと2回対戦しているが、1分1敗と勝ち星を上げることができず、3度目の正直でミッシェルにとっても17年前の更迭劇に対するリベンジの絶好の機会であろう。

■30年前の背番号10と2年前の背番号10の対決

 逆にコートジボワール代表監督に就任してからミッシェルはフランス国内では負けなしである。コートジボワールなどのアフリカ諸国は代表選手がフランス国内のクラブに所属するケースが多いことから、フランス国内で親善試合を行うことが多い。コートジボワールもちょうど1年前の8月18日にはアビニョンでセネガルと対戦し、セネガルを2-1と下している。また、今年になって2月にはルーアンでコンゴ民主共和国と対戦して2-2の引き分けである。
  今から30年前、背番号10といえばミッシェルであった。現在の背番号10はジダンであるが、ミッシェルが出身地のエクス・アン・プロバンスに近いモンペリエで自らを追い出したフランスにリベンジの勝利をあげることができるのであろうか。(続く)

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