第2991回 ワールドカップ組み合わせ抽選前の親善試合(5) ワールドカップ2次予選で惜敗した南アフリカ

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■ワールドカップ2次予選の最終戦で敗れた南アフリカ

 フランスのサッカーの都マルセイユで6年ぶりの代表戦、フランスは好調なコートジボワールに先制されながら追いつき、後半アディショナルタイムのオーレリアン・チュアメニの代表初ゴールで勝利することができた。
 第2戦は3月29日、フランスを南から北に移動し、リールのピエール・モーロワ競技場で南アフリカと対戦する。
 南アフリカはワールドカップ予選2次予選で敗退している。南アフリカの入ったグループGは南アフリカとガーナの一騎打ちとなった。最終戦を迎える時点で南アフリカは4勝1分で勝ち点13、ガーナは3勝1分1敗で勝ち点10、そして11月14日に行われた最終戦はガーナが南アフリカをホームに迎える。ガーナは勝利すれば勝ち点で並び、全試合の得失点差の勝負となる。この時点の得失点差は南アフリカが+5、ガーナが+3であり、ガーナが勝利すれば勝ち点で並び、さらに得失点差でも同等以上になる。試合はガーナがアンドレ・アユーのPKで1-0と勝利し、勝ち点でも全試合の得失点差でも並ぶ。結局全試合の得点数で順位が決まり、総得点7のガーナが総得点6の南アフリカを押さえて最終の3次予選に進出した。

■アフリカ選手権予選も最終戦の直接対決で敗れた南アフリカ

 フランスはコートジボワールに続き、アフリカ2次予選の最終戦で惜敗した国と連戦しているのである。ただ、コートジボワールと南アフリカの違いは2月に行われたアフリカ選手権である。コートジボワールは出場し、決勝トーナメントに残ったが、南アフリカは昨年3月まで行われていた予選で敗退し、本大会には出場していなかった。なお、アフリカ選手権の予選は4チームで争われ、上位2チームに本大会出場権が与えられたが、この予選も南アフリカは最終戦を迎える時点では本大会出場圏内であったが、スーダンとのアウエーでの直接対決で敗れ、逆転されて出場権を獲得できなかった。ワールドカップ予選はアフリカ選手権予選と同様に最終戦で涙をのんだのである。

■南アフリカを率いるベルギー人のウーゴ・ブロース監督

 南アフリカはアフリカ選手権の予選敗退後の昨年5月に監督をウーゴ・ブロースに交代している。1970年代から1980年代にかけてベルギー代表として活躍し、引退後は様々なクラブでの監督経験があり、2017年にはアフリカ選手権でカメルーンを指揮している。南アフリカはワールドカップ予選敗退後最初の試合として、フランス戦の直前はベルギーのコルトレイクでギニアと親善試合を行っている。ワールドカップ2次予選で敗れた同士の対戦はスコアレスドローであった。南アフリカは若手中心のチームとなった。かつてリールに所属し、現在はトロワに所属するストライカーのレボ・モシバは負傷による長期離脱からようやく2月に戦線復帰したところであるが、今回のチームには入っていない。

■直近の2試合で南アフリカに勝利していないフランス

 南アフリカとフランスはこれまでに4回対戦している。通算成績は2勝1分1敗と、フランスは苦戦している。しかも最初の2度の対戦では勝利(1997年の親善試合、1998年のワールドカップ)したが、2000年に行われた親善試合ではスコアレスドロー、さらに直近の試合である2010年に南アフリカで開催されたワールドカップではアウエーとはいえ、1-2と敗れている。また、ワールドカップでフランスが開催国として対戦した相手のうち、その国で開催したワールドカップでフランスが対戦したというのは南アフリカだけであり、それぞれ開催国が勝利している。
 フランスは1998年以来、南アフリカに勝利しておらず、今世紀初の勝利を目指す。一方の南アフリカはブロース監督が勝敗よりも経験と言う通り、経験を積むことが必要であるが、フランスで南アフリカ戦の勝利の経験があるのはディディエ・デシャン監督だけであり、大きな驚きを与える可能性もあるのである。(続く)

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