第1353回 地殻変動、アフリカ選手権(4) 決勝トーナメント進出の半数はフランス語圏

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■過去3大会の成績でシード分け

 有力国の数々が予選で姿を消しながらも、アフリカ選手権は1月21日に開幕した。今大会のシードは2006年大会以来の過去3大会の成績で決められ、第1シードは開催国の開催国の赤道ギニア、ガボンに加え、ガーナとコートジボワールが入った。第2シードにはアンゴラ、チュニジア、ザンビア、ギニア、第3シードはマリ、セネガル、モロッコ、ブルキナファソ、第4シードはスーダン、リビア、ボツワナ、ニジェールというシード分けとなった。

■開催国で初出場の赤道ギニア、堂々の決勝トーナメント進出

 開幕戦は開催国の赤道ギニアがリビアと対戦、終了間際の決勝点で初出場の赤道ギニアは初戦で勝利をあげた。赤道ギニアは第2戦でも強豪セネガル相手にリードし、後半の90分に追いつかれたものの、ロスタイムの94分に決勝点をあげて、連勝し、決勝トーナメント進出を決めた。グループAは3連勝したザンビアが首位、赤道ギニアは最終戦でザンビアに敗れたものの、堂々の決勝トーナメント進出となった。
 グループBも赤道ギニアで行われ、コートジボワールが予選3試合を無失点で3連勝、第1シードの力を示す。コートジボワールに次いで2位となったのはスーダンである。スーダンは1勝1分1敗でアンゴラと並び、アンゴラとの対戦は引き分けだったため、総得失点差の争いとなり、スーダンが1点上回り、決勝トーナメントに進出した。2大会連続出場のブルキナファソは3連敗で早々と大会を去った。

■ザグレブダービーはチュニジアに軍配

 ガボンではグループCとDが行われた。ガボンにおける開幕戦はグループCの開催国のガボンが出場し、初出場のニジェールと対戦する。ガボンはニジェールに2-0と快勝し、満員のファンを歓喜させる。第2試合はチュニジアとモロッコというライバル対決、チュニジアが2点先行し、モロッコの反撃を1点におさえ、マグレブ対決を制する。結局この勝利がチュニジアを決勝トーナメントに導く。グループCはガボンが3連勝し、開催国として地元ファンの期待に応える成績で1996年大会以来2回目の決勝トーナメント進出を果たす。2位はチュニジア、3位はモロッコ、そして初出場のニジェールは3戦全敗で苦い経験となった。

■ガーナとマリが勝ち抜いたグループD

 グループDは一番遅く始まり、その名もフランスビルという都市で行われた。開催都市の名前通り第1戦はフランスのクラブに所属する選手が活躍した。第1試合では前回の本連載で紹介したジョン・メンサーが決勝点をあげ、ガーナが初出場のボツワナを下す。第2試合ではナンシーに所属するバカイエ・トラオレのゴールでマリがギニアを下した。第1戦を白星で飾った両チームは第2戦で対戦する。かつてレンヌに所属し、現在はアラブ首長国連邦のアルアインに所属するアサモア・ギャンとマルセイユに所属するアンドレ・アイェウの得点でガーナが2勝目をあげる。ギニアもボツワナに勝利したため、決勝トーナメント進出の行方は最終戦までもつれ込んだ。
 引き分け以上ならば決勝トーナメントに進むことができるガーナはギニアと対戦し、前半中盤に先制点、前半のロスタイムにギニアが同点に追いつく。同時刻にキックオフされたマリ-ボツワナ戦は前半は両チーム無得点で折り返す。このまま残り45分が過ぎれば、マリとギニアが勝ち点4で並ぶが、直接対決の結果でマリが2位に滑り込む。しかし、マリは、後半の55分にすでにグループリーグ敗退が決まった初出場のボツワナに先制点を許し、ボツワナは3試合目にして初めてリードを奪う。マリはオセール育ちのギャラ・ダンベレが同点ゴール、そして逆転ゴールを決めたのはマルセイユ育ちのセイドゥ・ケイタである。マリは勝利してガーナとともに決勝トーナメントに進出した。
 決勝トーナメントにはザンビア、赤道ギニア、コートジボワール、スーダン、ガボン、チュニジア、ガーナ、マリが進み、ちょうど半数がフランスから独立した国である。(この項、終わり)

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