第1510回 ドイツに27年ぶりに敗れる(1) 2人の新人、ラファエル・バランとロマン・アレッサンドリーニ

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ワールドカップ予選首位突破を目指すフランス

 アフリカの大地でアフリカ選手権が行われているが、今年最初のインターナショナルマッチデーが訪れた。かつては2月のインターナショナルマッチデーは月末に設定されていたが、月初めになり、アフリカ選手権の期間中になったことにより欧州のサッカーシーンへの影響が少なくなったと言えるであろう。このインターナショナルマッチデーには多数の親善試合が行われ、フランスはスタッド・ド・フランスにドイツを迎えることになった。
 強豪国ドイツと親善試合を行うに当たり、昨年新チームとなった代表チームに、ディディエ・デシャン監督がどれだけの新戦力を加えるかが注目の的である。来年ブラジルで行われるワールドアップ予選ではまだ3試合しか戦っていないが、フィンランドとベラルーシに連勝し、スペインとはアウエーで引き分けの2勝1分である。プレーオフなしでの本大会出場となる首位を狙うフランスとしては、強豪相手に親善試合を重ね、スペイン以外のチームには白星を重ね、ホームのスペイン戦で勝利したいところである。

■今年初めての試合に臨む23人

 1月31日にデシャン監督は23人のリストを発表した。GKはウーゴ・ロリス、スティーブ・マンダンダ、ミカエル・ランドローの3人、DFはマチュー・ドビュッシー、ガエル・クリシー、パトリス・エブラ、ローラン・コシエルニー、アディル・ラミ、バカリ・サーニャ、ママドゥ・サコ、ラファエル・バランの8人、MFはヨアン・カバイエ、エチエンヌ・カプー、マキシム・ゴナロン、ブレーズ・マツイディ、マチュー・バルブエナ、ムーサ・シソッコ、ロマン・アレッサンドリーニの7人、FWはカリム・ベンゼマ、ジェレミー・メネス、オリビエ・ジルー、バフェタンビ・ゴミス、フランク・リベリーの5人である。
 これまでに代表の試合に出場したことがないのは2人、バランとアレッサンドリーニである。
 新監督就任後のフランス代表は8月に親善試合ウルグアイ戦の後、ワールドカップ予選を2試合戦い、10月には日本と親善試合を行ったが、このときは日本戦の4日後にワールドカップ予選のスペイン戦を戦っている。したがってチームが始動してから最初の親善試合は11月のイタリア戦であったが、このときはクリシーの負傷により追加招集されたブノワ・トレムリナスが試合の終了直後に交代出場している。しかし、試合の1週間前の段階では新メンバーは誰もいなかった。今回は2人の新人をメンバーに入れた。

■レアル・マドリッドで活躍する19歳のラファエル・バラン

 バランはスペインのレアル・マドリッドに所属する19歳の選手である。191センチの長身のストッパーであり、8月のウルグアイ戦の際も招集されたが、試合出場の機会に恵まれなかった。昨年2部に降格することになったRCランスからレアル・マドリッドに移籍し、今季は2シーズン目となる。レアル・マドリッドでの最初のシーズンの出場は9試合にとどまったが、得点を記録し、レアル・マドリッドにおける外国人選手の最年少得点記録を作っている。2年目となる今季はリーグ戦の出場機会も増えたが、カップ戦、チャンピオンズリーグでは先発メンバーとして活躍しており、今回のドイツ戦のメンバー発表の前日にはスペイン国王杯のバルセロナ戦で貴重な同点ゴールをヘディングで決めている。

■1部デビュー半年で目覚ましい活躍のロマン・アレッサンドリーニ

 もう1人の新人のアレッサンドリーニは23歳であるが、今季2部のクレルモンから1部のレンヌに移籍してきた。これまでに1部の経験はなく、1部でプレーして半年で代表入りということになる。しかしこの半年間の活躍は目覚ましいものがあり、1部デビューから2試合目のバスティア戦で先制点、チームの初勝利を呼ぶ。そしてこれまでに9得点、4アシストと上位3強を追うレンヌの得点力を支えており、代表発表直前のマルセイユ戦でも終了間際に同点ゴールを決めている。  この2人の新人を加えた23人が今年最初の試合に挑むのである。(続く)

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