第2957回 セネガル、初優勝を飾る (3) セネガル、ブルキナファソ、エジプトも準決勝進出

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■会場が変更となったセネガル-赤道ギニア戦

 直前になって試合会場が変更となるというアフリカ選手権特有の事件が起こった準々決勝、会場変更の対象となった試合がセネガル-赤道ギニア戦である。セネガルは前回大会の準優勝チームで今大会も優勝候補、対する赤道ギニアは下馬評は低かったが、グループリーグでは前回覇者のアルジェリア、そして決勝トーナメント1回戦ではギニアという実力チームを下してきた。

■サディオ・マネの活躍で赤道ギニアを下したセネガル

 セネガルのエースはサディオ・マネ、ここまでチームの3得点のうち2得点をあげてきた。試合は互角の戦いとなるが、両チーム数少ないチャンスを活かしてゴールを狙う。先制点をあげたのはセネガルであった。マネがゴール前のファマラ・ディエジウにパス、左足でシュートしてゴールが決まる。前半終了間際には赤道ギニアもゴールの狙える位置でFKを得たが、セネガルの壁に跳ね返され、セネガルが1点をリードして折り返す。
 後半に入ってゴールをあげたのは赤道ギニアであった。57分にペナルティエリア付近で絶妙のパス交換、セネガルの守備陣を崩したところでジャニック・ブイラが同点シュートを決める。セネガルはここで積極的に選手交代、この采配が功を奏し、65分には赤道ギニアのゴール前での空中戦からピッチに入ってきたばかりのシェイク・クヤテが勝ち越し点を決める。さらにセネガルはイスマイラ・サールが78分に追加点をあげて3-1と準決勝進出を決めた。

■今回もブルキナファソがチュニジアに勝利

 チュニジアとブルキナファソはこれまでのアフリカ選手権では2回対戦したことがあり、2回ともブルキナファソが勝利している。記憶に新しいところでは2017年大会の準々決勝での対戦、ブルキナファソはチーム史上最高の3位に輝いている。チュニジアはグループリーグ初戦のマリ戦では不可解な試合終了の笛に泣き、グループリーグは3位で決勝トーナメント進出。そして決勝トーナメント1回戦は新型コロナウイルスの感染によりメンバーを大幅に欠く中で、強豪ナイジェリアに勝利した。この復活したチュニジア優勢という見方が強かった。
 しかし、試合が始まるとブルキナファソは両サイドからチュニジアを攻める。そして前半のアディショナルタイムにブルキナファソはダンゴ・ウアタラがドリブルで駆け上がり、セネガルの選手を抜き去って最後は左足でシュート、チュニジアのGKは動けずにボールはネットを揺らした。ウアタラはロリアンの下部組織出身で今季プロ契約をしたばかり、代表入りもこの大会の直前で、うれしい代表初ゴールとなった。
 リードされたチュニジアは後半開始時から選手を交代させ、反撃を試みる。52分にはエリス・スキリがボレーシュートを放つが枠を外れる。それ以降もチュニジアはブルキナファソのゴールを襲うがゴールが遠い。78分もチュニジアにPKか、というシーンがあったがVARの結果、チュニジアに同点のチャンスは与えられなかった。81分にはウアタラが一発退場のレッドカード、残り10分はチュニジアが数的有利となったが、それでも追いつけず、ブルキナファソが今回もチュニジアを倒したのである。

■ワールドカップ予選に残っている強豪対決は延長戦をエジプトが制す

 エジプト-モロッコ戦は準々決勝でワールドカップ予選に残っているチーム同士の唯一の対戦となり、それにふさわしい熱戦となった。先制点はモロッコであった。開始3分で攻めあがったモロッコのアクラフ・ハキミがペナルティエリア内で倒される。VARの結果、モロッコにPKが与えられ、アンジェ所属のソフィアン・ブファルが決める。これが前半のモロッコの唯一の攻撃シーンであり、試合はエジプトが支配するが、エジプトは本大会これまでわずか2得点という数字が示す通り得点力不足である。ようやくエジプトは53分にエースのモハメド・サラーが同点ゴールを決めた。その後追加点はなく、試合は延長戦に入る。
 延長前半の110分、サラーが右サイドを突破、クロスをあげてファーポストにいたモハメド・トレゼゲが勝ち越し点をあげる。エジプトが地力の違いを見せ、モロッコを下して準決勝に進出したのである。(続く)

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