第2951回 決勝トーナメントの国が出そろったアフリカ選手権(3) 今大会初出場のガンビアとコモロが決勝トーナメント進出

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■唯一3連勝したナイジェリア、古豪エジプトが順当に勝ち抜いたグループD

 これまでの連載では強豪同士が対戦した第1節の試合、4か国の優勝候補であるアルジェリア、セネガル、カメルーン、モロッコのグループリーグでの戦いについて紹介してきたが、今回はここまでに紹介しなかった試合を紹介しよう。
 グループDは第1節で前回大会4位のナイジェリアが第1シード、25回の最多出場と7回の最多優勝を誇るエジプトが第2シードが対戦してナイジェリアが勝利したことは本連載第2945回で紹介したが、両チームとの第2節以降は順当に勝ち点を重ねた。ナイジェリアは第2節ではスーダンに3-1、第3節ではギニアビサウに2-0と勝利して3連勝でグループリーグを終えた唯一のチームとなった。一方、第1節でナイジェリアに敗れたエジプトも第2節でギニアビサウ、第3節でスーダンを下して2勝1敗で決勝トーナメントに進出した。

■初出場のガンビアがモーリタニアに勝利、強豪マリとドロー

 グループFもチュニジア-マリという強豪対決で幕を開け、主審が時間前に試合終了の笛を2回にわたって吹くという信じられない事件も起こり、第2シードのマリが第1シードのチュニジアを1-0と下す。両チームは第2節で対照的な結果となる。
 チュニジアはモーリタニアと対戦し、4-0と大勝し、力のあるところを見せる。第1節で幸運な勝利を得たマリの第2戦の相手はガンビア、予選では第5シードから勝ち上がって初めての本大会出場を果たしたチームである。そして本大会でも初戦のモーリタニア戦は10分に先制点を奪い、1-0と勝利する。
 しかし、この時点ではグループリーグの二弱同士の対戦で勝利したという意識しかアフリカのサッカーファンは思わなかったであろう。マリがガンビア相手に勝ち点3を奪って決勝トーナメント進出を決めるであろうと思われていた。その通りマリは試合終盤の79分にPKで先制し、時計の針は90分を指し、アディショナルタイムを残すのみとなったが、この時にガンビアにPKが与えられ、ガンビアは途中出場のモドゥ・バローが決めて同点に追いつき、首位に躍り出た。

■アディショナルタイムにガンビアに決勝点を奪われたチュニジア

 第2節を終えて首位はガンビア(勝ち点4)、ガンビアと勝ち点、得失点差で並ぶマリが2位、3位のチュニジアは勝ち点3、4位は勝ち点1のモーリタニアとなった。ガンビアの活躍で乱戦となったグループFの最終節、ガンビア-チュニジア、マリ-モーリタニア戦が行われた。最後のグループリーグということで勝ち点4のガンビアとマリは3位になったとしても決勝トーナメントは確保されている。マリはモーリタニア相手に前後半1点ずつあげて順当に勝利した。一方、ここでも驚きを与えたのがガンビアである。0-0で迎えた後半アディショナルタイムのことである。このまま試合が終わってもグループ2位の座を確保できるガンビアはアディショナルタイムに決勝点をあげて、1-0と勝利する。結局グループFはマリとガンビアが勝ち点7で並び、得失点差でマリが1位となる。そしてチュニジアは1勝2敗の3位に終わった。

■3位グループのカーボベルデ、マラウイ、コモロ、チュニジアが決勝トーナメント進出

 ただ、今大会は3位チームも希望がある。各グループの最終順位は以下のとおりである。グループAは首位がカメルーン、2位ブルキナファソ、3位カーボベルデ(勝ち点4、得失点差±0)、4位エチオピア、グループBは首位セネガル、2位ギニア、3位マラウイ(4、±0)、4位ジンバブエ、グループCは首位モロッコ、2位ガボン、3位コモロ(3、-2)、4位ガーナ、グループDは首位ナイジェリア、2位エジプト、3位スーダン(1、-3)、4位ギニアビサウ、グループEは首位コートジボワール、2位赤道ギニア、3位シエラレオネ(2、-1)、4位アルジェリア、グループFは首位マリ、2位ガンビア、3位チュニジア(3、+2)、4位モーリタニアとなった。
 この結果、各グループ2位までのチームに加え、3位グループのカーボベルデ、マラウイ、コモロ、チュニジアの合計16チームが決勝トーナメントに進出した。今大会初出場のガンビアとコモロがそろって勝ち進んだのである。(続く)

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