第2952回 決勝トーナメントの国が出そろったアフリカ選手権(4) ワールドカップアフリカ3次予選組み合わせ決定

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■優勝候補アルジェリアとガーナの敗退

 前回までの本連載ではアフリカ選手権の決勝トーナメントに進出する16チームが出そろったことを紹介した。
 最大の驚きは、前回優勝で大会が始まるまで34試合無敗という強さを見せ、優勝候補最右翼だったアルジェリアがグループEで1分2敗に終わり、最下位で敗退したことである。そして後述する通り、ガーナも最下位で敗退している。

■初出場で堂々たる成績を残したガンビア

 そして優勝候補の敗退もあれば、逆にダークホースの勝ち抜きもある。その代表はグループFのガンビアであろう。ガンビアは西アフリカ、ガンビア川の河口にある国でセネガルに囲まれている。ポルトガル人が最初に入植したが、その後英国が統治することになり、1965年に英国から独立している。人口240万人ほどの小国ガンビアはアフリカ選手権予選には1970年代から、ワールドカップ予選には1980年代から参加しているが、今まで予選を突破したことはなく、今回が初めての予選突破、本大会である。ガンビアは出場24チームの中で最もFIFAランキングは低く、誰も注目していなかったが、ミラクルと言える試合展開で2勝1分という成績を残してグループで2位となった。

■第3戦で強豪ガーナを下して16番目の座席を確保したコモロ

 初出場で小国という共通点のあるコモロも決勝トーナメントに駒を進めた。コモロはマダガスカルとモザンビークの間のインド洋にあるコモロ諸島からなる島国、人口は80万人強である。コモロはフランスから独立したが、近くのマヨット諸島はフランスの海外県である。マヨットからフランスカップに出場しているチームの戦いぶりを見れば、本連載第2949回でコモロがガボン、モロッコに連敗したことを当然の結果であると思われた読者の方がほとんどであろう。ところが、第3戦のガーナ戦で驚きの結果を残す。ガーナもワールドカップ3次予選に残っている強豪であり、第1戦でモロッコに敗れたところまでは想定内であったが、第2戦はガボンと引き分けてしまい、勝ち点1で最終戦に臨む。コモロはガーナ相手に先制点を奪い、ガーナは前半のうちに退場者を出し、不利な状態で試合を進めることになる。コモロは後半に入って61分に追加点をあげる。ガーナも猛追し、一旦は追いついたが、85分にコモロは決勝点をあげ、勝ち点3とする。コモロは3位、そしてガーナは最下位となり敗退が決まった。アルジェリアと並ぶ意外な結果であろう。
 3位となったコモロは他のグループの結果を待つことになったが、翌日にグループDの3位のスーダンか勝ち点1、翌々日にグループEの3位のシエラレオネが勝ち点2にとどまり、16番目のチームとして決勝トーナメントに進むことになったのである。

■決勝トーナメント開始の前日にワールドカップ3次予選の組み合わせが決定

 そして決勝トーナメントの組み合わせも決まり、翌日から決勝トーナメントとなる1月22日、カメルーンのドゥアラでワールドカップアフリカ3次予選の組み合わせ抽選が行われた。10チームが残っており、FIFAランキングで上位の5チームと下位5チームが対戦する。上位5チームはセネガル、チュニジア、ナイジェリア、モロッコ、アルジェリア、下位5チームはエジプト、ガーナ、カメルーン、コンゴ民主共和国、マリである。このうち今回のアフリカ選手権に出場していないのはコンゴ民主共和国、グループリーグで敗退したのはアルジェリアとガーナである。
 抽選の結果、エジプト-セネガル、マリ-チュニジア、ガーナ-ナイジェリア、コンゴ民主共和国-モロッコ、カメルーン-アルジェリアとなった。第1戦は下位5チームのホームで行われる。この中でエジプト-セネガルはアフリカ選手権の決勝、マリ-チュニジアは準決勝と、カメルーンでも対戦の可能性がある。グループリーグで敗退したアルジェリアは3月には再びカメルーンの地で戦うことになる。また、ガーナの相手はグループリーグで唯一3戦全勝したナイジェリアである。両チームはカメルーンに残って対戦相手の研究をすることになるであろう。(この項、終わり)

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