第3348回 ドイツ、チリと連戦(4) ドイツに完敗、昨年9月に続いて連敗

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■ドイツのレジェンド、フランツ・ベッケンバウアーとアンドレアス・ブレーメに黙祷

 リヨンのグルーパマ競技場でキックオフされるドイツ戦、ディディエ・デシャン監督にとっては記念すべき150回目の試合となる。これまでの成績は97勝29分23敗である。  両国の国歌演奏が終わり、キックオフの前にフランツ・ベッケンバウアー、アンドレアス・ブレーメとドイツサッカーのレジェンドへの黙祷が捧げられた。ベッケンバウアーは1990年のワールドカップで西ドイツを監督として優勝に導き、シーズン後にベルナール・タピが率いるマルセイユの監督になる。当時デシャンもマルセイユに所属していたが、1990-91シーズンのみはボルドーにレンタルされており、ベッケンバウアーの下でプレーすることはなかった。

■モンペリエでのドイツ戦から守備的MFとして定着したディディエ・デシャン

 ただ、デシャン監督はこの2人と同時に対戦したことが1回だけある。それは1990年2月28日にモンペリエで行われたフランスと西ドイツの親善試合である。5か月後にイタリアワールドカップで優勝することになる西ドイツ、3か月前にワールドカップ行きが断たれたフランス、好対照な国同士の対戦であったが、デシャンはフランスの守備的MFとして出場し、ベッケンバウアーが監督を務め、ブレーメが右サイドDFを担う西ドイツと対戦した。デシャンは前年に代表にデビューしたばかりであったが、この試合で守備的MFとしての適性を発揮し、代表に定着するきっかけとなった試合であった。なお、この試合は西ドイツが先制したが、ジャン・ピエール・パパンの同点ゴール、エリック・カントナの決勝ゴールでフランスが勝利している。

■開始7秒で失点したフランス

 デシャン監督にとっては2人に対する特別な思いがあっただろうが、黙祷が終わり、ドイツのカイ・ハバーツがトニ・クロースにパスをして試合がはじまった。久しぶりの代表戦となるクロースの試合勘は鈍っていなかった。左サイドのフロリアン・ビルツにパス。ビルツはゴール左上に突き刺すシュートを決める。時計は開始8秒を指し、これはドイツ代表史上最短の記録となった。これまでの記録は2019年にルーカス・ポドルスキが決めた9秒であった。ビルツはまだ20歳のFW、17歳になったばかりでレバークーゼンとプロ契約を結び、バイエルン・ミュンヘン戦でプロ初ゴールを決め、最年少ゴール記録を持っている。ビルツはリーグ戦で無敗を続けるレバークーゼンに所属しており、ナーゲルスマン監督の選手起用が的中した。
 フランスが1分以内に失点をしたのは1923年のオランダ戦、1982年のイングランド戦に次ぎ、これが3回目のことである。特に1982年のイングランド戦はスペインワールドカップのブライアン・ロブソンのゴールであり、日本の皆様もよくご記憶であろう。

■フランス沈黙、ドイツに連敗を喫する

 この立ち上がりの失点でフランスのイレブン、グルーパマ競技場に集まった6万の観衆は意気消沈した。ボール支配率でも3割強に過ぎず、白いユニフォームのドイツがパスを回して試合を支配する。前半のフランスの見せ場は1回だけ、ゴール前のキリアン・ムバッペがチャンスを得たが、ドイツのGKのマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンに競り負ける。復帰させたマヌエル・ノイアーの負傷によって試合に出場したテア・シュテーゲンであるが、6月の本大会に向けてデモンストレーションが必要である。
 後半になっても状況は変わらない。49分には左サイドのビルツが中央のジャマル・ムシアラに対しロングパスを供給、GKのウィリアン・サンバを交わして、カイ・ハバーツにパス、ハバーツは難なく追加点を決める。
 60分過ぎからフランスは次々と選手交代を試みるが、状況を打開できず、0-2と敗れてしまう。フランスが敗れたのは昨年9月のドイツ戦以来のことであり、同じ相手に1年以内に連敗し、デシャン監督は記念すべき150試合目の采配を白星で決めることができなかったのである。(続く)

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