第734回 グアドループ、ゴールドカップで大活躍(3) カリブカップ8強のうち3チームを占めたフランス勢

■別格のキャリアを誇るジョセリン・アングロマ

 これまでに1度もゴールドカップに出場したことがないグアドループはゴールドカップに出場するためにカリブカップからの挑戦となる。ゴールドカップに出場するための道のりは長い。この長丁場の戦いを勝ち抜くためにはキャリアのある選手が必要である。それがグアドループの場合、フランス代表として活躍したジョセリン・アングロマである。グアドループ代表には実績のある選手を望むことはできず、中にはイングランドの6部リーグ所属という選手もいる。その中でフランス代表出場37試合というアングロ マは別格のキャリアの持ち主である。

■地元開催の1次リーグでマルティニックを倒し首位突破

 カリブカップは6つのリーグに分かれた1次リーグから始まった。昨年の9月から10月にかけて行われ、グアドループはグループFになり、同じフランス領のマルティニック、フランス領とオランダ領からなるサンマルタン、そして英国から独立したドミニカと戦うことになった。セントラル方式のリーグ戦で行われ、グアドループは地元で3チームを迎えることになった。まず初戦でサンマルタンと戦い、試合終了直前にゴールをあげて1-0と下し、第2戦でもドミニカ相手に試合終了間際の得点で2勝目をあげた。一方、マルティニックもドミニカ、サンマルタンに連勝し、上位2チームが進出することのできる2次リーグへの切符をグアドループとマルティニックが手に入れた。第3戦はグアドループとマルティニックが直接対決し、ルネ・セルジュ・ナバジョット競技場には2500人の観衆が集まった。この試合でグアドループは4-0と勝利し、地元 ファンを喜ばせたのである。

■アングロマのゴールで火が付いた2次リーグは2位で突破

 そして1次リーグの上位2チームが進出した2次リーグは4チームずつ3つのグループに分かれて11月に行われた。各リーグの上位2チーム、そして3位チームの中で最も成績のよいチーム、さらに昨年のワールドカップに出場したトリニダード・トバゴの8チーム が4チームずつに分かれた3次リーグに進み、その上位2チームずつが準決勝に進み、勝 者は決勝戦、敗者は3位決定戦にまわる。
 2次リーグもまたセントラル方式で行われ、グアドループは南米大陸のガイアナに渡る。グアドループはドミニカ共和国、ガイアナ、アンチグア・バーブーダと3次リーグを目指す。グアドループはまずスペインから独立したドミニカ共和国と対戦する。この試合、両チームなかなかゴールをあげることができなかったが、85分にアングロマがゴールネットを揺らすと、グアドループは波に乗り、88分、90分と追加点を上げて3-0と完勝する。しかし第2戦では地元のガイアナに常に先手を許す苦しい展開となり、2-3とこの大会初めての黒星を喫してしまう。第3戦を迎える段階でガイアナが2勝、グアドループはドミニカと並び1勝1敗で追う。最終戦でグアドループはアンチグア・バーブーダを下し、ドミニカはガイアナに敗れ、グアドループは2位になり3次リーグへと進出し たのである。

■マルティニック、ハイチとともに最後の関門に挑戦

 いよいよカリブカップへの最後の関門となる3次リーグならびに準決勝、決勝は昨年のワールドカップで活躍したトリニダード・トバゴで開催される。この3次リーグに進出したのはフランス関係では海外県のグアドループとマルティニック、そしてフランスから独立した国ではハイチと半分近くがフランス語圏である。英国から独立したのはトリニダード・トバゴ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、ガイアナ、バルバドスの4か国、そしてスペインから独立したキューバである。中南米というとスペインを宗主国とする国が多いように思われるが、不思議なことに英国、フランスの旧植民地 が大多数を占めたのである。(続く)

このページのTOPへ