第1365回 世界ランキング2位のドイツに勝利(1) 初招集されたモルガン・アマルフィターノ

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■代表チームとして今年初の国際試合となるドイツ戦

 本連載で紹介してきたように、年が明けてからは国内リーグに加え、フランスカップ、リーグカップという国内タイトルの試合が中心であったが、2月にはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが始まり、いよいよ国際試合も再開する季節となった。
 フランス代表は2月29日のインターナショナルマッチデーにドイツと対戦し、欧州選手権イヤーの最初の試合を戦うことになる。
 2010年のワールドカップで惨敗して以来、チームを立て直したローラン・ブラン監督はこれまでにブラジル、イングランドという強豪相手に勝利をあげているが、今回のドイツは世界ランキング2位であり、ブラン監督にとっては最も手ごわい相手との戦いをアウエーで行うことになる。
 6月8日に開幕する欧州選手権までにフランス代表チームとしての活動時間は限られており、次の代表の試合は5月の下旬まで予定されていない。したがって、このドイツ戦の持つ意味は大きいといえるであろう。

■ドイツ戦に臨む23人のメンバー

 ブラン監督は23人のメンバーをこのドイツ戦に向けて発表した。GKはウーゴ・ロリス、スティーブ・マンダンダ、セドリック・カラッソの3人、DFはエリック・アビダル、アントニー・レベイエール、アディル・ラミ、マチュー・ドビュッシー、ママドゥ・サコ、パトリス・エブラ、フィリップ・メクセスの7人、MFはアルー・ディアラ、ヤン・エムビラ、サミール・ナスリ、フローラン・マルーダ、ヨアン・カバイエ、マルバン・マルタン、モルガン・アマルフィターノの7人、FWはジェレミー・メネス、ケビン・ガメイロ、オリビエ・ジルー、フランク・リベリー、ルイ・サア、マチュー・バルブエナの6人である。 11月の米国・ベルギーとの連戦時のメンバーと比べると、ローラン・コシールニー、ジェレミー・マチュー、カリム・ベンゼマ、ロイック・レミー、マキシム・ゴネロンが外れ、エブラ、メクセス、アマルフィターノ、サア、バルブエナ、ナスリが加わった。
 6人の新加入のメンバーのうち、アマルフィターノは代表初選出で、それ以外の5人は復帰組である。

■久しぶりの代表復帰となるルイ・サアとフィリップ・メクセス

 復帰組にも2通りあり、エブラ、バルブエナ、ナスリは負傷などで一時的に11月の連戦のメンバーから離れたパターンである。特にナスリは連戦の1週間前に発表されたメンバーには入っていたが、その後負傷により代表から離脱した。
 一方、33歳のサアは2010年9月以来、メクセスは昨年3月以来の代表入りであり、久々の代表復帰というパターンである。これらのケースは、昨年10月のアルバニアとボスニア・ヘルツェゴビナとの連戦時に2010年6月の南アフリカでのワールドカップ以来1年4か月ぶりにカムバックしたジブリル・シセと同じパターンであり、ブラン監督がいまだに人選に悩んでいることがよくわかる。

■初選出となったマルセイユのモルガン・アマルフィターノ

 26歳で代表初招集となった攻撃的MFのアマルフィターノは、マルセイユの国内カップ戦での活躍を取り上げた前回の本連載にも登場した。昨季まではロリアンに所属しており、ロリアン在籍中の3年間は、ほぼすべての試合に出場していた。今季マルセイユに移籍し、リーグ戦だけではなく国内外のカップ戦にもその出場機会を広げることができた。そしてこれらカップ戦での勝負強さが代表入りの1つの理由であろう。また、今季は国内リーグではわずか1得点であるが、このゴールは昨年11月27日のパリサンジェルマン戦であり、大観衆の中でのゴールもフランス代表スタッフの関心を引いたのであろう。
 攻撃的MFというポジションにはリベリー、ナスリ、マルーダのほか、今回はバルブエナも復帰し、激戦区である。その中で新たなメンバーを呼ぶことはそれだけブラン監督がタレントを要求していることの表れであろう。(続く)

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