第1877回 女子も準々決勝でドイツに敗れる(4) メキシコに大勝、グループ首位で決勝トーナメントへ

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■コロンビアに敗れ3位に沈んだフランス

 世界ランキング28位とグループFの中では最も低い位置にあるコロンビアにまさかの敗戦となったフランス、続いて行われたグループFのイングランド-メキシコ戦はイングランドが2-1で勝利した。これによって最終節を迎える段階でのグループFの順位は首位コロンビア(1勝1分、勝ち点4)、2位イングランド(1勝1敗、勝ち点3、得失点差0)、3位フランス(1勝1敗、勝ち点3、得失点差-1)、4位メキシコ(1分1敗、勝ち点1)となった。第2戦で決勝トーナメント進出というシナリオが崩れただけではなく、一転して当落線上の3位に落ちてしまった。

■勝てば決勝トーナメント、なお首位通過の可能性を残すフランス

 グループリーグ最終戦は6月17日17時にフランス-メキシコ戦がオタワで、イングランド-コロンビア戦がモントリオールでキックオフされる。現在3位のフランスであるが、首位コロンビアとイングランドが対戦することから、メキシコ戦に勝てば少なくともいずれかのチームを抜き、決勝トーナメント進出となる。また、フランスが首位突破する可能性もまだ残されている。イングランド-コロンビア戦が引き分けに終わり、フランスがメキシコに勝利した場合が相当する。また、イングランドがコロンビアに勝利、フランスがメキシコに勝利した場合、イングランドとフランスは勝ち点で並び、首位と2位は得失点差等で決まることになる。(得失点差で並んだ場合は直接対決で勝利しているフランスが首位となる)
 いずれにせよ、最終戦のメキシコ戦での勝利がフランスには必要である。メキシコは世界ランキング21位、ランキングの上では恐れるに足らない相手かもしれないが、コロンビア戦で苦汁をなめたばかりである。

■リヨンとパリサンジェルマンの選手だけで臨んだメキシコ戦

 フィリップ・ベルジュロー監督がオタワのTDプレイス競技場に送り込んだ先発メンバーは全員がリヨンかパリサンジェルマンの選手となった。GKサラ・ブハディ、DFは右からジェシカ・ウアラ、ローラ・ジョルジュ、ウェンディ・ルナール、ロール・ブロー、MFは右からエロディ・トミ、カミーユ・アビリー、アマンディーヌ・アンリ、アメル・マジリ、2トップはマリー・ロール・デリーとユージェニ・ルソメである。ブハディ、ルナール、トミ、アビリー、アンリ、マジリ、ルソメの7人がリヨン、ウアラ、ジョルジュ、ブロー、デリーの4人がパリサンジェルマンの選手である。

■開始34秒のエロディ・トミのゴールで不安が消え去る

 フランスは今大会初めて白のセカンドジャージーで緑のジャージーのメキシコと対戦する。不安の中でのキックオフとなったが、その不安は34秒で消え去った。右サイドのトミからのクロスをゴール前でつないで最後はデリーがゴールネットを揺らす。開始34秒の先制点である。その後もフランスは波に乗った攻撃を繰り返し、予選時の輝きを取り戻す。9分にはアビリーのCKをデリーがヘディング、これをルナールと競り合ったメキシコの選手がオウンゴールとなり2点目。さらに13分には右サイドのトミからのクロスをルソメが右足でシュートし、3-0と差を広げる。コロンビア戦はベンチスタートとなったトミが先発に復帰し、大活躍をする。
 さらに、36分にはハーフウエイライン付近からのFKをマジリが前方にフィード、ルナールがシュートし、メキシコのGKがクリアしたボールをデリーが拾ってルソメにつなぎ、ルソメが4点目を決める。
 後半にもフランスは攻撃の手を緩めず、80分にはティネからのロングパスをアンリが強烈な右足のシュートで5点目を決める。フランスは放ったシュート19本のうち、枠内に飛んだシュートは5本、オウンゴールもあったが、5-0とメキシコに大勝した。
 モントリオールでのイングランド-コロンビア戦はイングランドが2-1で勝利、フランスとイングランドは勝ち点で並んだが、得失点差で上回るフランスがグループFの首位として決勝トーナメントに進出したのである。(続く)

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