第1138回 どん底からの再出発、ノルウェー戦(1) ワールドカップメンバーの23人を招集せず

■ローラン・ブラン新監督の初戦はノルウェー戦

 8月になるといよいよ新たなサッカーシーズンが開幕する。すでにリーグカップは7月から始まり、リーグ戦は8月最初の週末に開幕しているが、今年の注目は何と言っても代表チームの再出発であろう。ワールドカップでの惨敗はここで改めて紹介する必要もないが、ワールドカップ前の段階でレイモン・ドメネク監督の退任が決まり、後任にローラン・ブランが就任することが決まっていた。ワールドカップが始まる前にこのようなことが決定されていたこともチームの内紛の一因であることは間違いないであろう。
 そしてニコラ・アネルカの暴言とアネルカに対する追放に始まったチームの内紛は、練習のボイコット、主力選手の最終戦欠場になり、グループリーグ最下位で南アフリカの地を後にすることになった。ドメネク監督を擁護するフランス協会、選手たちを擁護する世論の対立の中でブラン新監督が就任したが、その初戦は8月11日にオスロで行われるノルウェーとの親善試合である。

■南アフリカに行った23人はメンバーから外れる

 各国ともワールドカップという大イベントが終わり、現体制の強化をするチームもあれば、新体制で2年後、4年後に向けて捲土重来を期すチームもある。フランスは後者である。その新チームの第1戦を前に監督、協会側はノルウェー戦には今回のワールドカップで練習をボイコットしたメンバーを外すということを発表した。これは問題の発端となったアネルカや、練習ボイコットのリーダー格となった主将のパトリス・エブラだけではなく、メンバーに入った23人の選手全員を今回のノルウェー戦に招集しないということであり、驚きの内容である。9月初めには欧州選手権予選が開幕し、3日にベラルーシ、7日にボスニア・ヘルツェゴビナと対戦することが決まっており、その準備としても重要な意味がある。注目のメンバー22人が8月5日に発表された。

■GKは2人とも代表出場歴ゼロ

 ワールドカップのメンバーを外すとなると、相当経験のない選手を選出せざるを得ない。例えば、GKは実際に南アフリカで試合に出場していたのはウーゴ・ロリス1人であるが、第2GKのスティーブ・マンダンダ、第3GKのセドリック・カラッソもメンバーから外れる。代表OBであるグレゴリー・クーペやミカエル・ランドローもまだクラブでは現役であるが、彼らが呼ばれることはなく、実質的にフランス代表に招集されたこともないナンバー4以降の選手が選出されることになる。
 GKはニコラ・デューシェ(レンヌ)とステファン・ルフィエ(モナコ)の2人である。デューシェはこの22人のうち唯一の30代の選手である。デューシェは昨年の10月にロリスが退場処分となり出場停止となった際にフランス代表に招集されているが、試合に出場することはなかった。またルフィエは23歳の若手の選手である。今回のワールドカップではカラッソが南アフリカで負傷した際のバックアップメンバーに入っている。やはり経験不足は否めないであろう。

■前監督との確執のあったフィリップ・メクセスは復帰

 一般的にはGKのように代表歴のない選手にチャンスが与えられるが、ドメネク前監督との確執によってフランス代表から外されていたメンバーにとってもチャンスとなる。例えば、フィリップ・メクセスが該当する。ストッパーのメクセスが最後にフランス代表の試合に出場したのは昨年6月のトルコとの親善試合である。メクセスはドメネク前監督とは犬猿の中で、ワールドカップ予選の試合には1試合しか起用されなかった。もしメクセスが試合に出場していたならばウィリアム・ギャラスとストッパーを組んでおり、予選でこれほど苦労することはなく、本大会でもメキシコ戦、南アフリカ戦での失点のようなシーンはなかったであろう。ブラン監督自身、現役時代のポジションはストッパーであり、予選、本大会を通じで守備が安定しなかったことを苦々しく思っているであろう。メクセスは守備陣の中心としてメンバー入りしたのである。(続く)

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