第2989回 ワールドカップ組み合わせ抽選前の親善試合(3) 欧州選手権以来の復帰を果たしたオリビエ・ジルー

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■バンジャマン・パバールが離脱、20歳のウィリアン・サリバが初招集

 前回の本連載ではコートジボワール、南アフリカとの試合に臨む23人の選手の中でジョナタン・クロースとクリストファー・ヌクンクという2人の新人について紹介したが、メンバー発表後すぐに2人がリタイアした。DFのバンジャマン・パバールが新型コロナウイルス陽性判定のため、FWのカリム・ベンゼマが負傷のため、メンバーから外れた。
 パバールの代わりには20歳のウィリアン・サリバが招集された。サリバはこれがフル代表で初めての招集となる。アンダーエイジの代表の常連であり、東京オリンピックにも6月の時点でメンバーに入っており、訪日を楽しみにしていたファンの方も少なくなかったであろうが、所属クラブの意向でメンバーから外れる。今季はアーセナルからレンタル移籍されたマルセイユで活躍している。

■カリム・ベンゼマの代役となったオリビエ・ジルー

 DFでは代表未経験の若い選手を代役に選んだが、ベンゼマの代わりにはオリビエ・ジルーが入った。すでに35歳、これまでに代表戦110試合に出場し、46ゴールを記録している大ベテランである。昨年の欧州選手権を最後に代表から離れており、代表から実質的に引退したと思われていた。しかし、昨夏から所属しているイタリアのACミランでは好調そのものである。これもディディエ・デシャン監督の方針である所属クラブで活躍している選手を選出しただけで、ACミランの首位の原動力となり、ヨーロッパリーグでもゴールを量産しているFWの年齢がたまたま35歳であったということに過ぎない。

■ジルー、9か月ぶりの代表戦

 そしてこの2人は3月25日のコートジボワール戦に出場した。マルセイユのベロドローム競技場には6万人以上の観客が集まった。フランスは3バックシステムで臨む。GKはウーゴ・ロリス、DFは右からジュール・クンデ、ラファエル・バラン、ルカ・エルナンデスと並ぶ。MFは低い位置に4人並び、右からキングスレー・コマン、オーレリアン・チュアメニ、ポール・ポグバ、テオ・エルナンデス、高い位置にはトップ下のアントワン・グリエズマン、2トップは右にクリストファー・ヌクンク、左にオリビエ・ジルーという先発メンバーである。ヌクンクは代表デビュー、そしてジルーは昨年6月以来9か月ぶりの代表での試合となる。サリバ、ジョナタン・クロースはベンチスタート、キリアン・ムバッペもベンチに控えるが、ジルー同様に所属チームで好成績を残すヌクンクがムバッペの出番を奪うかどうかも注目したい。

■2次予選の最終戦で首位から転落したコートジボワール

 フランス代表戦の日とは言え、国民の多くは同日に行われているワールドカップのアフリカ3次予選に注目している。首位チームのみが3次予選に残ることができる2次予選の最終戦まで、コートジボワールは首位に立っていた。最終戦はアウエーでカメルーンと対戦、この試合で0-1と敗れ、カメルーンに逆転されて2位となり、ワールドカップの夢が消えた。
 ワールドカップ予選で敗退したコートジボワールであるが、本連載でも紹介した今年のアフリカ選手権、カメルーンで開催され、予選敗退のリベンジを果たそうとする。グループリーグでは優勝候補のアルジェリアを3-1と破ってグループリーグ敗退に追い込み、グループリーグを首位で通過する。決勝トーナメント1回戦で準優勝することになるエジプトと対戦、両チーム無得点で、延長戦でもノーゴール、結局はPK戦となり、エジプトが勝ち進むが、コートジボワールにとっては手ごたえの残った大会であったであろう。
 フランスにとってアフリカのチームと対戦するのは久しぶりのこととなる。4年前のワールドカップではアフリカ勢とは対戦せず、親善試合も6年前が最後である。その6年前の親善試合は2016年11月15日のランス(Lens)でのコートジボワール戦であり、スコアレスドローであった。それから6年、どのような試合になるのであろうか。(続く)

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