第2206回 パリサンジェルマン、チャンピオンズトロフィー、5年連続7回目の優勝

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグ戦開幕前に行われた公式戦

 前回までの本連載では今季1部に昇格した3チームを紹介したが、1部リーグは8月4日に開幕した。今回からはシーズン開幕前に行われた公式戦について紹介しよう。
 まず、国内タイトルとして昨季のリーグチャンピオンとフランスカップ勝者が争うチャンピオンズトロフィー、国際試合としてはチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの予備戦が行われている。

■3年ぶりにリーグ優勝チームとカップ優勝チームが対戦

 チャンピオンズトロフィーはリーグを制覇したモナコとフランスカップを制したパリサンジェルマンとの顔合わせとなった。フランスのサッカー界はこのところパリサンジェルマンがタイトルを独占しており、2015年、2016年は二冠を達成したパリサンジェルマンとリーグ2位のリヨンが対戦している。したがって今年は3年ぶりにリーグとカップのそれぞれの代表が戦う真のチャンピオンズトロフィーとなった。
 チャンピオンズトロフィーは2009年以降は国外での開催となっており、今回はモロッコのタンジェで行われた。タンジェでチャンピオンズトロフィーが争われるのは2011年以来6年ぶりであり、初めて国外で2回目の開催となった。
 過去4連覇しているパリサンジェルマンは、昨季はモナコとは4戦している。カップ戦では2勝し、フランスカップとリーグカップを獲得したが、リーグ戦では1分1敗であり、リーグの連覇は途絶えてしまった。チャンピオンズトロフィーはチャレンジャーのつもりで臨みたいところである。パリサンジェルマンとモナコはチャンピオンズトロフィーでは初めての顔合わせとなる。

■シーズン前の強豪との試合で好成績を残せなかった両チーム

 リーグ開幕前最後の試合であるが、ここまでパリサンジェルマンはインターナショナルチャンピオンズカップに出場する。北米大会に今年も参加し、過去2連覇と相性のいい大会だったが、デトロイトでイタリアのASローマと引き分け(PK勝ち)、オーランドでイングランドのトットナム・ホットスパーに2-4と敗れ、マイアミでイタリアのユベントスに2-3と敗れ、結局8チーム中7位の成績に終わっている。人気チームの宿命とはいえ、米国内を転戦し、アフリカに渡るという長距離移動の連続でシーズン前最後の試合を行うことになった。
 対するモナコはオーストリアで合宿を行い、ザンクトペルテンに勝利、ラピッド・ウィーンと引き分け、スイスに転戦し、イングランドのストーク・シティに4-2と勝利する。ところがここから勝つことができず、オランダのPSVアイントホーヘン、トルコのフェネルバフチェに引き分け、ポルトガルのスポルティング・リスボンとアウエーで戦い、1-2と敗れ、欧州クラスのチームに未勝利のままモロッコ入りする。

■両チームとも新戦力が活躍、パリサンジェルマンが逆転勝利

 両チームとも似たような状況で迎えるチャンピオンズトロフィーであるが、モナコは移籍の噂が絶えないキリアン・ムバッペが先発、一方新戦力としてはベルギーのアンデルレヒトから移籍してきたユーリ・ティーレマンス、オランダのフェイエノールトから獲得したテレンス・コンゴロが先発している。パリサンジェルマンはイタリアのユベントスから獲得したダニエウ・アウベスがウイングの位置で先発した。
 モナコは新戦力が活躍する。30分にカウンターアタックからティーレマンスが絶妙なパスを前線に送り、ジブリル・シディベが先制点を決める。モナコはその直後もムバッペが得点機を作り出すが追加点はならず、一方のパリサンジェルマンも前半終了間際に波状攻撃をかけるが、前半は1-0とモナコがリードして折り返す。
 後半に入り、パリサンジェルマンは試合を支配する。51分にはシディベの蹴ったFKにダニエウ・アウベスが合わせて、同点ゴールが決まる。ダニエウ・アウベスは63分にも右サイドから好機を作り、アドリアン・ラビオがヘディングで逆転ゴールを決めた。
 試合はこのままパリサンジェルマンが2-1と押し切って勝利し、5年連続7回目の優勝を果たし、最多優勝のリヨンにあと1回で並ぶことになるのである。(この項、終わり)

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