第2528回 フランス男子、24年ぶりにオリンピック出場(5) 最終戦で引き分け以上でオリンピック出場となるフランス

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■日程消化が最も遅いグループCのフランス

 オリンピック予選を兼ねた21歳以下の欧州選手権、グループリーグの2試合を終えた時点でフランスはルーマニアと並んで勝ち点6、得失点差で首位を譲っているものの最終戦での直接対決が待っている。
 ただし、フランスはグループC、最も日程消化の遅いグループとなった。決勝トーナメントまで考えれば、最も短い日程でトーナメントを戦わなくてはならず、不利であるが、今回の場合、グループAとグループBの全日程終了を待ってから最終戦を戦うことができる。特に、今回は決勝トーナメントに進出する最後の椅子、すなわち3つのグループの2位チームの中で最も良い成績の1チームとなることも想定しなくてはならない。

■グループリーグ最終戦で大勝したスペインが東京行き一番乗り

 各グループリーグの第2戦までが終了した時点の他のグループの状況は前回の本連載で紹介したが、グループAの最終戦は6月22日に行われ、2勝して首位だったポーランドが1勝1敗のスペインに0-5と大敗する。また1勝1敗でスペインと並んでいたイタリアも2敗のベルギー相手に3-1と勝利する。この結果、ポーランド、スペイン、イタリアが2勝1敗で並ぶが、当該国間の得失点差で順位を決定するという大会規定にのっとり、3チーム間の得失点差が+3のスペインが首位、+1のイタリアが2位、-4のポーランドが3位となった。ポーランドは最終戦の大敗で東京行きが消えてしまったのである。そしてイタリアに1-3と敗れ、第2戦を終了した時点で3位だったスペインは東京行きのチケットを欧州で最も早く手に入れたのである。

■最終戦を引き分けたドイツもオリンピック出場決定

 そして6月23日にはグループBの最終戦が行われ、2連勝して首位だったドイツは1勝1敗のオーストリアと対戦、先制したものの、追いつかれ、引き分けに終わるが、首位をキープし、オリンピック出場を決める。そして1勝1敗のデンマークは2連敗のセルビアを2-0と下し、勝ち点6で2位となる。

■グループAで2位のイタリアとの争いとなる最後の椅子

 グループAの2位はイタリアであるが、2位同士の比較となると、グループリーグ3試合を通しての勝ち点、得失点差の順で決定する。イタリアもデンマークも勝ち点6であるが、イタリアの得失点差は+3、デンマークは+2であり、2位チームとしてイタリアがデンマークを上回る成績を残した。
 イタリアは最終戦の89分にフェデリコ・キエーザがあげた3点目がデンマークを上回る決め手となった。名字を見てお分かりの通り、かつてのイタリア代表エンリコ・キエーザを父に持つ。すでにフル代表でも活躍しているキエーザが得点をあげていなければ、デンマークと得失点差で並んでしまい、総得点でイタリアが下回ることになり、イタリアのオリンピック出場の望みは断たれたのである。
 すなわち、フランスにとっては、最終戦でルーマニアに勝利すれば首位となり、オリンピック出場、そして引き分けた場合も勝ち点を7に伸ばすことができ、イタリアを上回ることからオリンピック出場となる。ただし、ルーマニアに敗れた場合は勝ち点6にとどまり、イタリアと同勝ち点であるが、フランスの得失点差はこの時点で+2、したがって最終戦に敗れた場合はイタリアがオリンピック出場となる。
 また、ルーマニアにとっても勝利、引き分けの場合は首位を確定できるが、敗れた場合は勝ち点6で2位となり、グループAで2位のイタリアと勝ち点で並び得失点差等の争いとなる。ルーマニアは1点差で敗れた場合は得失点差が+4となってイタリアを上回る。2点差負けの場合はイタリアと得失点差で並び、総得点の勝負となるが、すでに8得点をあげているルーマニアが6得点のイタリアを制してオリンピック出場となる。しかし、3点差以上の負けの場合は得失点差でイタリアがオリンピック出場となるのである。(続く)

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