第1779回 アルバニア、スウェーデンと連戦 (5) スウェーデンに勝利、年間成績は10勝4分1敗

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■マルセイユのスティーブ・マンダンダをGKに起用

 レンヌでアルバニアと引き分けた翌日、マプ・ヤンガ・エムビアとモルガン・シュナイデルランがメディカルチェックを受けた結果、代表から離脱したが、ディディエ・デシャン監督は追加招集は行わず、21人でマルセイユでの試合を戦う。
 マルセイユでの試合ということもあり、デシャン監督はGKにウーゴ・ロリスではなく、マルセイユに所属するスティーブ・マンダンダを起用する。ロリスはアルバニア戦にフル出場し、代表通算65試合出場、そしてその中の41試合で主将を務めた。41試合で主将というのはデシャンの54試合、ミッシェル・プラティニの50試合、マルセル・デサイーの49試合、ロジェ・マルシュの42試合に次ぐ数字である。1950年代のフランスサッカーを支え、35歳9か月という代表最年長得点記録を持つ伝説のマルシュに並ぶかと思われたが、マンダンダにポジションを譲った。

■2戦連続出場はラファエル・バランとポール・ポグバ

 フィールドプレーヤーは4-2-3-1システムで、DFは右からバカリ・サーニャ、ラファエル・バラン、マンガラ、レイバン・クルザワ、MFは守備的な位置の右にジョシュア・ギラボギ、左にポール・ポグバ、攻撃的な位置は右にマチュー・バルブエナ、中央にディミトリ・ペイエ、左にアントワン・グリエズマン、そして1トップはアンドレ・ピエール・ジニャックという布陣である。4日前のレンヌでのアルバニア戦にも先発したのは、バランとポグバの2人だけである。さらに21歳のバランは主将を任されている。若い2人にデシャン監督がどれほどの期待と信頼を寄せるかがお分かりであろう。
 さらにマルセイユの選手をGKのマンダンダだけではなく、MFのペイエ、FWのジニャックと3人起用している。メンバー紹介の際には満員のベロドロームの観客から大きな拍手と歓声が上がった。

■若いメンバーも加わったスウェーデン

 一方のスウェーデンは、ズラタン・イブラヒモビッチ(パリサンジェルマン)とオラ・トイボネン(レンヌ)というフランスリーグで活躍する選手がフランスのファンにとってはおなじみであるが、イブラヒモビッチは代表に選出されたが、ベンチ入りせず、トイボネンはメンバーに選出されていない。
 その代わりにエリック・ハムレーン監督が選んだのが10月にプレーオフでフランスを下し、来年のU-21欧州選手権への出場権をつかんだ若いメンバーである。DFのフィリップ・ヘランダー、FWのアイザック・シエセ・テリン、ヨン・グイデッティが代表入りしている。本連載第1775回で紹介したプレーオフで、レイバン・クルザワの敬礼を受けた選手たちである。テランは先発メンバーとして1トップを務める。またスウェーデンの先発メンバーの中にはリヨン黄金時代を支えたキム・カールストロームの姿も見える。

■終盤のバランのヘディングが決勝点

 試合はフランスが支配するが、なかなか得点をあげることができない。フランスリーグで得点トップであり、ベロドロームのファンを何回も歓喜させたジニャックが不発、シュートが枠の中に飛ばない。しかしながらフランスは危なげない試合で、マンダンダが活躍するような場面も出てこないまま前半が終わる。
 後半立ち上がりにスウェーデンは次々に選手を変えるが、デシャン監督は動かない。そしてスコアも動かない。フランスも61分にムーサ・シソッコをペイエに変えたのを皮切りに次々と選手を入れ替えた。
 2試合連続のドローかと思われた83分、グリエズマンからのCKをファーポストに控えていたバランがヘディングでゴールネットを揺らす。均衡が破れた。その直後の86分、今度はスウェーデン選手のペナルティエリア内でのハンドでフランスはPKを得る。このPKのキッカーはベンゼマであったが、外してしまう。
 結局フランスは1-0というスコアで、本年最終戦を白星で飾り、年間成績は10勝4分1敗となったのである。(この項、終わり)

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