第1746回 欧州選手権目指しスタート(1) 予選免除の開催国も予選のグループに入って親善試合

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■9月初めから2年後の欧州選手権に向け代表チームも始動

 8月に入って各国のリーグ戦も再開、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグもプレーオフまで終了し、9月から始まるグループリーグの組み合わせも決定した。そして、9月の初めからは2年後に自国フランスで開催される欧州選手権予選が始まり、ブラジルで行われたワールドカップの決勝から約50日、各国の代表が始動する。

■マッチメイクがに必ずしも有利ではない開催国、グループIに入って親善試合

 2年後の欧州選手権は自国開催であり、フランスは自動的に本大会に出場できるが、今回の開催国の取り扱いはユニークである。これまでの欧州選手権、ワールドカップでは開催国は予選の組み分けから完全に除外されていた。
 この予選からの除外は、いわゆるインターナショナルマッチデーに開催国が自らのレベルにあった対戦相手と親善試合ができるというメリットもあったが、サッカーカレンダーの過密化によってインターナショナルマッチデー以外には代表同士の試合ができなくなることから、開催国は他の国が予選を戦っている日に逆に親善試合を組むことが難しい、という課題も生じた。
 この課題を解消するために、開催国のフランスも予選グループの中に入り、ホームアンドアウエー方式で戦うことになる。もちろん、相手チームにとってフランス戦は親善試合であり、この戦績は予選の成績には影響しない。
 今回の予選にエントリーした国は53か国である。これまで国際大会に出場しなかったジブラルタルが初めて登場する。53の国と地域を6チームずつの9グループに分け、1つだけ5チームとなったグループにフランスが入ることになる。また、テレビ放映権の関係で、ビッグマネーが動くイングランド、ドイツ、スペイン、イタリア、オランダは6か国のグループに入ることになった。実質的にはフランスのテレビ放映権も巨額の金額が動くわけであり、これら5チームの入ったグループと、フランスの入ったグループをあわせた6グループは多くの視聴者が期待できる。
 予選の抽選は2月にニースで行われ、フランスが来年の秋まで戦うグループIは第1シードはポルトガル、第2シードはデンマーク、第3シードはセルビア、第4シードはアルメニア、第5シードはアルバニアである。フランスは来年の秋までこれらのチームとホームアンドアウエー方式の親善試合を行うことになる。そして、もちろん日程の関係でこれらの国以外との親善試合も可能である。

■グループ内の親善試合のない9月4日にスペインと対戦

 9月初めのインターナショナルマッチデーは9月4日と7日であるが、フランスは9月7日にセルビアとベオグラードで親善試合を行うが、9月4日はグループIのチームとの親善試合は行われない。この9月4日にフランスは試合のないグループBの最強チームのスペインとスタッド・ド・フランスで親善試合を行う。
 この9月4日のスペイン戦が自国開催の欧州選手権に向けたフランスの第一歩であり、その3日後にベオグラードで行われるセルビア戦との連戦は2年後の欧州選手権でのフランスの活躍を占う2試合であると言っても過言ではないであろう。

■ディディエ・デシャン監督の選んだ23人

 8月28日、フランス代表監督として2回目の国際大会である欧州選手権に挑むディディエ・デシャン監督は23人の選手を発表した。
 GKはスティーブ・マンダンダ、ウーゴ・ロリス、ステファン・ルフィエ、DFはマチュー・ドビュッシー、ルカ・ディーニュ、パトリス・エブラ、ローラン・コシエルニー、エリアキム・マンガラ、バカリ・サーニャ、ママドゥ・サコー、ラファエル・バラン、MFはヨアン・カバイエ、ブレーズ・マツイディ、リオ・マブーバ、ポール・ポグバ、モルガン・シュナイデルラン、ムーサ・シソッコ、FWはカリム・ベンゼマ、レミ・カベラ、アントワン・グリエズマン、アレクサンドル・ラカゼット、ロイック・レミー、マチュー・バルブエナというメンバーである。(続く)

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