第2958回 セネガル、初優勝を飾る(4) セネガルとエジプトが決勝に進出

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■第1シードで首位通過のカメルーンとセネガル、第2シードで2位通過のエジプトとブルキナファソ

 アフリカ選手権の準決勝は首都ヤウンデで行われ、2月2日にブルキナファソ-セネガル戦がアーマド・アヒージョ競技場、3日にカメルーン-エジプト戦がオランベ競技場で行われる。このうちカメルーン-エジプト戦は開催地がドゥアラから変更された試合である。
 本大会の各国のこれまでの成績を見るとカメルーンは4勝1分、エジプトは4勝1敗(うち1PK勝ち)、ブルキナファソは3勝1分1敗(うち1PK勝ち)、セネガルは3勝2分である。グループリーグで首位だったのはカメルーンとセネガルだけ、そしてグループリーグを2位で通過したエジプトとブルキナファソはもともと第2シードであり、決勝トーナメントに入ってから強さを見せ、エジプトはモロッコ、ブルキナファソはチュニジアという第1シードの国を破っている。

■パリサンジェルマン祭りでセネガルがブルキナファソを下す

 ブルキナファソとセネガルはいずれも優勝経験がない。四強の中で唯一ワールドカップ3次予選に残っていないブルキナファソはこれが4回目の準決勝進出、過去3回のうち1回だけ決勝進出を果たしている。セネガルは準優勝した前回大会に次ぐ6回目の準決勝、決勝には2回進出している。ブルキナファソは主将のベルトラン・トラオレが戻ってきたが、準々決勝のヒーローのダンゴ・ウアタラが累積警告で出場停止となっている。試合はセネガルが優位に進めるが、ブルキナファソは組織的な守備でセネガルの得点を許さない展開となる。29分、セネガルのシェイク・クヤテとブルキナファソのGKのエルベ・コフィがペナルティエリア内で接触、2人とも倒れ込む。エチオピア人の主審はPKをいったんは宣告したものの、VARの結果、取り消した。コフィはプレーを継続することができず、ブルキナファソはGKを交代させる。交代して入ったファリド・ウエドラオゴは不慣れなプレーを見せて危ないところもあったが、前半は無失点で乗り切る。
 後半に入るとブルキナファソが盛り返し、互角の戦いとなる。均衡が破れたのは70分、ブナ・サールのCKをカリドゥ・クリバリーがつなぎ、最後はパリサンジェルマンに所属するアブドゥ・ディアロがゴールを決めた。これで勢いに乗ったセネガルは76分にパリサンジェルマンのイドリッサ・ゲイエが追加点を決める。セネガルの監督のアリウ・シセはかつてパリサンジェルマンでも活躍し、パリサンジェルマン祭りとなった。ブルキナファソは82分にイブラヒム・トゥーレが1点を返すが、セネガルのエース、サディオ・マネが87分にゴールを決め、3-1と勝利し、2大会連続の決勝進出を決めた。

■優勝経験が豊富でポルトガル人監督の率いるエジプトとカメルーンが対戦

 もう一つの準決勝、これまでにエジプトは7回優勝、カメルーンは5回優勝と優勝経験が豊富なチーム同士の対戦となった。決勝ではこれまでに3回対戦、1986年と2008年はエジプトが優勝、2017年はカメルーンが優勝している。そしてエジプトのカルロス・ケイロス監督、カメルーンのトニ・コンセイソン監督、2人ともポルトガル人である。

■延長戦でも両チーム無得点、PK戦でエジプトが決勝進出を決める

 試合はカメルーンがやや押し気味に進めるが、シュートが枠に飛ばない。一方のエジプトもエースのモハメド・サラーが攻撃を組み立てることができず、前半は両チームとも無得点となる。
 後半に入り、56分にサラーは自らが突破してカメルーンのGKと一対一になるが、アンドレ・オナナがペナルティエリアの外まで出てきて、サラーをタックルで止める。一方、後半に入ってから鳴りをひそめていたカメルーンの攻撃であるが、70分にサミュエル・グエのシュートはポストをたたく。両チームともシュート数が少なく無得点で延長戦に入る。
 延長戦になっても展開は変わらず、延長前半の終了間際にカメルーンが好機を逃し、エジプトは延長後半終了前のチャンスを活かせずにPK戦となる。1人目は両チームとも成功させたが、エジプトのGKアブ・ガバルはカメルーンの2人目をストップ、さらに3人目も連続してストップする。一方のエジプトは3人全員が成功させる。先蹴のカメルーンは4人目のシュートは枠の外、エジプトが2017年大会以来の決勝進出を決めたのである。(続く)

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