第3229回 女子ワールドカップ開幕(3) エルベ・ルナール監督が就任、相次ぐ負傷者

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■選手が造反、コリンヌ・ディアクル監督が解任

 昨年行われた欧州予選を全勝で突破し、その間に行われた欧州選手権も3位と期待がかかるフランスであるが、順調にワールドカップを迎えたわけではなかった。女子サッカーは男子に比べて選手の年齢層の幅が広いが、ベテラン選手のカディディアトゥ・ディアニ、ウェンディ・ルナール、中堅のマリー・アントワネット・カトト、ペール・モロニが2017年から指揮を執ってきたコリンヌ・ディアクル監督に対して今年の2月に反旗を翻す。フランスサッカー連盟はこの事態を重く受け止め、ディアクル監督を解任した。

■エルベ・ルナール新監督、ベテランを復帰させ、初陣を飾る

 ワールドカップの4か月前の政変、後任の監督は昨年の男子のワールドカップでサウジアラビアを率いたエルベ・ルナールが就任した。ワールドカップでは優勝したアルゼンチンに土をつけた唯一のチームとなるなど、国内外の代表、クラブチームで活躍をしてきたルナール監督であるが、女子チームにかかわるのはこれが初めてである。
 3月末にルナール監督が就任して4月にはコロンビアとカナダ相手に親善試合を行った。チームの課題としてはエースストライカーのカトトが負傷中であり、ワールドカップまでに戻ってくるかわからない。カトトを補う位置にいるディアニもケガで出場ができない。ルナール監督はここでベテランのウジェニー・ルソメをカムバックさせる。
 ルナール監督の初陣にして7月のワールドカップまで実質最後の親善試合とあって、注目を集めたが、4月7日にクレルモンフェランで行われたコロンビア戦のフランスは前半は動きが悪く、1点を先行されて折り返す。後半も立ち上がりに追加点を奪われたが、51分にデルフィーヌ・カスカリーノが1点を返し、56分にはルソメがこぼれ球を押し込んで同点、さらに59分にはカスカリーノのクロスをルソメがヘディングで合わせて勝ち越し点を決める。その後もフランスは2点を追加し、5-2と勝利した。

■オリンピックチャンピオンのカナダにも勝利

 11日にルマンでカナダと対戦する。2年前のオリンピックの優勝チームであり、最新の世界王者である。フランスはこの試合の照準を合わせてレギュラー候補を出場させる。コロンビア戦では守備の乱れが目立ったが、このカナダ戦ではフランスが先手を取る。先発出場したグラス・ゲヨロが51分にカスカリーノのクロスをヘッドで合わせる。ヘディングしたボールはポスト際にコントロールされ、先制点となる。続いて64分にはレア・ルガレックが代表初ゴールで追加点、カナダの反撃を1点に押さえて連勝した。

■26人のメンバーを発表、若い選手中心となる

 このように幸先の良いスタートを切ったルナール監督、6月6日にワールドアップに出場する26人の選手を発表した。
 この中で驚きはアマンディーヌ・アンリのカムバックである。33歳のアンリは前回のワールドカップでは主将を務めたMFであったが、2020年11月を最後に代表から遠ざかっており、4月の親善試合でルソメをカムバックさせたことに手ごたえを感じたのであろう。ところが、アンリは負傷のためメンバーから外れてしまう。
 さらにメンバー発表後に負傷者が重なった。MFのオリアン・ジャン・フランソワは21歳で代表に入ったばかりであったが、ゲヨロとパリサンジェルマンのチームメイトで中盤のコンビネーションがよく、カナダ戦の勝利に貢献したが、負傷で離脱してしまう。さらにクロスをあげて得点に絡んだカスカリーノも離れてしまった。
 チームの中心は主将のルナールとルソメであるが、経験の少ない選手の多い構成となった。前回のワールドカップを知る選手はこの2人以外にディアニ、アメル・マジリ、ゲヨロくらいである。特にGKは経験が必要であるが、長らく代表の正GKを務めたサラ・ブハディはディアクル前監督と対立して代表チームを去ってしまった。
 このように不安を抱えたまま、本大会を迎えるのである。(続く)

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